二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【ギャグ99%】 ( No.309 )
日時: 2011/10/03 23:33
名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: kVKlosoT)

「ちくしょー寒いよぅ」

甚平一枚はさすがにキツくなってきた。


79)衣替えの季節ですよ


外は案の定真ッッッ暗。
え? なにこれ私襲われちゃうよ?
17才の可愛い少女襲われそうな暗さだよ?

「こういう暗闇から、高杉さん出てくるんだよなぁ…」

不意に零れ出た言葉。
それと同時に、全身を通して寒気がした。
反射的に後ろを振り返るが、そこには誰の影も無く。

ホッと溜め息をついて、明るいコンビニへと向かう。


 ***


「あ、あったー。最後の一冊じゃん」

売り切れてましたー☆なんて言って帰ってきたら間違いなく殴られるとこだった。あぶねー。
タバコも途中の自販機で買ったし(メーカー…多分合ってるかな)、
さっさとマガジン買って帰ろう。

そう思って、マガジンに手を伸ばした
その時。

こつん、と誰かの手とぶつかって。

「「あ、すみません(っス)」」

金髪で整った顔立ちの綺麗な人。
ヘソだしの着物…それ寒くないんですか?

…と、そんなことは置いといて。

「すみません、貴方もマガジン欲しい気持ちは分かるんですけど、ここは譲ってくれやしないでしょうか」
「それは無理な頼みっス。マガジン求めてこれで5軒目っスから…」

な、ななななにイィ!? 5軒目だと!?
どんだけマガジン求めてんのこの人!

いやでもここで引き下がっちゃおしまいだぞ鈴。

「わ、私なんて12軒目なんですよー」
「やっぱ17軒目だったような気がするっス」
「あれ? 25件目だったかなァ??」

なんだよこの人! 17軒目とか最強じゃねーか!
ていうかどんだけコンビニあるねん! 多いやろが!

マガジンを掴んで放そうとしない金髪美女。

「や、でもホントこれ買わないと死ぬっていうか! 上司に殺されるっていうか!」
「そんな上司こっちから殺してやればいい話っス!」
「無茶言うなオイ!」

段々と私と金髪美女のマガジン争奪戦(ただの言い合い)はヒートアップしていって。
寒さなんて忘れていた。

私がマガジンを引っ張ればあっちも負けじと引っ張ってくる。

「く…このォ〜〜ッ! マジ上司がうるさいんですよー勘弁してくれよー!」
「上司上司うるさいっス。一体どんな奴なんスか!?」
「え、え〜とォ!」

どんな奴? どんな奴って……
・マヨラー
・瞳孔開いてる
・キレ症
・ニコ中
・タバコ臭い


いやいや…なんか違うな。
えっと…もっと相手が怖気つくような…

……あっ。

「お、鬼の! 鬼の副長だコノヤロー! 真選組ナメんじゃねーぞォ!」

泣く子は更に泣いちゃう鬼の副長とくれば、あっちもギョッとなるだろう。

不意に相手の手からマガジンが取れる。
引っ張ってた反動でおっとっとってなったけど。

ほれ見たまえ。
鬼の副長パワーは凄いね。


「真…選組?」

…ん?
金髪美女の様子が、何だかおかしい。
何か…こう……違う。

怖がってなんかない。

「アンタ、真選組の奴っスか!?」

金髪美女が、バッと後ろに下がった。
手に拳銃を構えて。

そりゃ私、反射条件で手を挙げてですね。
いやでも正義心が忘れてませんよ。

「じゅっ…銃刀法違反で逮捕ですよそれ!」
「アンタ、真選組の何っスか? 見たところ刀は持ってない様子っスけど」
「女中、です」

すると、金髪美女は構えた銃を下ろした。
ん? これは油断されてるのか?
通報しようと思えば出来るんだぞ。あケータイ持ってない、買ってもらわなきゃ。

「ただの女中なんで…」
「……ただの、ではないっスよね」
「…はい?」

バリバリただの女中ですけど?
甚平姿で廊下磨いて土方さんにドタドタうるせェ!て言われてる女中ですけど?

「名前は?」
「楠木鈴…」
「…晋助様と会ったこと、あるっスか?」

…え? シンスケサマ?

「晋助って…高杉さんのことですか?」
「そうっス。…そんなことはいいから、早く質問に答えるっス」
「え、あ……はい」

会いたくなかったけどね。

「…じゃあやっぱり晋助様が言ってた女中っス。……そして、名字からして分かるっスけど…あの人の、」
「……?」

“あの人”?
って、どの人だ?


「今回は見逃してやるっス。…どうせまた近いうちに会うっスから」


それだけ言い残し、金髪美女はコンビニを去っていった。
また近いうちに……か。
…やだなぁ、もう会いたくないなー…。
ていうか。

真選組の私に銃を突きつける、
高杉さんの仲間のような口ぶり、

これらの行動からして、彼女は鬼兵隊なんだろう…と思えた。
なに? 私鬼兵隊の人とマガジン取り合ったの?

すっかり脱力した私。
寒さも段々肌に感じるようになってきた。
そして、右手に持っているものの存在に気付く。

「…あ、マガジン」




 ***


( 土方さーん! マガジンとタバコ買ってきましたよー! )
( おう、ご苦労。それにしても遅かったじゃねーか )
( えと……金髪美女に絡まれまして )
( ?? )