二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 背中合わせの志 ( No.8 )
日時: 2012/01/18 15:48
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

皆さんこんにちは!2話は私、桜舞姫が更新します。

2話「空の失敗」

原「あー、腹減った—。」
永「飯ぃー。」
新選組の幹部達が空腹を訴えて次々と広間にはいってきた。
雪「皆さん、お待たせしました。」
千鶴がてきぱきと全員分の朝飯を用意する。
平「お、俺も手伝う!」
そう言って飛び出したのは、藤堂平助だ。幹部の中では最年少で、
千鶴と最も仲の良い人物と言えるだろう。
近「よし、ではいただこうか。」
皆で食べ始めた時が、一番静まり返る。まさにその時、庭の方から
声が聞こえた。
?「ねぇ海…あの…新選……!?」
?「ばっ!黙っ……!!」
とても小さな声だったが、ちょうど庭側に座っていた沖田と原田には
僅かながら聴きとる事ができた。
原「おい、総司…今の?」
沖「うん、誰の声かな?」
笑いながら話す沖田の目に、最早優しさは少しもない。
そして何を見たのか、庭の一角—茂みに向かって箸をひゅっと投げた。
そのまま茂みに箸はガサッと刺さ…らなかった。
—キイィィインッッ カラカラ—
小気味いい金属音を立てて箸が弾かれ、乾いた音を立てて転がった。
空「あっぶな。ちょっとお兄さん!貴方…ね!?」
勢いよく沖田に掴み掛ってきた男装少女—黒里 空の動きが止まった。
海「何やってんだこの馬鹿っ!!」
空「ひっどい!頭叩いた上に侮辱までするの!?」
海「この任務は極秘だって忘れたか!?飛び出してって如何する!」
空「でもでも、避けなきゃ刺さってたじゃん!」
どうやらいきなり黙ったのは、頭を瞬間的に叩かれたから。らしい。
そしてわいわいと口喧嘩を開始している。終わりの見えない喧嘩に
水を差したのは千鶴だった。
雪「あ、あの。お二人とも……」
彼女が声をかけると同時に海は跪き、空は「へっ?」と言いながら
振り返った。
海「申し訳ありません千鶴様。って、何突っ立ってるんだ!」
空「えっと、これ、謝んなきゃダメ?」
海「当たり前だ!さっさと跪いて千鶴様にお詫びしろ!」
雪「あ、いいです!それより…」
千鶴が見た方向—背後に目を向けると、複雑な顔をした幹部達がいた。
千鶴への呼び方や行動を見たことで、さらに複雑になっている。
土「話は屯所で聞く。入れ」
有無を言わせない土方の声に、空は少々怯えた様に歩き、海は表情の
読みとれない無表情だった。