二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 小さく、咲き誇る。(デュラララ!!) ( No.5 )
- 日時: 2010/12/29 14:27
- 名前: てと (ID: slitpE5G)
No.03 「希望なんて無い」
嗚呼、何時から此処に居たんだろう。
何時からこんな血塗れになってたんだろう。
ワ カ ン ナ イ 。
—適当なのかな。
来良学園の入学式を終えた彩音の来良のイメージはそれだった。あっさりと終わったし、制服着なくても良いし。
ある意味で学園天国なんだけど、自由すぎじゃないか。
と、そういう彩音も私服を身に纏っているのだが。
「アヤー! こっちだぜ、こっち!」
「マサくん! と、ミカド兄!」
「彩音!?」
マサくん—基、紀田正臣—とミカド兄—竜ヶ峰帝人—の下へ駆け寄る彩音。
帝人は流石に双子の妹がこの学園にいるとは思わなかったのか、彩音を見て素っ頓狂な声を出した。
「はろーはろー、久しぶり」
片手を上げて軽く挨拶をする彩音に帝人は少し呆れながらも笑みを浮かべた。
正臣はと言うと、既にクラスへ行ってしまった。離れたのだ、クラスが。彩音は正臣と同じなので、とことこと着いて行った。
帝人は苦笑を浮べながら、自分のクラスへと入った。
自己紹介も、簡単だった。
誰も興味を示さず、ぼうっとしている者や落書きしている者、ましてや読書をしている者すらいる。
クラスを見回すと、空いている席が二つ。帝人は不思議に思いながらも放っておくことにした。
暗いけど、怖くない。怖いけど、暗くない。
矛盾した考えを持ちながら少女—亜美は血塗れで横たわっていた。顔面は蒼白で、いたる所からドクドクと血が流れている。
「事故った、のか」
あまりにも簡単すぎる答えだった。飛び出したわけじゃない。ただ、ダンプカーが突っ込んできたそれだけだ。
周りに人が集まる。けど、救急車が来る気配もない。救急車もトラブったらしくて。
「っ!? 亜美!」
聞きなれた声に目を細めれば姉の姿があって。
「お、姉さ、ま…」
安心したのか何なのか。
そこで意識はプツッと途切れた。最後に見えたのは…
誰 か の 笑 顔 で 。
(嗚呼、死ぬのかなあなんて)(呟いた)