二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 終焉の奏で唄* [D.Gray-man/黒子] ( No.17 )
日時: 2012/07/25 14:32
名前: あんず ◆mkWK7X3DHc (ID: ENhMY21N)




物珍しそうに私が身に付けているネックレスを凝視してくるのは、このアジア支部の支部長である"バク・チャン"だ。リナリーが耳元で教えてくれたのだ。
それを聞いて『バクちゃん…』と小さな声で呟いたにも関わらず、彼には届いていたようだ。
「バクちゃん言うなっ!!」と怒鳴られた。
別に悪気があって言ったわけじゃ……でも、バクちゃんのパパママは素晴らしいネーミングセンスの持ち主だと思うよ。



「……それで、このネックレスはどこで手に入れたんだ?」

『どこって……、私が両親からもらったものです』

「!……そうか。」




そういうと、突然黙りこんでしまったバクちゃん。
私が千年伯爵の手によってここに飛ばされる前、お母さんから授かったものだ。
今時こんな形をしたネックレスなんてあるんだなと、
不思議に思いながらつけた瞬間、目映い光が私を襲う。
思わず瞼を閉じた私は暫くしてからゆっくりと開けた。
しかし、これといった変化はなく、
不可思議な現象として私のなかではピリオドが打たれたのだ。

彼は腕を組み、うーんと考えた挙げ句、ぽんっと手叩き私を見やる。



「君、名前は」

『凪宮芽依、です』

「凪宮はここに残れ。神田とリ、リ、リナ、リーさんは、コムイの元へ戻れ」

『え!?(ていうか、また噛んだ!)』

「芽依はどうするんですか!?」



驚き目を見開くリナリーは、頬を真っ赤に染めるバクちゃんに詰め寄る。
すると益々その顔は赤くなる。
……およ?もしかして、これは…!



『バクちゃんはリナリーのことが、むぐぐぐ!』

「いいからこいつは俺にまかせろ!コムイには俺から連絡いれとく!」



言い終わる前にバクちゃんが私の口に手をあててきた。
こんな慌てちゃってさ、もう!
私は確信を得た。こいつはリナリーが好きなんだ!

私がバクちゃんの手を必死にどけようとしていると、
リナリーはしょんぼりと肩を落として悲しそうに目を伏せる。
するとそれを察してか、
今まで黙っていた神田さんが踵を返した。


「行くぞ、リナ」

「うん…」


ああ!リナリーが行ってしまう!
焦る私はじたばたと暴れた。そしたら意外にもバクちゃんの手が簡単に口元から離れ、遠くなっていく二つの背中に向かって叫ぶ。



『リナリー!神田さーん!ばいばーい!!



笑顔でぶんぶんと大きく手を降る。
すると弾かれたように振り返ったリナリーは、
パァっと花が咲いたように笑顔になり、手を振り替えした。
一方の神田さんは絶対無視するだろうなと思っていたが……




『!』



軽く手をあげてくれた。
もちろん私に背を向けたままだったけど、素直に嬉しくなった。


短い時間だったけど、彼らに出会えてよかったと思えた。
またいつか、どこかで会えたらいいな。


そして私も彼らに背を向け、歩き出した。



#00.プロローグ end


20120725

やっと終わった!
そして方針を変更!
もちろん原作沿いですが、
ちょっと最初まだオリジナルが続きます。

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