二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.7 )
- 日時: 2012/01/15 16:55
- 名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)
1話「海と空と千鶴と」
千鶴「うん、こんな感じかなぁ」
新選組屯所。
雪村千鶴は、隊士の朝餉の用意をしていた。
とんとん、と沢庵を切り、皿に載せていく。
一段階終わり、味噌汁の準備にも取り掛かった。
その時、さく、と台所の入り口から音がした。
草履が擦れる音だ。
千鶴はその音に気が付くと、手を拭いて入り口に顔を出す。
千鶴「何方かいらっしゃるんですか・・・?」
にょっと顔を出した瞬間、2人の男が眼に入った。
見たこともない顔だ。
一方は、千鶴の顔を見ると跪いた。
一方は、千鶴をまじまじと見る。
?「何やってんだ空!」
?「え〜。だって海、この人本物?」
千鶴「えーっと・・・何方でしょうか?」
その場で起こっている事態が掴めず、千鶴が問う。
跪いている方の人が無理矢理もう一方を跪かせてから、問いに答えた。
海「私は白里 海と申します。此方に居るのは黒里 空です」
空「てゆーか、1つ聞いていい?」
空と紹介された者が顔を上げて言う。
海と自己紹介した者が止めに入ろうとしたが、もう遅かった。
空「あんた、ホントに雪村千鶴って鬼なワケ?」
千鶴「はい・・・。私は雪村千鶴ですけれど」
空「えぇぇえええ!!!??」
海「ったく馬鹿が!申し訳ありません千鶴様」
千鶴「えっと・・・頭上げてくださいっ」
海は控えめに頭を上げる。
隣では、空がもう立ち上がっていた。
混乱していると思われる千鶴の為に、海が説明を始める。
海「私達は、ある御方から命を受けて此処に居ります。私達の長、鈴鹿御前の千姫様はお分かりになりますか?」
千鶴「えっ、は、はい。勿論お千ちゃんの事は・・・」
海「私達は千姫様の命で、千鶴様を守るように言われたのです」
空「それで、これから暫くは千鶴さんと一緒に行動します!」
千鶴「えぇっ・・・。えっと、新選組の皆さんには?」
海「勿論独断ですが」
千鶴「はぁ・・・」
千鶴は困り果てた顔をすると、溜息をついた。
そして、「まぁ・・・とりあえず宜しくお願いします」と言うと、調理場へ入って行って、朝餉の続きを行った。
それを確認すると、海はさっさと屯所内へ消えていく。
その姿を見ると、空は慌てて追っていった。
—————
空「結構良さそうな方だったね」
海「何とも思わない」
空「え〜酷いなぁ。。。」
海「そんな事はない。私は千姫様に尽くす為だけに今此処に居る」
海は冷たく言い放った。
空はそんな海の言葉に唇を立てる。
2人は木に寄りかかっていた。
そして順々と、朝餉の時刻に近づいていった。