二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 41章 ミキの想い ( No.86 )
- 日時: 2011/04/25 18:28
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: /LylQYeE)
- 参照: http:/ARUGRIZMU
「……出て来い、ゼブライガ」
「出て来て、コジョフー!」
ミキとチャールズは、薬を賭けたバトルを今まさに始めようとしていた。
「……こちらから行くぞ。ゼブライガ、ニトロチャージ」
ゼブライガはその身に炎を纏い、コジョフーに突撃してきた。
「コジョフー、あて身投げ!」
コジョフーは向かって来るゼブライガを正面から受け、そのスピードを逆に利用し投げ飛ばした。
「……やるな。ならこれだ、電撃波」
ゼブライガは頭の角の様な鬣から電撃を高速で放つ。
「コジョフー!」
「……電撃波を避けることは不可能だ。ゼブライガ、ニトロチャージ」
ゼブライガは炎を纏って突撃し、今度こそ攻撃に成功する。
「戻って、コジョフー」
今の攻撃で、コジョフーは戦闘不能となった。
「ゼブライガは電気タイプ。なら、出て来てモグリュー!」
ミキが次に繰り出すは地面タイプのモグリュー。
「……電気タイプで来ると見ての地面タイプか。ゼブライガ、ニトロチャージ」
「モグリュー、穴を掘る!」
モグリューは炎を纏って突撃してくるゼブライガを穴を掘るで避ける。
「モグリュー、今だよ」
モグリューはゼブライガの腹の下辺りから出て来て、ゼブライガを攻撃しようとする。
「ゼブライガ、踏みつけ」
しかし、ゼブライガが大きく足を振り上げ、地面から出て来たモグリューを踏みつける。
……その光景は、もぐら叩きの様にも見える。
「モグリュー!」
「続けて踏みつけ」
踏みつけを食らって怯んでいるモグリューを、再度踏みつけようとするゼブライガ。
「モグリュー、守る!」
だが、モグリューの守るによって攻撃は失敗する。
「メタルクロー!」
モグリューの鋼鉄の爪がゼブライガにヒットし、吹っ飛ばす。
「続けてロッククライム!」
突如地面が隆起し、ゼブライガの退路を断つ。そこに凄い勢いでモグリューが突撃する。
「……戻れ、ゼブライガ」
ロッククライムが急所に当たったゼブライガは戦闘不能になった。
「……出て来い、バスラオ」
チャールズの2番手は乱暴ポケモンのバスラオだ。
「モグリュー、穴を掘る!」
「……バスラオ、アクアジェット」
モグリューが穴を掘るよりも早く、バスラオはモグリューを攻撃し、戦闘不能にした。
「……アクアジェットは必ず先制できる技。さあ、どうする?」
「……お願い、シキジカ!」
ミキは最後のポケモン、シキジカを繰り出す。
「シキジカ、突進!」
「……バスラオ、突進だ」
シキジカとバスラオが互いを目掛けて突進し、ぶつかり合う。そして、鍔迫り合いの様になる。
「……シキジカ!」
果たして押し負けたのは、シキジカだった。
「……バスラオの特性は捨て身。攻撃後にダメージを受ける技の威力が増す」
チャールズは、律儀にも説明する。
「……さて、そろそろ終わらせよう。バスラオ、噛み付く」
バスラオは素早い動きでシキジカに接近し、首元を噛み付いた。噛み付かれたシキジカは、痛みに鳴き声を上げる。
「シキジカ、エナジーボール!」
とそこで、シキジカは口から自然エネルギーの塊をバスラオ目掛けて放つ。しかも至近距離で。
「……バスラオ、戻れ」
至近距離からのエナジーボールを受けたバスラオは戦闘不能になり、チャールズの手持ちも残り1体となる。
「……出て来い、ワルビル」
チャールズの3体目はワルビルだった。
「シキジカ、一気に決めるよ。エナジーボール!」
「……噛み砕く」
ワルビルは、なんとシキジカの放ったエナジーボールを噛み砕くで粉砕した。
「!?」
「……ワルビル、地ならし」
ミキが驚愕している隙に、ワルビルは地面を踏みならし、シキジカの動きを止める。
「……瓦割りだ」
そして、素早く接近し、力を込めた手刀をシキジカに振り下ろす。
「シキジカ!」
シキジカはノーマルタイプを持つため、格闘タイプの瓦割りは効果抜群だ。
「シキジカ、二度蹴り!」
だが、それでもめけずにシキジカはワルビルに二度蹴りを放つ。
「至近距離からの攻撃なら、きっと倒せる。シキジカ、エナジーボール!」
シキジカは、ワルビルが二度蹴りで仰け反っている隙を狙って、至近距離から最大パワーのエナジーボールを撃つ。その結果
「……そんな……」
ワルビルは立っていた。
「……諦めろ。俺は恋する男チャールズ。惚れた女のために戦っているんだ、負けるはずが無い」
そうチャールズは言い、ミキは顔を伏せる。そして
「……私だって、好きな人のために戦っています。その人は、格好良いとか、優しいとかだけじゃなくて、私を守ってくれたし、強くしてくれた。私はその人に何か恩返しがしたい。何かを報いたい。だから、強くなるんです。だから私は、好きな人のために戦っている。だから——」
ミキは顔を上げる。
「私は負けられないんです!」
「!」
チャールズはここで、初めて驚いたような顔をする。だがしかし、この状況、完全に詰んでいる。シキジカは疲労困憊で、ワルビルの瓦割を受ければ確実に戦闘不能になるし、もう避ける体力も残っていない。
「……戻れ、ワルビル」
だがここで、チャールズはポケモンを戻した。
「え……?」
ミキは驚く。それもそうだ、もう負けると覚悟していた時に、相手がポケモンを戻したのだから。
「あ、あの……」
「……俺は恋する男チャールズ」
ミキの台詞を遮り、チャールズは言う。
「……同じ恋する仲間を見捨てることは出来ない。俺は自分の惚れた女の事を第一に考え動くが、同じ恋する仲間もそれに等しい」
チャールズは自分の持つ薬を半分ほど別の袋に入れ、ミキに向かって投げる。投げられた袋はすっぽりとミキの掌の上に乗る。
「チャールズさん……」
「……俺は恋する男チャールズ。俺は俺の恋路を歩む、だからあんたはあんたの恋路を歩め」
最後に「頑張れよ」と言い残し、チャールズは去っていった。
「……ありがとうございます、チャールズさん」
ミキも二重の意味の礼をし、ポケモンセンターに向かう。
今回はノーコメントでいかせてもらいます。今回の物語はこれを読んでくださった方が考えて、想像してください。では次回予告に移ります。次回はジム戦の予定です。ホドモエのジムリーダーヤーコンとのバトルを楽しみにしていてください。