二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [イナイレ]-プリンスのDNA ( No.85 )
日時: 2012/08/27 12:18
名前: 優騎那 (ID: TsKpt4uU)

その日の部活、今年のフットボールフロンティアに向けていつもよりハードな練習がなされていた。

豪炎寺がディフェンスをかいくぐって円堂と一騎打ちになろうかというとき、オリビアがその道を塞いだ。

「媚射悶天(びしゃもんてん)」

長く絹のようになめらかな黒髪に、磁気を通した肌、火傷しそうな視線を放つ黒い目、うるうるの真っ赤なアヒル口のすげぇ美人の姿になった。
これは昨日夢に出てきた恋夏の姿であった。

「……///…!!」

普段の清廉なオリビアからは想像もつかないほどの攻撃的な色気に豪炎寺は試合中だということも忘れてしまうほどに見惚れた。

「お戯れはそこまでになさいませ」
「何!?」

気づけば、豪炎寺が心奪われているときにはすでにボールはオリビアに奪われていた。
オリビアは前線にループパスを出した。

「(オリビアが……あんな必殺技を使うなんて……今までになかったぞ……!)」

豪炎寺はかすかなオリビアの異変に気づき、疑念を抱いた。

自らが慕い、いつか抜いてみせると誓った選手の技は宗教がらみの名前でその名前通りの技だった。
しかし今のはどうだ。
名前こそ毘沙門天とかけているが、その技の内容はずいぶんとかけ離れたものだった。

「(朝の酒を飲んでないようなことがあったら、おれはあいつのために———)」