二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鬼灯の冷徹・APH:愛情をたくさんあげる ( No.11 )
日時: 2011/11/07 19:05
名前: 千李 ◆2wQbNMYBsg (ID: rCT1hmto)

 カラン、と店の扉が開けば、今日も彼女はやって来る。

番外編:神獣関係

「こんばんは、はく
 真っ直ぐに伸ばされた白銀の長髪に、全てを見透かし全てを吸い込みそうな銀色の大きな双眸が俺の顔を映し出している。
 薄い水色の肩を出した着物に銀色と白でコーティングされた大きな帯、足を隠す衽は真ん中が切り開いており膝元位で割れている、足には足袋と厚さが三センチくらいの厚底下駄が床と触れるたびに心地良い音を響かせる、彼女の右耳に下がっている雪の結晶の耳飾が揺れる。
「やあ白虎びゃっこ、元気かい?」
「まあね、そういうあなたこそ元気?」
「俺はいつでも元気さ、君が会いに来てくれるからね」
「まあ相変わらず口が軽いのね、そんなんだから奥方が現れないのよ」
 袖口を口元に持っていきクスクスと笑う白虎、そんな小さな仕草でさえ愛おしく美しく見えてしまうのが難点だ、俺と白虎は神獣、数前年前からこの天国もとい桃源郷で暮らしている。
 互いに良い歳なのに相手がいないのが難点でもある、否、神獣だから相手がいないのかも知れない、だけど子孫を残すためには相手が必要でもある。
 このままだと、俺等で神獣の血は絶えてしまう、それを無くすには相手を見つけ子を作る事だ。
「そういう白虎だって、さっさと子でも身篭れば良いだろう」
 皮肉っぽく嫌味を言ってやると驚いた表情をする白虎、すっと手から髪留めを取り出してそのまま腕をあげて髪を結ぶ、身八つ口から覗く白い白虎の腕が目に入って俺は思わず目を逸らした。
 白虎と俺はずぅっと昔から一緒にいた、もう何年の付き合いになるのかも分からない、相手の考えている事も分かるほどだ。
 髪を結び終えると白虎は店に並んでいる薬とか漢方、薬草を見つめて何かを探している素振りを見せた、俺は何かを探している白虎の元へ近づいて。
「お客さん、何かお探しですか?」
 ニコッと笑って俺が言うと、白虎は少しだけ寂しげな表情を見せた、滅多に見せない表情に俺の心臓が一瞬だけ跳ね上がった、憂いに帯びた表情ですら似合う彼女はある意味殺人鬼かも知れない。
 よく分からないけど、俺はたぶん白虎に恋心を抱いている、あまり確信は無いけど、白虎といると凄いドキドキするし顔もまともに見れない、てか見られない。
 朱雀や青龍、玄武に相談したら全員同じ反応を見せた後に「絶対に恋だろ」と言って来た。
だから、たぶん俺は白虎に恋をしている、いつか想いを伝えたいと思っているのだが、中々機会がないし俺に言う勇気が出ない、こんな情けない俺にたまに嫌気が差す事もある。
 そんなこんなを考えていると不意に白虎が驚きの品を口にした。
「ホオズキを……探しているの」
「……え?」
 その品を探している、と聞いて俺は思わず嫌な言葉が脳内を過った。


------------------------------------------------白虎が、子を身篭った?

文字数が危険なので続きます