二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.380 )
- 日時: 2012/04/07 14:59
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
- 参照: 天ノ弱3 おわったー色々な意味で。
君への想いを渡した時の、幸福な結末を夢見ていて。
#03 幸せな妄想からの、現実
僕の心にある、君を想ってできた感情が綺麗なのか汚いのか、僕にはまだ分からず、判断できず、捨てる場所がどこにあるのかも分からなくって、どうしたらいいのか分からないんだ。
「あの子が好き」だっていう、言葉を裏返して裏返して、僕が夢見ていた言葉が見えるまで、「君が好き」って言葉を渡されるまで、ずっとずっと待つからさ。別に、待つくらいならいいだろう? 未練がましくても、君への想いは溢れてくるんだ。止めることができないんだ。いいじゃないか。待つ、くらいなんだから。
「なんにも、しないんだから」
——そう。君に関われない。深い関係じゃない。『待つ』ことしかできないんだ、僕には。それを越してしまったら、君に迷惑がかかることぐらい、僕には分かってるんだ、分かりきってるんだ。
不安になって君を追いかけるのが怖くなって。近付いた距離も、自分から遠ざかっていく。目の先を進む君と、ここで止まった僕の間に空いてしまった。もう、どうにもならない、どうにもできない距離を、どうしようか。縮まらない隙を何で埋めたら君に追いつける?
まだ、素直に言葉に出すことが怖い、僕は。過去も今も。ずっとずっと、変わらず。
「天性の、弱虫さ……」
弱弱しく吐き出した。こんな表現が似合ってしまう程の臆病者になってしまった。はあ、と大きい溜息。自分に呆れてしまう。過去を振り返っては泣きそうで、歩みだそうとするのにも躊躇してしまう。ここから動きたくなくって、どうしようかなあ、なんて思いつめる。
いっそ、ここから飛び出してしまおうか? 世界から消えてしまおうか。
窓を見つめて、ふと思う。どうせ弱虫だから足が震えるさ。僕は死ねる勇気を持ってないよ。ずっとこのまま居るんだ、多分。
この両手に抱えて、今にもぼろぼろと零れてしまいそうなほど、君に渡す愛を、誰に譲ったらいいんだろうか? これほどの愛、送られたらきっと嬉しいと思うよ。ああでも、僕の愛は僕だけの物だから、彼女の物になったりはしないのか。宛てがあるはずないだろ。そんなの分かってたけど、現実逃避したくって。
この愛を渡せる時をまだ待つよ。うん、待ってあげる。
————なんちゃって。
苦しいから、やめてももういいかい?
溢れだした涙が、君への愛だったら良いのに。ひとしずく、頬を伝って落ちていく。
end / 天ノ弱