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第４１話　目覚め…


ソフィア「……であった為、今後悪魔は活発に活動するとみて新たに対策を練る必要があると考えます。」

彼女の提案に、周囲は神妙な顔で頷くばかりだ。

悪魔が全員万能坂の選手から抜けた後、悪魔は魔界に帰る前にソフィアによって退治された。

ただ１人———磯崎に取り付いた悪魔を除いて。

？「悪魔が地上に降り立つ前に倒せる様に、人間界と天上界の間にＢ級やＣ級の天使を数人配置するのはどうでしょう。」

？？「そうね、倒す様子は見ていたけれど、あれ位のレベルの悪魔ならＣ級の天使でも倒せそうだったわ。」

ソフィア「賛同ありがとうございます、メーティス様、ガイア様。」

にこ、とメーティス、ガイアと呼ばれた女神は微笑む。

真偽を知るとされる女神メーティス、大地の母とされるガイアの他にも、多くの女神が緊急会議に臨んでいた。

Ｂ級、Ｃ級と言うのは天使のランクのこと。Ｓ、Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄと強い順に５つのランクに分けられている。

今回収集されたのは天使長であるソフィア、Ａ〜Ｄの級長、７人の女神、聖霊代表。そして神様の代理で月の女神セレネー。

セレネー「では、悪魔対策としてはＢ〜Ｃ級の天使を狭間に配置するという事で…」

ガイア「でも、前に悪魔が活動してから２０数年しかたってないわ。歴史上これだけ感覚を開けずに目立って活動するなんて初よ。」

ソフィア「…魔王の寿命が近付いているのでしょう…。」

その言葉に、議場は静まり返った。誰もが真剣な顔で考えこむ。

女神や天使には使える力に限りが有る。力はこの世界の為に使う契約になっていて、その力の量は自身の強さに比例し、力が尽きれば聖霊になり生まれ変わる。また見た目の年齢は自分の好きな様にすることが出来る。

つまり、天界に居る年月を年齢として考えるならば、女神たちは２００歳を優に超していた。ソフィアはまだまだ若い方だ。

魔王の使える力はもうじき尽き、魂は消滅すると言われている。それまでに、魔界は次の魔王を決めなければいけない。

メーティス「……悪魔の狙いは、ヴィエルジェってことね。」

セレネー「悪魔の活動はサッカーを中心に起こっていることから、ヴィエルジェはサッカーに関係していると見る事も出来ます。」

ガイア「化身と呼ばれる者も出ているけれど…あれは天界が保有して居た物ではないかとも言われているわ。確認中よ。」

謎は深まるばかりで、ガイアも少し焦った様な声だった。

悪魔が捨て身の覚悟で挑んで来ているのは間違いなく、その時の力を天使が沈められるのか不安に思っている。

ソフィア「…全てが日本の中学サッカー。」

サッカーと言えば、と聖霊代表のガラテアが口を開く。

ガラテア「日本の中学サッカーに生前関わっていた聖霊が居るのですが…」

ソフィア（！それって…帝国の、）


＊

鈴音「何なの…この子。」

雷光ＦＣ出身の鈴音達は、今まさにＴＶの向うで繰り広げられた月乃のプレイに絶句していた。

その動き方、体力、何もかもが驚異だった。蓮が、思わず魁渡の眠るベッドのシーツを握り締める。

と、違和感に気付いてシーツを握り締める手に視線を移す。

蓮「っ!?」

鈴音「蓮、どうかし…」

蓮の手を見た鈴音が、固まった。

彼の手の甲を覆う様にして震える白い手。それは……ベッドで眠る者の。

奏太「え…嘘、」

迷「か、いと…？」

次々にその様子を確認するＦＣメンバー。と、迷がナースコールに飛びついた。どうされましたー？、と看護師の声が聞こえる。

鈴音は呆然として魁渡を見つめた。顔が僅かにしかめられ、機械の音も今までとは変わっている。

ここ１０年、何の変化も無かった魁渡の容態。それが…何の変哲もない瞬間に想われる今、変わった。

鈴音「魁渡…が、目覚めた…？」

医者が慌てて病室に駆け込んで来た。部屋を閉め出され、そして殆どの者が呆然としている。

龍羽「え、まだ試合終わってないよ〜…」

里愛「それ所じゃないんだって!!」

泰斗「里愛の意見はもっともだ。ＴＰＯを考えろ。」

玲央「泰斗、ＴＰＯ全部分かってんのか？」

がやがやと話す玲央達を脇目で見ながら、鈴音は屋上へ向かった。蓮は何も言わずに背中を見送る。

何か考える事があるんだろう、と思いながら。




？「何かあったのかい？」

鈴音「！」

不意に背中から声を掛けられて、驚いて振り返る。

屋上に来たは良いものの、頬を撫でる柔らかい風に思わずボー、っとしてしまっていた。

何処かで見たことのある様な、無い様な男子。

？「ああ、剣城優一って言うんだ。」

鈴音「…剣城？」


＊to be continued...＊

下が雷門イレブンな２人。何とか公式キャラを出せました。