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Ⅰ亡者の町　ファイル３

結局濫は戻らずそれぞれ就寝の時刻になった。

綱「帰ってこないな…」

雅「そうだね…」

まるで子犬のような目で玄関を見る２人に鬼道たちはため息をつく。

鬼「まぁあいつは大丈夫だと思うがな…」

不「襲ってきても返り撃ちになりそうだな。」

冗談に聞こえない声で不動は言い放った。

雅「そうだね…前ふざけて濫の服をすり替えたら死にそうになったもん。」

綱「想像できるな…」

いや、それは雅が悪いのでは？と鬼道たちは思っただろう。顔が物語っている。

不「早く寝ろ、明日のためにも。」

この町がまた不気味なほど静かになった。

ズル…　　　ズル…

どこからともなく何かを引きずる音がする。

「腹…減った…」

そこには存在できないはずの水と砂でできた生き物が２体。

詳しく説明すると１体がもう１体を引きずっている。

「ガブ…　　グチャ…」

いわゆる共食いだ。

だが問題はそこではない。

なぜ水分がないはずなのに生き物は存在できている。

？「あはは！敵がいないのは物語的につまんないよねぇ？」

フードを被った人間は怪しく笑う。

濫「へぇ…あんたがやったんだ。」

凛とした声が町に響き渡る。

？「来ると思ったよ。」