二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 〜運命の少女〜 ( No.6 )
日時: 2011/02/04 18:49
名前: 亜梨紗 ◆m3TTqGhRAg (ID: EHJQXsee)

ep5

ブロロロ…

「戻って来たぜ!稲妻町!」

円堂の声が空に響く。

皆は青森から、稲妻町に帰ってきた。

天気は快晴。

気持ちいい風が吹いている。

その風の中を、キャラバンは走っている。

新たな希望に向かって。



河川敷のサッカーコートを通り過ぎようとした時————

「あ…あれは、シャドウじゃないか!?」

ふと、窓の外を見た風丸が言った。

サッカーゴールの前にシャドウと杉森がいた。

「おーい!シャドウ!杉森!」

円堂はキャラバンから下りて、二人に呼び掛ける。

二人は円堂の声に気付き、こっちを振り向いた。

「おお、円堂か!戻ってきたんだな!」

杉森が駆け寄る。

「ああ!新しく仲間ができたからな!」

その時、沙耶がふらついた。

吹雪が支える。

「大丈夫…?」

「うん…大丈夫。ちょっと、ね…」

沙耶は苦笑いした。

その様子を見て、シャドウが気付いたようにハッとした。

「シャドウ…?」

円堂はシャドウの様子に気が付いたようだ。

「いや、何でもない。…そういえば、雷門中の工事がおわった」

「本当か!?みんな、早速行こうぜ!」

円堂はみんなを促した。

沙耶「…円堂くん。悪いんだけど、ちょっと先に行っててくれる?」

「えっ?…ああ、いいけど…道は?吹雪も…」

「…俺が教えるから、大丈夫」

「じゃあ、先行ってるな!シャドウ、頼んだ!」

円堂達はキャラバンに乗って、雷門中へ向かった。



「…悪いが、杉森。席を外してくれないか?」

「あ…ああ。わかった」

杉森はそそくさと走っていく。

誰もいないと確認すると、シャドウは言った。

「お前…逃げてきたのか?」

「……黎…」

吹雪もつぶやく。

「……吹雪君は知ってた…あなたも知ってたの…?シャドウ」

沙耶———は、深刻な顔をしてそういった。

「私の正体を知ってる者は僅かしかいないって聞いてたんだけどね」

沙耶は笑う。

その笑顔には、強さと弱さが混ざり合っていた。





雷門中は、建て直され、見違えるほどきれいになっていた。

「お父様!」

夏未は校長に駆け寄る。

「夏未!皆も。よく帰ってきたな。……この通り、雷門中を建て直した。これからも頑張って欲しい」

「校長…ありがとうございます!」

皆、校長に礼をする。

「早速サッカーやろうぜ!」

風丸が円堂を誘う。

「おう!新しい技みせてくれよな!…あれ、沙耶達は?」

「ここだ…」

円堂の背後にシャドウがいた。

「うわぁ!?…なんだ、シャドウか…。脅かすなよ」

円堂はおびえていった。




河川敷のサッカーコート。

皆が見守る中、早速沙耶がシュートをうった。

「桜華波(おうかは)!!」

たちまち花弁が連なり、波になる。

その時、風丸が必殺技を魅せた。

「刺切風(しせっぷう)!!」

風丸が回る。とたんに、強い風が吹いてきた。

沙耶のうったシュートに、風が刺さる。

花弁の波を、風が切る。




風がおさまった。

風丸は、ボールを見事に捕らえていた。

「すげぇぇー!!!!」

皆の歓声は、遠くまで響き渡った。

「やったな、風丸!!」




それから1ヶ月、雷門中サッカー部は、何事もなくすごした。

しかし—————

魔の手は、すぐそこまで迫っていた—————。