二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 101章 イリスVSベル ( No.235 )
- 日時: 2011/06/28 22:53
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http://pokegai.jp/
「フルバトル……?」
イリスは困惑していた。ベルは、自分はバトルが苦手だとか弱いとか言って、あまりバトルをしたがらなかった。あるとしても、ポケモンを奪われたときや、街を占拠されそうになった時など、緊急事態だ。
そのベルが自分からバトルを申し込んでくるというのは、イリスからすれば『どういうつもりだ』といった感じだが
「分かった、やろうか」
イリスはあっさりと承諾したのであった。
「それじゃ、まずあたしからポケモンを出すよ。出て来て、シビルドン!」
ベルが最初に繰り出したポケモンは、シビルドン。地面タイプしか弱点を持たない電気タイプに加え、特性浮遊によってその弱点を消している、実質弱点無しのポケモンだ。
「電気タイプか……それならこいつだ。出て来い、デンチュラ!」
対するイリスが繰り出したポケモンは、バチュルの進化系。デンチュラだ。
「先攻はあげるよ、イリス」
ベルはイリスに先攻を譲る。それだけ勝つ自信があるのだろうか。
「それじゃあお言葉に甘えて……デンチュラ、シグナルビーム!」
デンチュラは様々な色彩の光線を束にして発射する。
「シビルドン、岩石封じ」
シビルドンは向かい来るシグナルビームに物怖じもせず拳を地面に叩きつけ、地面を隆起させる。盛り上がった岩石はシグナルビームを防ぐ盾となり、攻撃を防御する。
「ラスターカノン!」
そしてシビルドンは口から光を凝縮した球を発射する。そのスピードは先ほどのシグナルビームよりも速い。
「避けろデンチュラ」
しかしデンチュラの素早さはかなりのもので、高速で襲い掛かるラスターカノンを簡単に避ける。
「エレキボール!」
そしてデンチュラは電気を凝縮した球を作り出し、発射する。さっきのラスターカノンよりも、さらに速い。
「ドラゴンクローで掻き消して!」
指示通り、シビルドンは両手に龍の力を込め、それを横薙ぎに振って雷球を消滅させる。
「デンチュラ、切り裂く!」
「シビルドン、岩石封じ!」
デンチュラはシビルドンに接近。シビルドンはデンチュラを近づかせまいと地面を隆起させる。しかし小回りの利くデンチュラなので、流れるような動きで岩石封じをかわしていく。
「そこだ!」
そしてついにデンチュラはシビルドンへの攻撃に成功するが、決まりは浅く、大きなダメージにはならなかった。
「ドラゴンクロー!」
シビルドンはドラゴンクローを横薙ぎに放ち、デンチュラを引き剥がす。
「デンチュラ、一旦引くんだ!」
デンチュラはあえて追撃せず、身を引いて次の攻撃に備える。
「シビルドン、ラスターカノン連射!」
シビルドンは光り輝く球を作っては発射、作っては発射を繰り返し、デンチュラを追い詰める。
「デンチュラ、これを避け切るのは不可能だ。だから数発食らう覚悟を決めて、一気に突っ切るよ。ワイルドボルト!」
デンチュラは激しい電撃を纏い、物凄いスピードと気迫で突撃してくる。
「シビルドン、ワイルドボルト!」
しかしここで、シビルドンも激しい雷撃を纏って突撃を仕掛ける。2匹がぶつかり合い、せめぎ合うが、体格からしてデンチュラがシビルドンに勝てるはずもなく、大きく吹き飛ばされる。
「デンチュラ!」
イリスは慌ててデンチュラが飛ばされた方向を見る。するとそこには、目を回してひっくり返っているデンチュラの姿があった。戦闘不能だ。
「戻れ、デンチュラ……進化して早々敗北とは、幸先悪いよ」
イリスはどこか愚痴っぽく呟く。
「さて、次は……こいつだ。頼むぞ、デスカーン!」
イリスが次に繰り出すは、黄金の棺桶とそこから伸びている4つの黒い影のような腕を持つポケモン、デスカーンだ。
「シビルドン、ラスターカノン!」
先に動いたのはシビルドンだった。シビルドンは比較的鈍重なポケモンだが、デスカーンよりかは速かったらしい。
ということで、シビルドンは光を集めた球を発射する。
「デスカーン、守る」
だが、デスカーンはそんな光球を透明で薄い緑色の膜で防ぐ。
「だったら、ドラゴンクロー!」
シビルドンは続いて両手の爪に龍の力を宿し、デスカーンに襲い掛かる。
「鬼火だ」
しかし、デスカーンは鬼火を隙間無く並べて盾を作り、シビルドンの攻撃を防御する。
「直接攻撃でこの鬼火の盾をを攻撃しないほうが良いよ。下手すれば火傷するから」
イリスがそう言った刹那、鬼火の盾は弾け、周囲に鬼火が爆散する。当然近くにいたシビルドンは盛大に鬼火を受け、火傷状態となる。
「ほら、言わんこっちゃない。デスカーン、シャドーボール」
デスカーンはそれぞれの手から1発ずつ、合計4発の黒球を放つ。
「シビルドン!」
シビルドンは黒球を全発食らったが、なかなかタフでまだ立っている。
「一気に決めるよシビルドン。ワイルドボルト!」
シビルドンは電撃を身に纏い、デスカーン目掛けて突進する。その気迫を見る限り、この一撃で決めるつもりらしい。
しかし
「デスカーン、守る」
デスカーンは防御膜を張って、シビルドンの攻撃を完全に防ぐ。
「そろそろ、頃合かな」
そしてイリスがそう呟くと、シビルドンはその場に倒れた。火傷でダメージを受けた結果だろう。
「戻って、シビルドン」
ベルはシビルドンを労わるようにボールに戻し、次のボールを取り出す。
「次はこのポケモンで行くよ。出て来て——」
終わりました。とにかくいろいろと終わりました。といっても100章突破記念だけですがね。まあ何はともあれ、今回はイリス対ベルです。イリスはバトルサブウェイで、ベルは……知りませんが、どちらも強くなっています。そんな2人のバトルを、お楽しみに。