二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ヘタリア】S e a r c h 企画オリキャラ募集中 ( No.480 )
日時: 2012/06/23 23:47
名前: レディグレイ (ID: MTNmKKr2)

*相談

「・・・」

「何よりその眼が証拠だ。術者の多くはその眼に魔力を持っている。・・・だろ?」

睨みつけられているような、そんな感じ。
逃げられないと確信する。

だから、この人は苦手なんだ。

「・・・・・・・はい。会長さんの言う通り、俺は魔力を持っています」

「・・・そういえばこの店で働いてる時点でそうだよな」

まぁ、それはそうだ。
此処の客は特別だから。

見えない人には見えない。
この人は、それが見える。もちろん私も。

「なんで隠す?・・・だいたい、お前に関しては不審な点が多すぎる。住所は?生年月日は?・・・全部、学校の生徒一覧に載っているはずなのに、お前のには載っていなかった」

おまっ・・・
見たのかよ個人情報!
なんて人だ・・・。

載ってない・・・。
まぁ、そりゃそうだよな。
店主の店は此処にはない。この世界にはない。

「・・・何が言いたいんですか」

「お前、何者だよ」

私は、何者かって?

「・・・」

私は、

私は、

私は、

・・・・私は?

「・・・・・・・・・・・・・・」

いやいやいやいや。
待って。待って待って。

よく考えればわかる、私はあの人の店にいる居候で・・・

ってそういうことじゃないか。

そう、あの子たちのために探し物をしてるんだ、

尽くすって決めたんだ。

・・・・いや、これも答えではないような。

「・・・私は、何者・・・?」


———カランカラン


「ふぅ。あ、クロム君ちょっと手伝ってくれないかしら。重たくて・・・」

ユウリさんが帰ってきた。

うん、ナイスタイミング。

「は、はい!」

すぐ席を立ちあがる。

紙袋を受け取って厨房の冷蔵庫へ。


SIDE:アーサー


わたし・・・・?
って、言ったよな、今。
あ、でも菊もそうか。耀もそうだったような。



「そういえば、あのことだけど、アーサー君に頼相談すればいいんじゃないかしら?」


厨房から戻ってきたクロムに、ユウリさんが尋ねた。

あのこと・・・?
不思議に思って首をかしげると、クロムが口を開いた。

「あ・・・!いや、でも・・・迷惑、かもしれないですし・・・」

頼まれごとはいいが、そうだな。実際迷惑なことだったらちょっと困る。

でも、人から頼られるのは嫌いじゃない。

「・・・俺にできることなら協力するが・・・?」

「え、いいんですか?」

「・・ああ。べ、別に俺はただ、役に立てたらいいなって思っただけで・・・」

「・・・・・有難うございます。・・えと、ある人っていうか、——幽霊を探しているんですが、もちろんそれは簡単なことじゃないわけです。だから、嫌なら嫌でいいです。一緒に探すのを手伝ってくれませんか?」

・・・幽霊だって?

なるほど、確かに俺は妖精さんも見えるし、そっち系には詳しい。
俺の専門みたいなものだ。

「・・・で、その幽霊の特徴とかはわかるか?」
「それが、残念ながら・・・。ただ、少なくとも100年以上前からこの世をさまよっている可能性が高い、とうことです・・・」

100年以上前、か。
・・・・明らかな情報不足だ。

幽霊がいつからこの世をさまよっているかなんて、わかったもんじゃない。

「・・・引き受けて、くれますか?」

「・・・ああ、わかった。引き受ける。その代り、明日から俺の部室に来い。あそこはある程度物がそろっているからな———・・・いや、駄目だ。忘れてたが、冬休み明けすぐに野外学習があるんだった・・・・」

そうだ、忘れていた。

野外学習とは、その学年だけで学校外(公共交通機関があまり整っていない場所)に泊りで出かけ、自然の中でいろいろなことを学ぶ・・・みたいなかんじのだ。
学年のなかで大きい行事の一つである。

そして、それに企画係はもちろん必要で、生徒会もその中に入っている。

冬休み明け、つまり明日からかなり忙しくなるというわけだ。

なんでこの時期なのかと言うと、毎年この学年は日本に行くのだが、日本は各国の学校にも人気なため、一度に行ける学校が限られる。

そこで、順番を決めるんだが、決める方法が、なんとくじ引きと言う・・・ね。

だからこの寒い時期になったのだが、日本は今夏らしい。だから問題ではない。
ある意味くじ運が良くてラッキーだったともいえる。



そうこうしているうちに店も閉店時間になり、俺もクロムも寮に帰り、明日の始業式に備えた。