二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*双月恋妖絵巻* ( No.102 )
- 日時: 2011/11/12 23:27
- 名前: 勾菜 (ID: um7OQR3E)
翡翠≫緤菜のも書いちゃうね。
更新止まっちゃうから…
〜緤菜〜
そういえば…麗菜、様子がおかしかった気がする。
大丈夫かな、無理しちゃうから…会ったら聞いてみよう。
そう決めた時。
なぜかとても嫌な予感がした。
麗菜の直感よりは当らないそれだが、このときはそれが正しいと思った。
理由はない。本当にただの勘だ。
だから反射的にあたりを見回す。
「どうしたんだ?」
ハッとして声のした方を向く。
怪訝そうな昌浩と物の怪と視線がぶつかった。
どうやらとまっていたらしい。
「ごめん、なんでも…!」
言いかけて目を見開く。
気配がする。
これは廉狼だ。
一度会った…遭遇しただけだが、この嫌悪感は忘れない。忘れられない。
そう思っているうちにスッと私達3人の前に奴が現れた。
「廉狼…何の用!」
私と昌浩は符を構える。
傍らで紅の神気が爆発する。
ドクドクと心臓がうるさい。
どうしてこんな予感がするのか。
自分で聞いておいて答えを聞きたくない。
そんな様子を見透かしたような廉狼が嘲笑ともとれる笑みを浮かべる。
「他の二人はどうでもいいんだけど…まあいいや」
金の瞳が怪しく光る。
「緋月麗菜は我々の手に落ちた。時司大神の血は珠櫻妃のものとなる。
お前にはわからないだろう?お前の姉の利用価値が」
今なんと言った?
麗菜がこいつの手に落ちた?
時司大神、名は知っている。だがその神が何だと言うのだ。
自分達には関係がない。その血が何だ。
利用価値?麗菜は物じゃない。
私の大切な血を分けた姉だ。生きている人だ。
伝えられた事実に眩暈を覚える。
傍らの紅蓮が驚きと怒りを含んだ表情をしている。
昌浩の場合は困惑の方が多そうだが。
「嘘だ。麗菜が捕まるわけない…」
そう言っても心のどこかで肯定している自分がいる。
「嘘じゃないし。ほらね?」
廉狼が鏡のようなものに麗菜を移す。
かたく目を閉じた麗菜がいた。
暗闇で表情が完全に抜け落ちている。
顔色も蒼白だった。
今度こそ膝が砕ける。
それを紅蓮が支えるが、私は立てなかった。
その様子を見て廉狼は嬉しそうに嗤った。
「君たちを殺してあげるから。…待ってなよ」
紅蓮の炎が廉狼を襲った。
だがすでにその姿は消えていた。
麗菜…どうして…
無理してない?そう聞こうと思ったのに。
また一緒にいられると思ったのに。
どうしてどこかにいってしまうの?
独りは嫌だよ…