二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 24話up! ( No.131 )
日時: 2011/04/10 23:07
名前: 葵 (ID: 7jw4zwan)

 25話 雨戦終結来る!


…あ゛ー…。
体中が痛い。
俺、多分死ぬんだろうな。
海洋生物なんかと戦わずに、彼奴放置して逃げれば良かった。
………なんて、冗談だ。

俺が唯一認めた、“友達”。
死なす訳には行かないよな。
其れに……俺と違って彼奴は、将来は有望株なんだ。
俺みたいに、手を血だけで汚す様な真似なんて、しない筈だろうし。
そもそも俺には、エル以外泣いてくれる奴なんて、いないだろうし。

けど、本当に、痛い………———。




———————————




「お兄様ッ! 嫌、嫌あぁあああぁあぁッ! お兄様ぁッ!!」


テレビの画面内には、血で赤く染まって行くキルが映し出されていた。
海洋生物と戦おうとしたキルは、一時撃退する事は出来たのだが、直ぐに海洋生物は山本の血に反応し、キル達を襲ったのだ。
完全に撃退出来たと思っていたキルは既に暗器も手放し、山本を背負って歩き出していた為、両腕が塞がっていた。
山本を殺されない様にする為か、キルは山本を瞬時に遠くまで放り投げ、キルは右腕を噛まれてしまった。
腕を失い、痛みからか悶絶し、動かなくなってしまったキルに、エルは外側から叫び続ける。
エルはチェルベッロの胸倉を掴み、チェルベッロの首を締め上げた。


「が…ッ」

「お止め下さい、エル様!」


片方のチェルベッロの制止すら聞かずに、エルは暴れ回る。
中で鮮血に染まって行っているのは、チェルベッロのせいだと少なからずエルが思っているのが原因である。


「兄様を…兄様を早く助けなさいよッ! 早くッ!!!!」


エルが今見せているのは、兄への執着心と狂気にも似た愛情だった。
今助ければもしかしたら助かるかも知れないという儚い望みも賭けて、エルはチェルベッロを脅す。
瞬間。


「十代目!?」


そう叫ぶ獄寺の声がして、エルはテレビ画面へと目を向けた。
其処には、いつの間にかハイパーモードになっていた、ボンゴレ十代目がキルの前に凛々しく佇んでいた。




———————————(ツナ視点)




俺が皆の場所へ着いた頃、山本は既に瀕死の状態だった。
中々皆の元に出づらいと考えていたら、遂に海洋生物が出て来る水域にまで達したのか、海洋生物が二人を襲った。
キルさんの腕を噛み千切り、尚もキルさんを襲おうとする海洋生物に嫌気が刺し、俺はアクエリオンの中に侵入した。
バジル君に貰った死ぬ気弾を飲んで、手にグローブを填め込んだら此れで準備は完了だ。


「海洋生物………まぁ、人間程野心が無いし、突撃して来るだけだから、大丈夫だろう」


倒れているキルさんを背にして、俺は二、三発海洋生物に打撃を加えた。
痛みからか、海洋生物は水の中でバシャバシャと暴れ回る。
やはり、確実に仕留められる技でないと、海洋生物まで倒せる程の威力は無い。
分かり切っていた事だが、あわよくば、と考えていたので、少々残念だった。
最早、此の技しか無いだろう。


「零地点突破改!」


___パキイイィィイィン…


海洋生物は俺の攻撃により凍り付く。
動く事すら出来なくなった、海洋生物の凍り付け。
自分で此の海洋生物を凍らせたくせに、嫌悪感を抱いてしまう。
俺は、こんな力を持ってしまったのだと…。


「ツナ………?」


いつの間にか意識を取り戻していた山本に、俺は笑みを向けた。



___こんな戦い、早く終われば良いのにと。

切に、願いながら…。