二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夢想サ。【REBORN】 ( No.3 )
日時: 2012/01/15 10:35
名前: 透子 ◆GRRPdDaVH. (ID: mwHMOji8)
参照: http://yaplog.jp/re-bo-rn_com/


フラン夢/切
—→知ってますよ。







先輩、ミーは知ってますよー。



「妃、話があるから後で王子の部屋に来いよ」
「うん」



堕王子と話す時だけ少し高くなる、少し震えた声の事。
先輩が堕王子を好きな事。

今のなんて、すごく驚いてましたよね。
ミーにはお見通しですよー。



いつかミーだって先輩にそんな声をさせるつもりでした。
他の誰でも無い、ミーにだけ聞かせる少し女の子らしい声。

きっと2人は想い合ってるんいるんでしょうねー。
話があるってアレ絶対告白ですよね、あの××王子。

ミーだって気持ちは負けていませんよ。
ただ少し出会うのが堕王子より遅かっただけでー…。
それってフライングじゃありません?




ずるいですー。




見れば妃先輩は堕王子の処に行こうとしてるし。行っちゃイヤですー。
だって帰って来たら貴方はベル先輩の物になってるんでしょう?


「妃先輩」

「なあに?フラン」


いつもと声の調子が違う。きっと緊張してるんでしょうねー。


「ベル先輩の事、好きですかー?」


分かり切ってる事。
でもちゃんと先輩の口から聞きたいんですー。


「…うん、好きだよ。」


そう言って頬を染める妃先輩。


—今、好きって言う時声高くなりましたよね?
まるでミーが好きって言われてるみたい、なんて自惚れますよー。


でも、違う。聞きたかったのはその声じゃありませんー。
ちゃんとミーのためだけの"好き"が聞きたいんです。



お願いします、先輩。
聞かせて下さい。



そわそわしてる妃先輩。そんなに堕王子の処に行きたいんですねー。
でもミーはイヤですよ、そんなの。ベル先輩の物になんかなって欲しくないんですー。


「妃先輩。良い事教えてあげるんで、耳貸してくださーい。」


そう言うと好奇心いっぱいに耳を此方に傾ける愛しい人。



ぐい、と引き寄せて無理矢理唇を奪った。
苦しそうに顔を歪める先輩にお構いなしに深く口付けをする。



良いですよね?これくらい。
どうせ貴方はベル先輩の物になるんでしょう?
だったらキスの1つくらい許してくれますよね。



暫くして妃先輩の唇を離した。目尻にはうっすらと涙が溜まっている。
あれ?もしかして初めてだったんですかー?




ぱンっ




鈍い音。妃先輩がミーの頬を叩いた。
そして部屋を出て行ってしまう。




何ででしょうね、叩かれた頬は痛くもなければ、痒くもない。
先輩力弱すぎですー。これくらい何ともありません。

それなのに、何でか痛いんです。
死にそうな位苦しいんです。

今まで感じた事の無い痛みなんですよ。
これって先輩の所為なんですけどー。


でも、先輩の初めてを1つ奪えたんで良しとしましょうかー。










「…好きですよー。」

ぽつり。
小さな声で呟いた。







(知ってますよ。)
どんな事をしても先輩がミーを好きになる事はないって。








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おつかれさまでした!