カノさんは私の絵を指差しながらそう聞いてくる。指差されたのは、スケッチブックに書かれた制服姿の女の子。誰もいない“隣”を見つめる絵。描いたのは、2年程前だっただろうか。「……あー、いや、友達というか知り合い?ですかね。一度だけ、話しただけです。」