二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 小説協会〜合作という名の交流〜 ( No.3 )
日時: 2012/11/17 19:17
名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: GdmQ73Y8)
参照: さようなら、最低な僕よ。



 BLEACHの二次創作を以前から書きたく思っていたので書きます。
 もしかしたら、これを機にスレつくるかもしれない←

 『死神と少年』BLEACH
 
 
 僕が見た世界は昏かった。闇だった。何もなく、ただの闇。光が差すこともなかった。其処で僕は横たわっている。死にそうだった。
 「誰か……助けて……」
 
 
 
 
 
 
 
 
 闇から僕を、開放してくれ。

 

 
 
 
 
 
 ————チカラが、欲しいか? 誰もが認める、「死神」になりたくはないか、小僧よ。
 
 
 
 
 
 
 「誰……?」
 
 
 
 

 僕の目の前に突如現れたのは大きな鳥。いや、鳥とは呼べなかった。体は人間なのだから。大きい漆黒の翼。体、顔のパーツは僕らと同じだった。切れ長の瞳、痩躯の男。人面鳥……と言うものなのだろうか。まず、そんな生き物がいるのかも解らないし、見たことも聞いたこともないけど。
 「ねぇ、死神って何? 君はなんなの? ねぇ、僕を助けて!」
 僕は得体も知れないこの男にすがっていた。何故かは解らない。けど、この男にすがらないともう僕は、死んでしまいそうな気がした。その男はこう答えた。
 「死神はお前を王へと導いてくれる存在だ。お前は選ばれしモノ。この、烏様を扱えるのだからな——!」
 男はみるみるうちに、人間というカタチを失っていく。そして、一つの刀へと形を変える。僕は目を見開いた。こんな事があるなんて……。
 烏、と言ったこの男は一体何者なのだろうか。そんなことを考えていると細身の漆黒の刀から声がする。その声は先程の男の声と同じものだった。低い、声。
 「俺は斬魄刀ザンパクトウ。死神だけが持てる刀だ。お前の魂から生まれる刀——。俺様もお前の魂から生まれたのだ。
  さあ、俺を使え!」
 斬魄刀の刃が僕に向く。僕は斬魄刀の柄を掴む。それを、胸へと突き刺した。頭を割る様な痛みが、僕を襲う。だが、不思議と嬉しかった。どうしようもない、笑いが込み上げてくる。
 「これから、どうなるの僕……?」 
 「王になるだけだ。行くぞ、黒騎クロキ
 僕は斬魄刀を胸から抜く。血が僕の服と地面を汚した。だが、その傷はみるみるうちに消えていく。それと同時に痛みも消えていく。僕は烏を手に光の方へ、歩く。烏の出会うまで無かった出口が見えている。
 外は閑散としていた。木々しかなく、静かな夜。
 一歩、歩く。その道は黒く、血塗られた道……。
 それでも、王という存在になる為、僕は歩く。
 



   
 

 
 
 
 
  end