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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: そこに空があるから [inzm] ( No.324 )
- 日時: 2012/01/13 20:00
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
64話「幼き声」
何もない空間に深々と降る雪
溶けることのない氷の結晶
中に封じ込まれるは------------
*
「…お前との決着はまた今度な」
緋色の少年は言い、その場から消える
残るは少年の笑い声のみ
「つららちゃん!!」
吹雪はつららの元へと走る
つららは虚ろな目をし吹雪の方向を見る
何も映っていない様な虚ろな瞳は光すらもなかった
「っ!…つららちゃん?」
吹雪はつららに話かけるがつららは反応をみせない
「…しろう?」
微かな声でつららが言う
「つららちゃん!大丈夫?!!」
吹雪が言うが
「…アツヤ」
つららが呟く
「え?」
*
誰よりも弱いのは私だった
君はもう、前へ進んでいるのに…私はいつまでも此処にとどまり続ける
私は、前に進んでいるんじゃない
逃げているだけ
それは、誰より私が知っている
「あの頃のままでいたい」
溶けることのない氷の結晶からは聞こえるは
幼い少女の悲しい叫び
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