二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.gray-man -消えた扉- ( No.244 )
- 日時: 2012/08/24 15:31
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第七十二話 -Message-
千「代々トリーブが覚醒するときは・・・その子の願いを何でも叶える事が出来たんでス」
悠「何でも?」
千「悠クンが願ったのは「沙羅と幸せに暮らせて、ずっと一緒にいれる空間が欲しい」でしタ」
悠「・・・その空間が、幸結空間?」
千「ハイ。でも肬クンは・・・わからないんでス」
悠「・・・わからない?」
千「直接聞いてないですからネ」
・・・肬は
何を思って
何を願ったんだろうか
悠「・・・で、この本。お前が書いたんだろ」
千「・・・・・・違いまス」
悠「は?」
千「かいてはいませン。ただ、そう語ってただけでス」
自分が書いたって
嘘ついてたわけか
悠「なんでそんな事したのさ」
千「・・・わからないでス。誰かに仕組まれたのかもしれませン」
悠「・・・・・・意味わかんねー。もういいや。行っていい?」
千「・・・」
言葉には出さないが
伝わってくる
千年公の気持ちが
敵同士なのに
なんで・・・
<まだ側にいたイ>
この声が聞こえる
お前の声が
悠「・・・」
人間の姿になった千年公
この姿は初めて見たが
案外こっちの方がカッコイイ
後ろから抱きついて
ただ慰める
すると千年公はボクの手を握って
泣き始めた
ボクの服からスケッチブックが落ちて
子供たちの笑顔が記されていた
千「・・・沙羅の為ですカ」
悠「沙羅、人の笑顔を見るのが大好きなんだ。幸せになれるんだって。だから・・・書き続けてる」
千「・・・」
それから千年公との会話は途切れた
ただ時計の針が進む音だけが
部屋に鳴り響く
こくこく進んでいく針
こくこく進んでいく記憶
何故か僕も泣けてきた
どうしてノアが憎いのか
どうして千年公が憎いのか
どうして黒の教団がにくいのか
何もわからない
僕はなぜ
沙羅が好きなのか
千「・・・いくんですネ。扉に」
悠「誰が何と言おうとボクは行く」
千「・・・」
悠「千年公。これ、イノセンス」
千「!!」
僕と沙羅の
二人のイノセンス
千「・・・何のマネですヵ」
悠「こんな二つのイノセンスが壊れようと、エクソシストは・・・アレン達は負けない。絶対に」
千「・・・そうですカ」
千年公は涙を拭い
立ち上がった
千「必ず勝って、我輩ハ悠クンヲ迎エニ行キマスヨ」
悠「いいや、最後に行っとくよ。もう二度と会わないから。・・・・・・・・・さようなら、千年公。大好きだよ」
千年公やノアは
嫌いなんかじゃない
大好きだった
そして今も
大好きだ
だから
ボクは千年公の頬に
口を突きつけた
部屋のドアを開けて、廊下にでる
千「——————————」
千年公の最後の言葉は
とても懐かしかった