二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

後悔はいつだって、 ( No.108 )
日時: 2011/04/12 01:29
名前: 如月 ◆QWE8ZSUilM (ID: ppbZlmwS)









そこのお嬢さん、ちょっと昔話に付き合ってくれない?
まあ結構思い話だからさ、無理して付き合わなくていいよ。
え?付き合ってくれる?本当、嬉しいよ、ありがとうね。
それじゃあどこから始めようか。
昔々のお話を——…








俺はまだガキだったあいつをよく殴った。
あいつは、泣いたよ。泣きながらそのうち助けを求める言葉は使わなくなった。
いつも沈着としているようになった。
それ以降はどれだけ殴っても可愛がっても、あいつの一種超然とした態度は変わらなかった。
なんていうのかね、多分あいつは壊れちまった。
壊したのは俺だからまあ、それをどうこうは言えないんだけどな。

俺もまだまだガキだったし、愛の国なんて名前もそのころは無かったし。
どちらかと言うと侵略者として名を馳せてた頃の話しだ。
どう扱っていいか判らなかった、なんてのは言い訳だ。
あいつに飯を食わせて俺の言葉を使うことを強要して、言う事聞かなきゃ拳を振るった。
あいつはただ静かな翡翠の目で俺のことを見てたよ。



国王をすっかりイングランドに取り込んで、ブリテンを支配した後あいつは一気に反旗を翻した。
まあ、俺が油断してたのもあるんだけどな。
忙しさにかまけてあいつに払う注意がお留守になってるあいだにイングランドは「イギリス」になっていた。
そして、俺のやり方をつぶさに見ていたあいつはその良い所だけを取り入れて戦場に立った。
人の子で言えば12.3さいくらいだってのに、自分の胸くらいまである大剣振るって戦場でガンガン死体を製造していった。
男も女も子供年寄りも、見境無しだ。ほんとに怖いガキだったよ。




壊れてたんだな。


何も感じてなかったんだろう、あいつは。
裏切りも嘘も全くあいつにとっては何かが痛むようなものじゃなかった。
侵略も略奪も当然の権利のひとつくらいにしか思ってなかったんだろう。
だってあいつは弱かったから侵略された。なら、自分より弱い奴を侵略するのはあたりまえじゃないかってさ。
俺はあいつの手を一時でも手放したことその後散々後悔したよ。何度も煮え湯を飲まされたからさ。
100年以上も戦争して、互いに血みどろになっても戦場にたつあいつは無表情だった。
血にまみれて持ってる剣には人の血だか脂だかよくわかんないものがべったりついててさ。
腐臭に正気を保つこともできないような場所であいつはまっすぐに立っていた。
だってもう、とっくに正気じゃなかったんだから。




あいつが、子供を育ててるって話を聞いたときは何の冗談かとおもったね。
幼子の泣き声にうるさいの一言で剣を振るうような奴がどうやって子供を育てるって言うんだ?全く信じていなかった。
でも、本当だった。あいつはいつの間にかアメリカってガキを手に入れてた。
そしてあいつの笑った顔を殆ど初めて見た。
馬鹿馬鹿しいだろう?あいつのほっとしたような笑顔を見て、初めて気が付いたんだ。
俺はあいつと仲良くしたかっただけなんだってな。
海の向こうにある島国に始めて会ったとき、多分そのときからずっと。

俺はガキで、小さな子供なんかどう扱っていいか判らず、相手が侵略した国だったのをいいことに好き勝手に扱った。
自分のいう事を聞かせようと強引な真似をして、従わないことに腹を立ててどうしようもない事をしてしまった。
あの子供と付き合うには、それじゃあ駄目だったのに。
ただ優しく愛してやればよかったのに。
そんな当たり前のことに気付かなかったなんてな。


今?
俺は愛に溢れてるぜ。アモーレの国だからな。
でも二度と戻らないこともある。
まあ、それだけの話なんだけどな。















ラズベリーの花言葉
(あのときの 君のひとみを)
(いまも 忘れられずにいる)


















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どことなく漂ってくる腐向け臭…orz
ファ○リーズ!!だれかファブ○リーズを!!w
ラズベリーの花言葉は「深い後悔」です。
花言葉好きすぎるだろ私…。