二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】真選組女中ですけど。【原作沿い】 ( No.562 )
- 日時: 2012/02/20 20:37
- 名前: いちか ◆iK/S6sZnHA (ID: rjNBQ1VC)
◆ 昔話パロ - 浦島太郎 04
あれからトシ姫さんは、
宴だZE☆的な感じで料理やらお魚さんの舞いやらでもてなしてくれた。
ただ一つ、全ての料理に黄色い何かがとぐろを巻いていたのは何だったんだろうか。
そして今、私はこの地味なお魚のザキさんに竜宮城を案内してもらっている。
彼の本名は山崎退。名前もなんだか地味なので、可愛くザキさんと呼ぶことにした。
「しかしデカい城ですね。見るとこまだあるんですか」
もう既に20ヶ所以上回ったと思うんだけれど。
海の歴史についての本やらが置いてある広い資料室があったり、運動場かよってくらい広い道場があったり。
夢でも見ているかのような気持ちだ。
「まぁ、此処が本部だしね」
「ふーん…。てかまず竜宮って何ですか」
「一言でいえば、警察。海の治安を守るのが主な仕事だよ」
海の治安…あぁ、沖田さんが言ってたな、なんか。
「ホントは近藤さんが本部で一番上の立場なんだけどね」
「え、あのゴリガメが? でも見るからにトシ姫さんの方が…」
「うん。近藤さん、近所の海に住む人魚のお妙さんにゾッコンでさ。…今じゃストーカーが本職って感じ」
「そいつこそ取り締まるべきだろ警察さんよ」
ストーカーが本職って全体的に残念な人じゃねーか。
ニートより最低だよ。
「…ま、なんだかんだで面白いけどね。ここ」
「そうなんですか」
うん、面白そうってのは分かる気がする。
個性的な人が勢ぞろいだし。さっきも、つるっつるのコワモテザメを見た。
***
今、私は城の入り口に立ち、出迎えに色んな人が来てくれてる。
竜宮も楽しいけれど、泊まるわけにもいかないし…帰らなきゃね。
みんなとさよならを交わし、帰るために(不本意ながらも)近藤さんに乗ろうとした時。
「待て」
「…はい?」
トシ姫さんに呼び止められ振り返る。
「持ってけ。土産だ」
そう言って、木製の箱を手渡された。
なんだろう。
「外では開けるなよ、変な奴に絡まれるかもしんねーから」
「はぁ…。ありがとうございます」
変な奴って誰だ。
最後にもう一度だけさよならを交わし、
今度こそ私は近藤さんに乗って竜宮城を後にした。
浜辺に着いた私は、驚いた。
あの殺風景ながらも温かみのある村が。
町と呼べるようなものに変わっていた。
町の中心には何かすげー高い建物が立ってるし、何なんだアレ。
ぽかーん、とただ口を開けていた。
そんな私に声がかけられる。
「こんなところで砂遊びかィ」
「え…」
黒い服に身を包んだ、一人の少年。
その顔、何処かで。
少年は私が持っている箱に目をつけ、さっと奪い取られてしまった。
「何が入ってるんでィ」
“外では開けるなよ”
トシ姫さんの言葉が頭によぎる。
「だ、だめです、開けちゃっ…」
「もう開けた」
え。
「へー、マヨネーズにシャトルにバナナ…どうしてもあの3人が浮かんできやがらァ。
あ、手錠も入ってる。なんでィ、アンタ……そういう趣味?」
「…え?」
黒い服の人は、怪しげに微笑む。
……危険だ、何かが危険だ。
なるほど。
“変な奴に絡まれるかもしんねーから”
これか。
「ち、違います。…それより、ここなんなんですか。随分都会化してるじゃないですか。村はっ…」
「あぁ、天人が襲来してきてからな」
「あまんと…?」
「知らねーのかィ。ま、説明しねーけど。はやくお家帰ってマヨネーズでも啜ってなせ……」
黒い服の人が、くるりと背を向け歩き出そうとする。
私はこの人が何処に行こうとどうでもいい。止めはしなかった。
…けど、背を向けてから一歩も動かない黒い服の人。
私の顔を見て、少しばかり驚いた表情を見せた。
「…何泣いてんだィ」
いつの間にか泣いていた。
自分の暮らしていた村が失われた悲しみ、
これからこの都会で生きていけるのかという不安。
それが全て涙になって溢れ出た。
「絶対、家なんか潰されてるし…ッ! わたしっ…これから何処に住んでどう生きていけばいいんですかッ…!!」
この人にこんなことを言っても、何にもならない。
他人事なのだから。
だけどこの人は、
「要するに、行くとこがないってことかィ。……アンタの言ってることはよく分からねーが…来るか?」
「え…?」
「江戸の治安を守るチンピラ警察、真選組」
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こういう出会いもアリ…じゃないよねすみませn(
つか鈴太郎とかもろ男^p^いやでも女中になります女の子です。九ちゃん的なアレです(