二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 〜運命の少女〜 ( No.5 )
- 日時: 2011/02/04 18:30
- 名前: 亜梨紗 ◆m3TTqGhRAg (ID: EHJQXsee)
ep4
星凛中の校庭に出ると、水色と白を基調にした、涼しげなユニフォームを着たサッカー部の部員達がいた。
「皆、お客さんだ。雷門中の円堂君達だ。」
新章は練習している部員に呼びかける。
「はじめまして!よろしくな!」
円堂はそう言い、みんなと握手をかわす。
「雪城ってどいつなんだ?」
円堂は新章に早速聞いた。
「ああ、あの子だよ。」
新章が指差したところには————
長く美しい黒髪をなびかせてベンチで休んでいる、キャンプ場で会ったあの少女がいた。
「あ…!!あの子は…!!」
雪城は青く澄んだ瞳を向けて、円堂に気付くと、こちらに走ってきた。
「円堂さん!キャンプ場ではすみませんでした!!」
いきなりの謝罪に、円堂は困惑してしまう。
「えっ!?いや、ホント大丈夫だよ。」
「でも、すいませんでした。…あ、私、雪城 沙耶です。よろしくお願いします!」
「ああ、よろしく!」
円堂はそう答えたが、鬼道は気付いた。
雪城は体調が悪いのだ。
円堂も気付いていた。しかし言わなかった。
そのとき監督が建物から出てきた。
「新章君、練習試合、お願いするわ。」
「はい。喜んで。」
新章はにっこりと答えた。
こうして雷門中と星凛中の試合が始まった。
ピーッッ!!
試合開始。
最初は星凛中がボールを持っていた。
パスをつなげていくが————
「アイスグランド!!」
吹雪のブロックでボールは雷門中へ。
「ツインブースト!」
鬼道と一之瀬のシュートで、ボールは星凛中のゴールへ。
しかし————
雪城がゴール前に立った。
「—————!?」
雪城に視線が集まる。
「アクアループ!!」
突如、雪城の前に巨大な水の輪が現れた。
ボールが輪の中へ。
「!!!!」
雪城は、しっかりとボールを足元に捕らえていた。
皆が驚く。雪城は笑む。
しかし。
「————————っっ!!」
雪城は倒れこんでしまった。
すんでの所で、鬼道が支える。
「…具合悪いんだろう?」
「いえ、大丈夫です!ちょっとつまずいちゃっただけで…さ、始めましょう!!」
雪城はそういって笑った。
後半。0-0で、雪城にボールが渡った時。
必殺技を魅せた。
「桜華波!!!」
ザアッッ…
何処からか、桜の花弁が舞い降りる。
その花弁は、積み重なりボールを紛れさせて波になった。
波がゴールに押し寄せる。
「ザ・タワー!!」
塔子はすぐさまブロックする。
しかし、波はタワーを本物の波のようによけてしまった。
「え!?」
「マジン・ザ・ハンド!!」
円堂はマジン・ザ・ハンドを繰り出す。
しかし————。
「うわぁっっ!!」
守れなかった。
ボールはネットを揺らす。
ピピーッ!!
ゴールの笛が鳴る。
「円堂さん…大丈夫ですか?」
雪城が心配そうに円堂を覗き込む。
「ああ、大丈夫。…それにしても、すげーシュートだったぜ!」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
円堂の思ってもみなかった言葉に、雪城は思わず飛び上がってしまった。
試合を見終えた瞳子監督は、新章に聞いた。
「新章君。彼女をキャラバンに参加させてもいいかしら?」
「はい。彼女のためになるでしょうからね。」
新章はそういって喜んでいる雪城を見た。
こうして、雪城はキャラバンに参加することになった。
一度雷門中に戻ることになり、青森を出発する時。
「新章、いろいろありがとな!皆も!」
円堂はそういって、新章と改めて握手をかわした。
「キャプテン、みんな、今まで本当にありがとう!!」
雪城もそういって、部員と抱き合った。
キャラバンのなかで。
「そういえば最初雪城とあったとき何してたんだ?」
風丸の質問に、雪城は平然と答えた。
「沙耶でいいですよ。…あの時は食い蛇退治してました。」
「食い蛇って…?」
円堂の問いに、みんなが興味を持った。
「建物とかを食べちゃう蛇です。星凛中も3回も食われたんで、退治してるんです。」
「え…じゃあ今まで食い蛇をサッカーで退治してたのか!?」
「え?はい。」
風丸の言葉に、逆に不思議そうに答える沙耶。
沙耶の驚きの退治法に皆感心した。
ただ、吹雪だけは深刻な顔をして沙耶を見つめていた。