二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ブリーチ 夜を超える者達 一ノ一ノ二更新 6/28 ( No.23 )
日時: 2012/08/29 15:15
名前: スターク  ◆FwuTUrVzG2 (ID: 68i0zNNK)

素海龍様へ

呼びタメもお友達も全然OKですよ♪
私も暇があったら貴方のREBORN系小説覗いてコメントしますね^^
次から様付けなしで行こうと思います!


______________________ここから本編________________________




                     第一章「闇の軍勢」 第一話「現世異変」三頁目


  「言われねぇでも見せてやるさ!」

  エツゥナイの気取った発言に、犬歯をむき出しにして一護は吠える。それを愉悦を含んだ笑みを浮かべながら、エツゥナイは迎え撃つ。

  「空絶黒球(ウルディア・ファルファリア)!」
  「黒球はあれほどの数、発動できるのか!? 不味い黒崎! それは……」
  「うるせぇよ。いつまでもお前は俺を何だと思ってんだ? あの程度の攻撃打ち落とせねぇはずがねぇだろう?」
  「相変わらず……君は、化物か?」
  「…………」 
  空を覆う黒き球体。その数、千を超えるだろう。石田が焦燥感をあらわにした顔で、一護に忠告する。しかし、一護は石田の勧告を無視しエツゥナイが顕現したその圧倒的な数のウルディアを、広範囲に月牙を放ちすべて打ち落とした。自分があれほど対処に苦労した黒い弾丸を、力技でねじ伏せる一護に、敬意と皮肉を篭めて石田は呟く。
  
  一護は憮然とした表情で「うるせぇよ」と呟き、沈黙するエツゥナイを見やる。

  「どうした? ビビリ過ぎてだんまりか?」  
  「いや、それはないだろう? まだまだ、相手の強さはこんな物じゃないはずだ」
  「分かってるよ、んなことぁ」
  「ふふふっ」
  「何が可笑しいんだよ!?」

  気遣うというよりも挑発の意味合いの強い、一護の言葉をエツゥナイは黙殺する。変りに石田が一護を「油断するな」と叱咤する。それに対しいつもどおりの返答をする一護。
 
  それを見てエツゥナイは笑う。彼らの緊張感に欠けるやり取りに呆れたということではないようだ。なぜなら、今のエツゥナイは歓喜に胸を高鳴らせていて、彼らの言葉など聞こえていなかっただろうから。

  「いやいや、可笑しいというわけじゃないさ。喜んでいるんだ。良いね。及第点だ。
  この状態で今の君とやるのは失礼というのもだな。じゃぁ、ここからさき、本当の力を見せてあげるよ?」
  「さっさとしやがれ」
  
  耳朶に響く高い声で、エツゥナイは喜びの感情を露にして、まくし立てる。大方の予想通り、切り札を隠し持っていたかと一護は呆れたように頭をふるい、相手の能力の解放を促す。確実に勝てるという保障があるわけではないが、相手の能力をじかに見れば披見体となり、言葉で敵の能力を伝えることできる。言葉と霊圧から予測して対策を立てられる有能な者を彼らは知っているのだ。最も、それができるのも石田と一護どちらかが生き残れればの話だが。

  「じゃぁ、行くよ? 君達は不幸にして栄光だ。なぜなら、我が圧倒的黒神獣(ディアルロイアー)の姿を拝見できるのだから」
  「黒崎、この霊圧の上がりは……刀剣解放も卍解も超えているぞ!?」
  「…………」
  「ビビるなよ最後のクインシー?」
  
  「天翔黒馬(ラング・ディア・ホルオス)——」

  光喰う刃(ヴォルナイアス)と呼ばれた剣を天にかざし、エツゥナイは解号を唱える。それと同時に、彼の周りに黒い陽炎が生まれ揺らめく。一泊遅れて甚大な霊圧の本流が一護たちの体に圧し掛かる。並みの虚程度なら砕け散るだろうほどの霊圧だ。
  
  石田が危機感を感じ叫ぶ。いまだかつてどの戦いでも感じたことのない、力の上昇にさすがの一護も剣呑な表情を浮かべる。それを察したエツゥナイは、興醒めとでも言うように石田を侮蔑した。次の瞬間——

  一度解放された力は止めるすべを知らず爆発し、顕現される。空間が湾曲し、強引に引きちぎり黒い巨大な馬が現れた。それにエツゥナイは乗馬し、霊圧を同調させ黒い鎧武者へと姿を変えた。

  「構えを解くなよ。目を背けるな。死にたくなければな」

  次回⇒第一章「闇の軍勢」 第一話「現世異変」四頁目へ