二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

【二章】家出、逃走:前半 ( No.56 )
日時: 2011/02/26 05:35
名前: ミズキュウラ・ドラッテ (ID: 2gJpuHi8)

「ハァ…ッハァ…ッ——あッ」

足場の見えない夜。
しかも靴下で走ってたティファニーは、腹の痛みと一緒にぼやける視界で、派手に転んだ。
その際に脳が激しく揺れた。
吐き気を催した彼女はフローリングされた床に思い切りぶちまける。
異臭が鼻を突いた。
あれから何時間経っただろう…。
何とか逃げ回るティファニーを父・ウェントワースは怒り露に追いかけ回した。
今は三階にいて、何時父に追い付かれても可笑しくない状況。
ティファニーは吐いたのに気にせず、這いつくばってでも逃げようと踏ん張った。

——約束は明日なのに…こんなとこで負けてなんていられないないのに…

力が入らないのは何故だろ…?
腹を濡らす胃酸。
異臭は無視の出来ないモノだが、ティファニーは全力で床を這った。
だが————

「————ッ!?」
胃に残っていた残が全て床にぶちまけられる程、背を岩が落ちたような重量が個体としてティファニーを襲い掛かった。
肺が圧迫され、目の前がグニャリと歪んだ。
「——……はぁ…はぁ…は、ハハハハハ! …やっと、捕まえた」
耳を塞ぎたく成る程の低い声が、ティファニーに終焉の鐘を連想させた…。