二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン エイリア学園ウィンドレス ( No.94 )
- 日時: 2011/10/23 13:44
- 名前: アラン (ID: zGIWZsqg)
——その頃 福岡にて——
「イオ、お前どう思う」
夕日を眺めながら、カルマは独り言のように問いかけた。
イオはジッとカルマを見てから、夕日に視線を戻した。そして、その眩しさに、目を細める。
「キャプテンの事?」
「そうだ」
「ワタシは……」
口を開いたまま、イオは考え込むようにして、夕日をじっと見つめた。まるで、その中から答えが現れてくるかのように。
「ウィンディー様の好きな風にすれば、いいと思う」
意を決したように、彼女は背中を真っ直ぐに伸ばしながら、笑顔で答える。
恩返し。
など大層な事は言えないし、たぶん出来ないと思う。
だから、その分、思いっきり好きな事をさせる。自分たちはそのサポートをすれば、いいと思う。
「そうだな。うちもそう思う」
カルマも小さく微笑んだ。
「さぁ、キャプテン達もいないようだし、久しぶりにサッカーでもやるか」
「そうだね。あ、あれこの中学サッカー部じゃない? おーい! そこのサッカー部、ちょっと付き合ってよ」
イオとカルマは持ってきたボールを、高く蹴り上げた。
—星の使徒研究所 第一共用ミーティングルームにて——
「ああー! もうラルズのやつムカつく!!」
アニは椅子を半分浮かばせながら、宙を漕ぐ。
その向かい側に座るコウは、彼に視線を向けた。
「どうしたんですか。キャプテンを探す彼女の案は、間違っていないと思いますが」
「それはそうだけどさぁ……なんかあいつの目的がムカつくんだよね」
アニは抜けた声で、それでもしっかりと言い放った。
ラルズは力のあるプレイヤーだと、アニは思っているし、その能力の高さも認めている。
でも、自分とは根本的に違うのだ。
自分は父さんのために生きている。それが、自分の存在理由だ。でも彼女は違う。
「ウィンディー様は嫌いじゃない。でも、ラルズは大っ嫌いだ」
「私は、どちらでもいいですけどね。ただ、私の目的を阻止しなければ」
「僕達の、だよ」
——星の使徒 マスターランク専用食堂にて——
「ウィンディー様達、福岡にはいなかったらしいよ。いまイオ達から連絡来た」
クレアの言葉にハイブは眉を潜めた。
「じゃあ、ウィンディー様達はどこへ?」
「沖縄。ラルズまた怒ってたよ」
「大変なんだね、副キャプテンも……」
心から気の毒そうに、ハイブは呟く。
「早くウィンディー様帰ってこないかな」
「ほっていてもいいんじゃないの? 面倒くさいし」
厨房の奥から、エプロン姿のムーンが現れた。そして、ハイブとクレアの間にケーキの皿をコトリと置く。
「そうだね。ほっといてもいいと思う。ラルズもいるから、別に困らないし」
大きなホールケーキに、直接フォークを刺しながら、クレアは言う。
無関心すぎる二人に、ハイブは一人でため息を吐くのであった。
——場所は戻って 沖縄——
「お前、ちゃんとスピート合わせろよな」
「分かってるよ」
「後、シュート打つの俺だからな」
「分かってるって」
さっきからしつこく確認してくるバーンを受け流しながら、ウィンディーはフィールドのセンターラインに立ち、前を見据えた。