二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケットモンスターspecial(悪ノ娘パロディ) ( No.12 )
日時: 2011/10/23 14:52
名前: 藍蝶 (ID: 6Bgu9cRk)
参照: http://blogs.yahoo.co.jp/fmgss599/1006329.html#1006329

第1章(2部) <イエロー目線>


僕の予想通り雨が空から降って来た。
予想していた僕はさっさと箒を片づけて帰る。他の人達はよっぽど熱心に仕事していたのか、雨が降って来た事に慌てているようだ。……いや、熱心にしていたのはおしゃべりか。

王宮内に入り、自室(僕は住みこみで働いている)に戻る。
掃除が終わって、別段やる事もなくゆっくりベッドの上でのんびり寛いでいると、ドアの外でガラガラガラという荒い音と、とても美味しそうな匂いがした。ドアの隙間から覗くと、料理長が今日の夕飯を銀色のワゴンに乗せて運んでいた。丁度そのワゴンがドアの目の前に来た時、驚きに目を見開く。3段のワゴンに、びっしりと豪勢な料理がところせましと並んでいる。これだけの量をエレキアは食べるのか。いつもは掃除掃除(王宮内含め)、おやつ作り、ドレスの着付けくらいしか思い当たる仕事がなく、朝飯昼飯夕飯何を食べているのか1年間検討もつかなかったが、まさかこんなにとは。
「エレキアって凄い大食いになってたんだなぁ……あ、ブルーさんも結構食べてたな」
またベッドに寝転がって、自分を3年ほど預かってくれた人との思い出に浸る。欲は強い人だけれど、凄く優しい人だし。今頃何してるのかなーと思いつつベッドでごろごろと転がった。

その夜、大臣と一部の召使、執事による王宮内会議が行われた。
召使は僕とエメラルドと侍女長が、執事はダークとセピアが行く事となっている。会議の場は何時になく暗かった。
「エレキア様が今月処刑なさった人数を覚えているか?」
「多分、20人は超えていると思われます」
「一年でどれだけの人数が断頭台にかけられた事か……これではトキワグローブの人口が減るばかりだ」
「この前は『金が足りないなら税を3倍にしてしまえ』とおっしゃっていた。これでは国民が飢え死になる」
「しかし……前国王、ブラック様の唯一のご子息、そう簡単に口答えは出来ぬ」
会議の中心はほとんど大臣とダーク、侍女長だ。召使は言わせてもらえないというか、言えない。政治がらみの仕事でもないし。
大臣達は溜息を吐く。その中の一人が、こう発言した。
「もう一人のご子息、イエロー様がいれば……」
「何を言っておる。イエロー様はもう亡くなられている。それに性格は噂になる程傲慢だったと聞く。どの道同じだろう」
もう一人の大臣が盛大な溜息を吐く。少々偉そうに語っていたが、この大臣の言っている事には間違いがある。
イエロー様、というのはおこがましいかもしれないが、僕の事だ。
僕は次期後継者としての候補だった。しかし傲慢な性格で人を遠ざけようとした報いだろう、僕は捨てられた。拾ってくれた人も、育ててくれた人も、皆とても優しかったのが不幸中の幸いだった。
今の大臣の中には、僕がいた頃にいた大臣はいない。全員見知らぬ人達で、帰って来た時正直少し動揺した。けどそれも良い方向に向いたようだ。僕はブルーさんの言う通り王宮に入る事が出来た。捨てられただけなのに亡くなった、という噂が流れている事には、誰かがカモフラージュの為作られたでっちあげ話だろう。
さて、先程までの話の結論を出そう。

僕は、


















現王女エレキア=デ=トキワグローブの双子の妹だ。