二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *イナイレ*【トリップ】失いすぎた少女 参照2000突破!! ( No.228 )
日時: 2012/08/03 21:41
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

最終話 「褪せない記憶」

朱「え…」

言葉を失い、茫然とした瞳で見つめる朱音。
円堂達はよくわかってはいなかったが口をはさめる雰囲気ではなく、黙って見守っていた。

朱「【だからこそ現実に戻る】ってどういう…こと?」

やっと出てきた言葉。
自分でもよくわからないから上手く言えないんだけどなぁ;

沙「あーうん、あれだ。よくドラマとかで言う【やり残したことがある】ってやつだ。」

自分でも思う。
この緊迫した雰囲気に合わない超適当な答え。
勿論朱音が納得するわけでもなく…

朱「そんな答え…あたしは受け付けない。何で…?あんな世界より、こっちの方g「言いたいことは分かる。けどさ…」…」

確かに現実よりこっちの方が魅力的だ。
楽しかったし…何より暖かった。

沙「けど、さ…向こうは向こうであると思うんだ。【楽しい】こと…」

残念ながらまだ思い当たらないけどww

沙「確かに私らはずっと【苦しい】こと…【悲しい】ことばかり見てきた。でも、それだけじゃない。まだそれを…私は知らない。」

朱「………」

ナデナデ

沙「大丈夫だってww離れてても、ずっと朱音の事は忘れないから。というか忘れろっていう方が酷な話なんだけど?」

まだ納得のいかないご様子だがどうも止める言葉が出てこないらしい。
めっちゃ立向居似の子犬の瞳をしてる。

沙「悪いな円堂。残念だけど私は一緒にいられない。」

円「どういう…ことだ?」

「もしかして…」とかなんとか思っているような顔だけどあんたらの予想をはるかに上回るぞ。
だって…君達はこの世界を実在していると信じている、けどこの世界はモニター越しにいる人間によって作られた仮想世界。

沙「私達が通ってる例の推薦学校(嘘ですけど)、私と朱音に留学の話があってな。朱音は断るつもりらしいが私は可能性を信じて行きたいと思う。だから…さよならだ。」

まぁ可能性を信じて、というところは間違ってない。

円「また…会えるよな?」

そんなの無理に…決まってるだろ?

沙「運が良けりゃどっかで会えるかもなww」

こんな奇跡二度とない。けど…今私が君たちにつける精一杯の嘘。
ごめん…二度目の嘘だ。

円「…見つけてこいよ。」

鬼「その…」

豪「可能性とやらを。」

沙「…あぁ。必ず…」

もう一回皆の顔を見ると泣きそうな気がしてきたので俯いたまま返事をする私を許してね。
『いいんだね?』

沙「あぁ…でも少しお願いがある…ボソ」

円堂達に泣き崩れた朱音を慰めさせている間に誰にも知られない取引をしようじゃないか。

『んー僕の予想を裏切ってくれたのでご褒美に何でも聞いてあげるぞ☆』

死ね、今無償に腹立ったぞ。

沙「…朱音と円堂達、というかこの世界で私と関わった人たちから…」

そう、これでいい。







沙「私がいたという記憶を消してくれ。」







『…OK。じゃ…あと10秒後に君は戻る。いいのかい?その間に彼女達と…』

沙「いーんだよ。こっちも泣きそうなんだよww」

プツ

10…

カウントダウンが始まった。

9…

笑える死に方から生まれた奇跡。

8…

心から笑えた日々。

7…

春「留学ってことはいつか帰ってくるんですよ!!泣きやんでください!!」

6…

風「ヒョイッと何かの拍子で帰ってくるかもしれないだろ?ww」

5…

円「お前の帰り…待ってるからな!ニカ」

4…

朱「クル…私もあんたのこと一生忘れてやらないんだから!!」

3…

沙「その鶏の頭で覚えておけww」

2…

ありがとう…私に笑顔を取り戻させてくれて。

1…

ありがとう…お前の事、一生忘れないよ?朱音。

0…








【夕闇沙羅は消えた。雷門イレブン、三枝朱音の記憶からも…】








                                                         Next…?