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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 序章 超能力者と虐待児のお話 ( No.8 )
- 日時: 2011/09/21 19:57
- 名前: おかゆ (ID: In.A84i5)
バタリッ!と、押し入れのふすまが勢い良く閉まる。
中は真っ暗で音もせず、聞こえるのは息をする僅かな音だけだった。
ふすまに居た少女ーーーーー前谷真希は、腫れ上がった右手を押さえつけた。
8歳と思われる彼女は肩までの茶髪ショートで同色の瞳。黒いヘアピンを付けた少女は、暗い押し入れの中で、冷静にしていた。
普通の子供ならパニックになるのに対し、彼女は本当に冷静だった。
何故なら、いつもの事だったからだ。
母親は直ぐに買い物に出かけているらしく、誰も居なそうだ。
真希は腫れ上がった右手を押さえたまま、ふすまにタックルをする。
バタッ!と、言う音と共にふすまは倒れる。
一軒家のため、迷惑にはならないと彼女は思った。
彼女に表情は無く、そのまま玄関へ走る。
適当にスニーカーを履き、カギをかけずに彼女は全速力で走る。
前谷真希の逃亡生活が始まる。
全速力で学園都市内の街を走っている黒服達を少年はビルの屋上に座り、心の中で嘲笑っていた。
8歳位の少年は肩までの茶髪ショートをポニーテールにしていた。
目は同色で、首には漆黒に輝くチョーカー型電極をした少年ーーーーー貝塚白夜は立ち上がり、手すりの外へ身を出す。
真下は、黒服達がウロウロしている。
しかし、貝塚は構わずそこから飛ぶ。
落ちる事は無かった。
まるで、空を飛んでいるかの様に。
実際には彼の能力を使い、自身を転移させているだけなのだが。
貝塚白夜は上空でも心の中で嘲笑っていた。
まるで、庶民達がせっせと仕事をしている所を見ている国王の様に。
絶対に交わる事の無かったものが交差する時、
物語は始まるーーーーーーーッ!
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