二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【とんがりボウシ×イナイレ】 魔法界へのトリップ ( No.17 )
日時: 2012/09/02 12:20
名前: メロンソーダ ◆cSJ90ZEm0g (ID: nWEjYf1F)



「人が寝てる目の前で大声出すの、やめてくれる?」

 マックス似の少年はそう言うと不機嫌そうに頭をかいた。口調やしぐさもマックスそっくりで、思わず本人の方もちら見してしまう。

「それは謝るよ。ごめん。でも、なんでこの雨の中寝てたんだよ」

「いやあ、朝方はそうでもなかったからね〜。気付かなかっただけだよ。うん」

 果たしてこいつに、「常識」というものが備わっているのだろうか。

「ところで、君たちこそ・・・誰?見かけない集団だね」

「お、俺たち?俺たちは・・・」

 言葉に詰まった様子の円堂を、風丸がフォローする。

「俺たちは、異世界から来たんだ。・・・多分」

「多分?」

「まあ、そういうことにしておいてくれよ」

「ふうん。ま、納得はしておくよ。そのうち分かるだろうし。ここは魔法界。魔法使いが住まう世界だ」

「ま・・・魔法界!?」

 この少年の説明は長かったので、かいつまんで説明し直すと・・・。
 この世界は、四つの大陸と八つの国から成り立っており、代々同じ一族がそれぞれの国を統治している。、俺たちが今いるここは「青の国」ことフェリシダ王国の北西に位置する、レーズンタウン。
 この町の学校は教育方法が魔法界一だとかいって、他国の王族がわざわざ通いに来るほどなのだという。

「んで、僕はクロード=エ・・・うーんと、普通にクロードって呼んでいいよ」

 金髪の少年・・・クロードは、そう言って微笑んだ。

 いつのまにか、雨がやんだ。

 始まりを告げるような、青い空がそこに広がっていた。

「雨やんだ。じゃあ、みんな僕についてきて。この町で一番偉い人に会わせてあげるよ」

「偉い人?」

「そう。とっても偉くて、偉大な人」

 俺たちは、黙ってクロードのあとを歩き始めた。

「あれ、クロード。誰だよそいつら」

 唐突に、どこからか声が聞こえてきた。

「異世界の人たちだよ〜」

「え、マジ?」

 そう言って姿を現したのは・・・。

「え・・・円堂?」

 風丸がぼそりとつぶやいた。
 そう、その青髪の少年は、円堂に瓜二つであった。