二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINALFANTASY—オリジナル— 〜白黒の魔術師〜 ( No.109 )
- 日時: 2011/02/16 20:12
- 名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: /z9KW9Ro)
第参章 〜An illusion 【幻】〜
「おひさしぶり♪」
背中に寒気が走る。
「知り合いなの、ホワイト?」
「知り合いも何も_」
その言葉を発するのには、少しの勇気が必要な気がした。 「師匠の、仇だ」
ケタケタと、幻術師は笑う。
「仇ィ?笑わせるじゃないか。君は、狩人なんだろう?」
幻術師の言葉を無視して、
「あいつは攻撃力はたいした事無いが、幻術を見せ精神を攻撃してくる。防ぎようがないから
気をつけて」
「おやおや、ずいぶんひどい言い方じゃないか。
でも僕は、君のお師匠さんほどはひどくはないと思うけどなぁ?」
サラ達が、こっちを見る。
「…」
何も言わずに、刀の先を幻術師にむける。
テイル 、、、、、、、、
「だって“尻尾”は、君を殺そうとしたんだもの♪」
「黙れ_」
サラ達がいない。そして、あたりは霧に包まれている。
どうやらあたしはあいつの幻術にかかったようだ。
数年前のあたしがそこに居る。隣には師匠がいて、あいつ_幻術師と対峙している。
『ふ、ふ、ふ、ふ、ふ…♪』
不敵に笑う幻術師。
『精神攻撃を使う魔物か_。これはやっかいだ』
師匠はそうあたしに言い、弓矢を持つ。
『あっはははははは!!』
狂ったように、あいつは笑う。_師匠の手から矢が放たれ、幻術師の首に刺さった。
紅い血を流しながら、あいつは笑う。
_おかしいな、と数年前のあたしは思う。いつもの師匠ならここで何本も矢を放つのに。
そこで、あたしの思考回路が止まる。師匠が頭を押さえてうずくまっているからだ。
『師匠!?』
師匠を見、幻術師は楽しそうに、
『へぇ〜…君は…その隣にいる子の親を殺し、町まで滅ぼしたんだぁ…♪』
『なっ…』
数年前のあたしは、言葉が出ない。 師匠が_師匠が、あたしの親を殺した?
ここであたしは「そんな事はない」と否定することもできただろう。だけど、断言できなかった。
、、、、、、、、、
だってあたしは、なにも覚えていないから。
両親を亡くした時の記憶だけが、すっぽりと抜けている。
炎。真っ赤な空。逃げ惑う人々の声。
その時の事であたしが唯一覚えているのは、それだけ。
ずっと師匠には[お前の両親は火事で死んだんだ]と言われていて、信じていた。
記憶と、師匠の話の辻褄が合うからだ。
『どういう、事…?なんで、師匠があたしの___』
言いかけて、師匠を見る。師匠は、震えていた。
_どうして、震えているの? 本当に、本当に、母さんや父さんを殺したからなの?
膨れ上がる、疑い。
『うわあああああっ!!』
うずくまっていた師匠は急に立ち上がる。…その[左手]に、刀_『正宗』_を持って。
刀は、あたしの心臓めがけて向かってくる。
その時。
頭に、誰かの心が入ってくる。
_あいつだ、幻術師の心が入ってくるんだ。 やめろ、入ってくるな————。
いつの間にかあたしは、短剣で師匠を刺していた。