二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 393章 イリスvsレンブ ( No.520 )
日時: 2012/06/23 00:11
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: QpE/G9Cv)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

 四天王が守護する四つの塔のうちの一つ、南東の塔。通称『鉄砕きのリング』。
 そこで待ち構えていたのは、一人の男だった。褐色の肌にややアレンジされた胴着。坊主刈りにした金髪とオープンフィンガーグローブ、青色のマウスピースと、シキミと張り合えるくらい変わった意匠だ。
「……来たか。わたしの名はレンブ。挑戦者よ、お前のことはチェレンから聞いている」
 レンブから発せられた言葉を聞き、イリスは少し驚く。
「チェレンから? レンブさんは、チェレンと仲が良かったりするんですか?」
「ああ。以前、拳を交えた仲だ。それ以降、度々戦っている」
 知らなかった。一年前にチェレンとレンブが戦ったのは知っていたが、あのチェレンが誰かと仲良くなるなんて、どうにも想像しにくいものがある。
「さて、話はここまでだ。早速始めるとしよう。四天王レンブ、砕くは弱き心、貫くは強き信念。コジョンド、押して参る!」
 レンブが繰り出したのは、オコジョのような姿をした、二足歩行のポケモン、コジョンド。両腕の余った袖のような体毛が特徴だ。
「格闘タイプなら、こいつだ。出て来い、ウォーグル!」
 イリスが繰り出すのは、飛行タイプのウォーグル。コジョンドには相性が良い。
「ふむ、無難な手だな。だが、苦手なタイプへの対策くらい、四天王なら皆していることだ。コジョンド、雷パンチ!」
 コジョンドは拳に弾ける電撃を纏い、ウォーグル目掛けて跳躍する。
「速い……! ウォーグル、ビルドアップで耐えろ!」
 ウォーグルは筋肉を増強し、体を固める。直後、電撃の拳がウォーグルを襲ったが、防御を上げていたお陰で大きなダメージにはならなかった。
「反撃行くぞ! 鋼の翼!」
 ウォーグルはそのまま翼を鋼のように硬化させ、コジョンドに打ち付けて地面に落とす。だがコジョンドは空中で回転しつつ、綺麗に着地した。
「決まりが浅いか……だったら大技で一気に決める。ブレイブバード!」
 全身に燃える炎のような莫大なエネルギーを纏い、ウォーグルはコジョンドへと突っ込んでいく。その気迫はかなりのものだ。
「かわしてブレイズキックだ!」
 しかしウォーグルの全身全霊の突撃は、踊るようなコジョンドの動きによりかわされる。さらにウォーグルの身体にはコジョンドの炎を灯した蹴りが炸裂し、大きく吹っ飛ばす。
「追撃だ。燕返し!」
 コジョンドは目にも止まらぬスピードでウォーグルに接近し、腕の体毛を鞭のようにしならせて切り裂くような一撃を叩き込む。
 ビルドアップで物理能力を強化しているとはいえ、この連続攻撃は効いただろう。
「くぅ。コジョンドには、ウォーグルの大振りな攻撃は効かないか……! だったらここは、とりあえず能力を上げるしかない。ウォーグル、ビルドアップ!」
 ウォーグルは再び筋肉を増強し、攻撃と防御を高める。
「コジョンド、飛び膝蹴り!」
 コジョンドは地面を蹴り、膝を突き出した体勢で一気にウォーグルへと接近する。
「やばっ……ビルドアップ!」
 先の雷パンチ以上のスピードで突っ込んでくるコジョンドに対し、ビルドアップでダメージを軽減するのが精一杯のウォーグル。
 ウォーグルも速いが、コジョンドは速い上に小回りが利く。ウォーグルはその巨体ゆえに、どうしても精密な動作が不得手なのだ。しかし逆にコジョンドはそういった細かい動きが得意。特にレンブのコジョンドは、そういった面を最大限に生かしており、かなりの強敵だ。
「雷パンチ!」
 電撃を纏った拳を構え、コジョンドが突っ込む。ウォーグルはその一撃をなんとかかわすが、
「飛び膝蹴りだ!」
 追い打つようにして放たれた飛び膝蹴りがウォーグルの腹にめり込み、大きく吹っ飛ばす。今のはかなりのダメージだろう。
「ウォーグル、ここは一度体勢を立て直した方がいい。飛ぶんだ!」
 ウォーグルは羽ばたき、リング上空へと逃げる。しかしどういうわけか、この塔はシキミの塔よりも天井が低い。逃げるといっても、大して距離は離れない。
「コジョンド、敵が逃げようとも、攻めに徹するぞ。燕返し!」
 コーナーやロープ、壁を蹴りながら物凄いスピードでウォーグルへと迫ってくるコジョンド。攻撃圏内にウォーグルが入ると、体毛をしならせて強烈な一撃を叩き込もうとする。
「迎撃するぞ、ウォーグル! ブレイククロー!」
 襲い掛かる燕返しに対し、ウォーグルは力を込めた爪で迎撃を試みるが、コジョンドは逆にその爪を足場に、ウォーグルの上を取った。
「ブレイズキック!」
 そして足に炎を灯し、その頭を横から蹴り飛ばす。
 ウォーグルはまたも吹っ飛ばされ、壁に激突する。
「ウォーグル!」
 ビルドアップのお陰でなんとかここまで持ちこたえたが、もう限界だろう。あと一撃でも喰らえば、確実にウォーグルは戦闘不能だ。
「さあ、とどめを刺すぞ。コジョンド、飛び膝蹴り!」
 地面を蹴り、残像が残るほどのスピードでウォーグルの元まで跳躍するコジョンド。その膝の一撃は、ウォーグルを倒すのには十分すぎる威力を備えている。
「こうなったら、一か八か……ウォーグル、鋼の翼! コジョンドを叩き落とせ!」
 その時、ウォーグルはカッと目を見開く。そして、膝を突き出して向かってくるコジョンドを、鋼のように硬い翼で、地面へと叩き落とした。
「なぬっ! コジョンド!」
 コジョンドは地面に叩き落とされたダメージに加え、飛び膝蹴りを外したダメージをも受けている。これだけでも、結構なダメージだろう。
「決めるぞウォーグル! ブレイブバード!」
 痛みに悶えている今が好機。ウォーグルは全身に燃え盛る炎の如き莫大なエネルギーを纏い、超高速でコジョンドへと突撃する。
 コジョンドはその攻撃の直撃を喰らい、壁にめり込むほどのスピードで吹っ飛ばされた。
「……よく戦った、コジョンドよ。体を休めるがよい」
「ウォーグル、お前もだ。ボールに戻っといてくれ」
 ブレイブバードの直撃を受けたコジョンドは勿論、ウォーグルも反動によりダメージを受け、戦闘不能となった。
 二人はそれぞれのポケモンをボールに戻し、次なるボールを手に取る。
「僕から行きます。出て来い、ズルズキン!」
 イリスが繰り出したのは、悪党ポケモンのズルズキンだ。悪タイプなので格闘には弱いが、肉弾戦ならかなり強い。
 そして、レンブのポケモンは——
「さあ行くぞ、我がポケモンよ——」



さて、今回はイリスとレンブのバトルです。ちょっと今回は文字数がやばいので、本編については省略です。さて、明日はついにBW2が発売ですね。いや、正確にはもう今日なんですけど。誠に申し訳ありませんが、恐らくここ二日はそちらに熱中して更新がおろそかになると思われますので、どうかお許しください。さて次回はレンブ戦その2です。お楽しみに。