二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 137章 晴天の太陽光線 ( No.297 )
日時: 2011/07/14 23:28
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
参照: http://pokegai.jp/

「ゴルーグ、空を飛ぶ!」
ゴルーグは猛進するズルズキンの攻撃をかわすべく、空を飛ぼうとする。
「ズルズキン、ゴルーグが飛び立つ前に飛びつけ!」
ゴルーグは飛行する前にエネルギーを変換する。その変換に時間がかかるのか、すぐに飛び立つ事は出来ない。
「今だ、跳べ、ズルズキン!」
ズルズキンはゴルーグにある程度接近すると、突撃するかのような勢いで跳躍する。
結果、頭をゴルーグの胴体にぶつけたが、ゴルーグにしがみつく事が出来た。
「ズルズキン、噛み砕く!」
ズルズキンはゴルーグの巨木のような太い胴体に、鋭い歯で噛み付く。
「ゴルーグ、引き剥がしてください!」
ゴルーグはこれまた大きな手でズルズキンを引き剥がそうとするが、ズルズキンはなかなか離れない。
「炎のパンチ!」
しかもズルズキンは何度も何度もゴルーグの胴体に攻撃をする。
「噛み砕く!」
そしてまた噛み砕くを繰り出す。ズルズキンの歯はゴルーグの胸に付いている止め具のような物を引き剥がす勢いで——というか、引き剥がしてしまった。
「ゴルーグ!?」
するとゴルーグは力が制御出来なくなったのか、胸の亀裂からエネルギーを垂れ流しながら叫び、暴れる。
「ズルズキン、振り落とされるな!」
ズルズキンは暴れまわるゴルーグに必死にしがみつき、振り落とされないようにする。
「なかなか止まらないな……しょうがない。ここは1発入れて治めるか。ズルズキン、胸の亀裂に炎のパンチだ!」
ズルズキンは片手でゴルーグにしがみつき、もう片方の手は拳を握り、炎を灯して胸の亀裂にその拳を叩き込む。
するとゴルーグはプシュウとエネルギーが切れたみたいな音がして、落下する。
「ゴルーグ!」
ゴルーグは目を回している……ように見えるが、実際よく分からない。しかしピクリとも動かないので、戦闘不能だろう。
「戻ってください、ゴルーグ」
シキミはゴルーグをボールに戻す。これでシキミの手持ちはあと1体、もうすぐである。
「ぞれでは行きます。頼みましたよ、シャンデラ!」
シキミの最後のポケモンは、誘いポケモンのシャンデラ。黒いシャンデリアのような姿のポケモンで、頂頭部や腕に青紫色の炎を灯しているポケモンだ。
「シャンデラはゴーストタイプ。だったらタイプ的にはあくタイプを持つズルズキンの方が有利。ズルズキン、噛み砕くだ!」
ズルズキンは歯をガチガチと鳴らしながら、シャンデラに向かって走り出す。
「シャンデラ、日本晴れ!」
対するシャンデラ意外にもズルズキンを迎撃するようなことはせず、暗い塔内を晴天の日のように明るくしただけだった。
「何考えてるのかは知らないけど、とりあえず攻撃だ。行け、ズルズキン!」
ズルズキンはシャンデラに接近すると跳躍し、シャンデラを噛み砕こうとする。
「シャンデラ、大文字!」
シャンデラはそんなズルズキンに対し、大の字の巨大な炎を放ち、迎撃する。
「ズルズキン!」
ズルズキンはその場に倒れ込む。そしてその体は酷い火傷を負っている。
「くっ。戻れズルズキン」
イリスは戦闘不能となったズルズキンをボールに戻す。これでイリスの手持ちも残り1体だ。
「でも相手は炎タイプも持つシャンデラ。最後の残ったのがこいつで本当に良かったよ。頼むぞ、ダイケンキ!」
イリスの最後のポケモンは、水タイプのダイケンキだ。シャンデラとはタイプ的に相性が良い。
「ダイケンキ、ハイドロポンプ!」
ダイケンキは大きく息を吸い、口から超高圧の水流を発射する。
「シャンデラ、大文字!」
シャンデラも大の字の巨大な炎を放ち、ハイドロポンプに対抗する。
普通に考えれば水タイプのハイドロポンプが炎タイプの大文字に勝ると思うが、この時はそうではなかった。大文字がハイドロポンプを押し切り、ダイケンキを襲ったのだ。
「ぐぅ。大丈夫か。ダイケンキ」
ダイケンキはイリスの言葉に対し、首肯する。
シャンデラの大文字がダイケンキのハイドロポンプに勝った理由。それは、ダイケンキの特攻よりもシャンデラの特攻の方が圧倒的に高かったから……ではない。確かにシャンデラの特攻はずば抜けているが、ダイケンキだって相当高い。それにタイプ相性が絡めば、必然的に勝つのはダイケンキのハイドロポンプだ。なら、何故シャンデラの大文字が勝ったのか。それは、もう1つシャンデラに有利な要因があるからである。
「! 日本晴れか……!」
その通り、日本晴れである。日本晴れは一時的に一定範囲内の天気を『日差しが強い』状態にする技。『日差しが強い』時は、水タイプの技の威力が半減し、逆に炎タイプの技の威力は上がる。それらの要因もあり、シャンデラの炎はダイケンキの水に勝ったのだ。
「どんどん行きますよ。シャンデラ、シャドーボール!」
シャンデラは影で生成した黒い球を6個、ダイケンキに向かって発射する。
「シェルブレードで切り裂け!」
ダイケンキは襲い来る影の球を、水のエネルギーを纏わせた角で切り裂くが、威力が半減しているので全てを切り裂き切る事は出来なかった。
「それでは、そろそろですね。シャンデラ、ソーラービーム!」
シャンデラは顔の目の前に光のエネルギーを溜め、それを光線にしてダイケンキに発射する。
「な、ダイケンキ、避けろ!」
イリスは慌ててダイケンキに指示を出すが、ソーラービームは思いの他速く、ダイケンキが回避行動を起こす前に直撃していた。
「ダイケンキ!」
ダイケンキは大きく吹き飛ばされる。なんとか持ち堪えて戦闘不能ではないようだが、それでもかなりのダメージを負っている。
「ふふ。もうすぐ、アタシたちの最終章が始まります……」
シキミは不気味に丸眼鏡を光らせ、怪しく微笑むのだった。



今回はイリスVSシキミ、パート5です。シャンデラって強いですよね。特攻がめちゃくちゃ高いですし。もうちょっとでレシラム級ですよ。では次回はイリスVSシキミ、パート6、ついに決着です。お楽しみに。