二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第九話 ( No.18 )
日時: 2012/09/12 20:13
名前: 時橋 翔也 (ID: 66F22OvM)


「…ん?なんだろ」
部室を掃除していると、海音はDVDを見つけた 『ホーリーロード決勝戦 雷門対木戸川清修』と書かれてる

見てみたいな…そう思い 海音はミーティング室に行った
丁度ここには大きなTVがあり、デッキもある
「…何してんだ?」
すると霧野が入ってくる
「先輩も見ませんか?」
「去年の決勝戦か…ああ 俺も見たい」

デッキにDVDを入れ、再生した
『さぁホーリーロード決勝戦! 残り時間わずか! 』
見ると 一年生の神童が手を上げた
そのとたん 黄色い線が表れ、パスを繋いでいく
そして シュートした
「ああ…負けちゃった」
海音は呟く
「久々に見たな 神のタクト」
霧野は言った
「神のタクト?」
「今 DVDで黄色い線が表れただろ?神童はああやって必殺タクティスを発動出来るんだ」
「へぇ〜…これも勝敗指示出たんですか?」
「いや 出てない だからこそ俺達は本気で戦ったんだ」

その時だった
「おーい二人とも!」
円堂がミーティング室に入ってきた
「ホーリーロードでの一回戦の相手が決まった 理事長室へ来てくれ」
「はい」

一回戦…どこだろ

——————

理事長室には皆が集まっていた 神童もいる
「雷門の一回戦は天河原に決まりました」
理事長は言った
天河原…
「2対0 雷門は一回戦で敗退です」
「…失礼します」
円堂を先頭に次々と廊下に出た

——————

「俺達3年最後のホーリーロードが初戦敗退なんて…」
三国は言った
「我慢してフィフスセクターに従ってきたのに…あんまりだド」
天城は言った
「…雪雨がシュート入れたからだ!」
キッと倉間は海音を睨む
「まぁシュートしたのはこいつだけじゃねーけど」
南沢は神童を見た

「おい二人とも止めろ!」
三国は言った
「事実だろ 久遠監督も、そのせいで辞めさせられた…神童は家柄が良いしな、内申書がどうなろうと問題ないんだろ?」
「俺は…っ!」
神童は声を上げる

「キャプテン!」
去っていく神童を見て海音は声を上げた
「南沢!」
三国は言った
「止めろ!争ってどうするんだ!」
円堂は言った
「…監督は今のルールを分かってない」
倉間は円堂を見た

「…言ったはずだ 勝つためのサッカーをやると!俺は指示には従わない 優勝を目指すぞ!」
「……ほう 指示を無視するんですか」
海音の後ろの剣城は言った
「いい加減に夢みたいなこと言うなよ!」
そう言って倉間は歩いていった

「…俺はサッカーが出来なくなるのはいやだ …監督にはついていけません」
三国も去っていった

とうとう海音と天馬と円堂の三人だけになる
「監督…どうするんですか?」
天馬は言った
「すまないな…二人とも皆の様子を見て来てくれるか?」
「はい」

二人は円堂と別れた
そして廊下を歩く
「…海音は監督についていく?」
「うん 天馬も?」
「もちろんだよ!」

すると向こうで円堂と神童が話しているのが見えた
「あれって…監督とキャプテン?」
天馬は言った
「そうだね」
そして監督と神童は向こうへ行ってしまった

なに…話してるんだろ

だが 真相は分からず、二人は別れてしまった

明日聞いてみよう

——————

部活が終わり、海音は病院に来ていた

直矢も元気そうだった

「はいコレ 頼んでたバスケの雑誌」
海音はそう言って買ってきた雑誌を直矢に渡す
「ああ ありがとう」
直矢は受け取り、早速読み始める

「バスケ好きなんだね」
「ああ お前がサッカーが好きなのと同じさ」
直矢は言った
「…今日ね キャプテンが監督と話してた」
「監督と?」
「うん …何だか気になる」
海音は言った

「そうだ …もうすぐ外出許可が出るから、バスケやらないか?近くの公園にゴールがあるだろ」
「いいね やろう!…じゃあ友達も呼んでいい?」
「ああ」

直矢とのバスケか…久々だな…

——————

病院を出て 商店街を歩いていた時だった
「あれ…?」
向こうに剣城が見えた 何してんだろ

よく見ると花を買っていた あれは カーネーション?
「………」
剣城に花って…合うとは言えない組み合わせに海音は笑いそうになる

そして向こうへ歩き出した 気になった海音はこっそり後をつけてみた

歩いていくごとに疑問が出てくる 剣城が向かっているのはどうやら墓地のようだ カーネーションを買っていた所から予想してたけど

見えてきたのは、稲妻墓地だった 沢山の墓があり、肝試しには最適だ

迷う事なく剣城はある一つの墓に行った 小さい墓で『黒並 尚』と書かれている
「………」
剣城は墓の前にカーネーションを置いた その顔はすごい罪悪感が滲み出ているように見える

「剣城…?」
海音がそう言うと、剣城は海音を見た
「海音?…お前つけてきたのか?!」
「うん」
海音は素直に頷く
「それ…誰の墓?」
「…別に」
剣城は顔を反らす
「そう言えばさ、…何でボクだけ下の名前なの?他の人は名字なのに」
「…雪雨と呼んでほしいか?」
「ううん むしろ海音の方がいいけど…何でかなって思って」
海音は言った
すると剣城はため息をつく
「…似てるんだ アイツに」
「アイツ?」
「もういいだろ…じゃあな」
そう言って剣城は海音の横をすれ違って帰っていった

アイツって…

「気になるな〜」
海音は呟く