二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫〜離さない〜 ( No.50 )
日時: 2011/09/21 19:17
名前: このみ (ID: ViM8jUbu)






「…リクオ」
「……(にこにこ」
「ちょっと…」
「……(にこにこ」




番外編 「あたしのもの」





えっと…?
これは…どういう状況かしら?
今の星奈とリクオ(夜)の格好。
同じ布団に入り、リクオに抱きしめられている。
なんでこんな…。
そりゃ、嫌じゃないわよ?
だって好きなんだから。
嫌じゃないけど…。

「そろそろいいかしら?」
「だめ」
「なんでよ」
「う〜ん…寒いから」
「絶対寒くないでしょ。リクオ」

絶対にこんなところ人には見せられない。
恥ずかしすぎる。

「いいじゃねえか」
「よくないわよ」
「…俺のこと、嫌いか?」

ああもう。
そんなかわいい声で言わないで。
嫌いなわけないじゃない。

「…嫌いじゃないわよ」
「そっか♪」

はぁ〜〜〜。
どうしたら離れてくれるのかな…。
あ、そうだ。

「…こんな美人を抱きしめてるんだから、それなりにお代はいただくわよ?」
「え。いつから始まってんの?それ」
「う〜ん…。今から?」
「なら、いっか」

よくないわよ。
せっかく離れてもらえるチャンスだったのに…。
自分でつぶしてしまった。
『今から』なんて言わなきゃよかった。

「星奈は何でそんなに離れてほしいんだ?」
「……………」

なんでって…。
あたしの心臓がもたないからよ!!!
人の気持ちも知らないで…。
涼しそうな顔しちゃってさ。
もう!

「それにしても…」
「?」
「なんで太ってるわけでもないのにこんなふわふわしてるんだ?」

そう言うと、顔を首にうずめてくる。
うう…。もう限界…。
今絶対顔赤いよ…。
心臓破裂しちゃうよぉ…。

「朝ちゃんと食べてんのか?」
「食べてますよ〜」
「ふ〜ん」
「何よ…」
「いや、白くてふわふわってなんか羽みたいだな〜って」
「…小っちゃくて白くて細いかわいこちゃんがモテる」
「モテる…かわいこちゃん…」
「否定するか。この美貌を」
「いや?否定しねぇよ。あんたはかわいい」

嗚呼、天然タラシが今ここにいる。
…そんな簡単に言うから、カナとか氷麗とか毛倡妓が惚れちゃうんじゃない。
それをあたしだけに言ってくれたら、どんなに嬉しい事だろう。
でも、それは叶わないのだろう。
リクオはこんなあたしより、もっと別の人の方が似合ってる。
絶対にあたしを選ばない。

「星奈」
「…何?」
「ちょっとこっち向け」
「なんで?」
「いーから!」

そういうと、星奈の体を自分のほうに向ける。

「目、閉じろ」

おとなしく閉じると、リクオの手が耳に触れた。

「いいぜ」


しゃらんーーー


「うぁ…。きれー。イヤリング?」
「ああ」

自然と笑顔になる。
こんなうれしいプレゼントは初めてだ。

「嬉しい。ありがとう」

そう言うと、リクオもにっ、と笑う。
『こういう時間、好きだなーーー』
ずっと続けばいいのに、と思ってしまう。
…欲深い?
でも…。
リクオがまだ誰のものにもなってないんだから、いいよね。


いつかはこんな時間もなくなってしまう時が来る。
だけど。
だけど。



『まだいい』


まだいいのだ。
リクオはまだ誰のものにもなっていない。
しかし、今、このときは




「あたしのもの」











最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
初めての番外編です。
どんな場面がいいかな?と、いろいろ考えた結果、本編とはなんにも関係のないお話になりました。
星奈とリクオが一緒にいるところと、リクオが何かをプレゼントする場面が書きたかった!結果、こんなん↑になりました。

えーと、ちょっとでも面白いと思ってもらえれば幸いです。
ありがとうございました。