二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ONE PIECE】 狂幻双子 ( No.5 )
日時: 2011/01/31 22:20
名前: 右左 (ID: 8hgpVngW)



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          -絶望は散り、切望へと変わる-


その家は酷く殺風景で、唯一家の内装を彩るものと言えば壁全体に大きく撒かれた「絵の具」と「人体のパーツ」だった。
そこに暮らしていた家族の中の父親が大声を張り上げ、10くらいの歳の子供らは震え、怯え泣く事が彼らの日常において最も時間を締めるものだろう。
子供ら二人は今も、絵の具を壁に塗りたくられた部屋に閉じ込められていた。
手足が縛られ、顔や身体に無数の傷が出来ている。

「ねえ、姉さん……」

銀髪の少女の腕に抱きつく、少女と同じ銀髪の少年は少女を「姉」と呼び、疑問をぶつける。
しかし、少女の口が開く事はない。

「姉さん??」

少年は、少女の顔を覗き込む。
大声を張り上げる者が今この場に居ない事で、多少の動きは可能になる。
居る場合、今のように顔を覗き込む仕草をしただけでアウトだ。

「ねえ、ユーマぁ」

質問をした少年が質問をぶつけられ、少年は「へっ?」と素っ頓狂な声を出した。
少女が顔を歪め、

「へっ、じゃないよ、アタシは聞いてるの。 それに、そんな大きな声出したら見つかっちゃうよ」

と少しきつめの口調で囁いた。
少年はバツの悪そうな顔をした。 しかしそれは直ぐに直り、笑顔を浮かばせた。

「……何を、っていうのを言ってくれないと返事できないよ」

少女は苦笑いを浮かべながらこう言った。



「パパさ、明日は笑ってくれるかな??」



少女は柔らかな笑みを浮かべ、少年を見た。
少年は笑みを返したが、そっぽを向いて苦痛の表情を浮かべていた。