二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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バスターズ 幻想の王 第十六話更新 コメして下さい!!!
日時: 2011/01/03 20:45
名前: 哭辿 (ID: OK7TThtZ)

どの小説も終る気配無いのに新作を執筆し始める馬鹿です。
取敢えずクリックして下さった方々は有難う御座います。


物語の舞台について………
ダイの大冒険で名を馳せた方達の第二作が元です。
数百年前魔人と呼ばれる人種達との長い戦いにビィト戦士団と言う者達の手により終止符が討たれます。
是はその後の物語。
魔人達は姿をより人間に近づけまたもや人間達を支配する為に地上に現れるのでした………
それらを防ぐために一時は廃止されていたヴァンデルバスター制度が復活。
そのバスターの1人が物語の主人公です。

各種設定

〜バスター

魔人の脅威に対抗する術を手にした戦士たちの総称。
彼等は正義のため,または金銭のため,戦いを求める渇きのため個々の理由で
魔人とその使いである魔物達と日夜戦う存在である。
元々のルーツは天撃の力を悪事に使う盗賊達からとされている。
尚,普通の人間にも天撃を撃つ力,天力は人間にも備わっているが
殆どの人間は其の力の引き出し方を自分では学ぶことが出来ない。
だから大概はバスターになる前にバスターを目指す人間は
出来る限り心身を鍛え知識を溜める。
そしてバスター協会の認定施設であるハウスの門戸を叩き
焼印による継承を行い天力を操る力をある程度覚醒させる。

〜魔人

地下世界で生ける闇の住人達。
地上を跋扈する人間を滅ぼし地上を手に入れ人口爆発による魔人の同士撃ちを避けようと
地上に這い上がり戦おうとする存在達を人間達は主に魔人と呼ぶ。
因みに魔人とは人がつけた総称ではなく元々魔人が名乗った物だ。
現代ではより人間的な姿をしており明確には無かった男女という性別が確立している。
元々,人間より遥かに強靭な肉体を持ち個々が戦闘の天才なのか人間は儀式が必要になる
天撃の使用を彼等は生まれ持ってみな最初から冥力と言う魔の形で使用できる。
また,五大属性闇・炎・雷・水・風夫々に独立した国家郡を形成している。

〜バスター同盟

人間世界の中心にしてバスターの聖地ヴぇルノカルノに総本山を置く人間たちの希望。
バスターと言う力ある存在を暴走させない事,正義を旨として行動している。
最終目標は魔人の根絶。

〜天撃・冥撃

天撃は火・水・雷・風・光の五大要素
冥撃は火・水・雷・風・闇の五大要素

天撃は人間の武器で大気中にある要素と自らの体の中に流れる天の力を使った攻撃。
冥撃は魔人の武器で遥か地下深くにある魔人界に流れる力を駆使した攻撃手段です。
両者とも下位攻撃と上位攻撃に別れ上位攻撃は山をも砕くほど。
夫々,個人により得意属性がある。

〜才牙・魔才牙

バスター・魔人の最高戦闘手段。
天撃・冥撃を極めた先に有り大体は得意属性の天撃・冥撃から発生する。
尚,魔人は以前の大戦ではこの手段を持たなかった。
魔人とバスターが互角に戦うためには才牙が最低限必要であるとされる。

〜レベル・星

どちらもランクを表す物。
バスターの場合レベル(最大100)で魔人の場合星で(最大8つ)である。
双方ともレベルアップすると同時に天撃・冥撃を撃つ力……天力・冥力が上がる。
魔人の方が段階の上がりには苦労し上がり幅も尋常ではない。

〜お客様〜
ねこうさぎ様 オスカル様・獣好き様・レッド様・夢様

以上,5名のお客様が覗いてくださいました^^
本当に有難う御座います!!

〜目次〜
>>0:基本設定について・注意事項等
>>3:キャラクタ紹介
>>4:プロローグ0
>>5:第一章 プロローグ
>>6:第一章第一話更新
>>7:第一章第二話更新
>>9:第一章第三話更新
>>12:第一章第四話更新
>>16:第一章第五話更新
>>21:第一章第六話更新
>>25:第一章第七話更新
>>28:第一章第八話更新
>>30:第一章第九話更新
>>32:第一章第十話更新
>>34:第一章第十一話更新
>>36:第一章第十二話更新
>>38:第一章第十三話更新
>>40:第一章第十四話更新
>>42:第一章第十五話更新
>>46:大一章第十六話更新


〜注意事項〜
・更新は遅々としています。ご了承下さい。
・原作が嫌いだという方・私が嫌いだと言う方はご遠慮願います。
・オリジナル設定の宝庫です。苦手な方はご遠慮願います。
・グロ・エロ要素が多々入ります。苦手な方はご遠慮願います!!

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Re: バスターズ 幻想の王 第六話更新 コメしてえぇぇぇぇ!! ( No.27 )
日時: 2010/09/30 07:38
名前: オスカル (ID: FCLyGM6a)

またきました。

凄い防御力ですねランラシャ…才牙を開放したからといって勝てるのか不安ですが……
フルニールとアーサーには頑張って欲しいです!!

其れと,才牙を出すときの二人の掛け声格好良いですね!
そう言えばプロローグ読みましたが…フィリップの何と格好良いこと!
それとさり気にビィト戦士団の事が話題になっていて思わず笑ってしまいました……

其れと同時に…涙が…ビィト復活を望む!!

Re: バスターズ 幻想の王 第六話更新 コメしてえぇぇぇぇ!! ( No.28 )
日時: 2010/10/05 15:42
名前: 風 (ID: DWQXiJ/7)

コメント下さった方々本当にありがとう御座います!

レッドへ
僕の小説が一杯出てきて?
いや…あぁ,Dグレってキーワードで検索したの??
それとも秋空…?
ラビファンは熱烈な人が多いなぁ★

オスカル様へ
幾らでも着て下さい^^
そうですねぇ…頑張ってくれとエールを送って貰えると嬉しい!
はははっ,色々とビィト復活求むって感じです!


ヴァンデルバスター
幻想の王


第一章:桜舞う国で
第八話「絶望の逃走 Part8(才牙)」



ランラシャと2人は向き合い距離を取り合う。
ランラシャは先ず冥獄の雷弾で様子見をする。其れに対してフルニールは才牙のヨーヨーで其れを弾く。

バチィ…

「埒が明かないわね…面倒くさぁ,ねぇ…アーサー!あたし,先鋒出るわよ?」

「分った…援護は任せろ」


2人は線対称にランラシャを囲みながら周りすれ違い際に会話する。
先鋒を任された彼女の方が男の方より攻撃力に優れると判断したランラシャは
オールバックの凄味のある男アーサーを黙殺し彼女の相手に集中する。

「行くわよ!!」


ブォン…
「そんな,単発が当るかよぉ?」
シャッ…



                         ズガアァン————大岩が砕けル


それ程,反応速度の速い訳でもないランラシャでも容易く回避出来る彼女の攻撃。
ヨーヨーは武器としては攻撃範囲が狭く狙いをつけ辛く風を纏って範囲を稼いでいる訳でもない。
才牙の能力に多少の期待をしていたランラシャは興ざめだと不貞腐れる。
然し,その瞬間,ヨーヨーが後ろの岩に当り岩が跡形も無く粉砕される。
質量速度とは違う威力…天力による回転力を認めランラシャはニヤリと笑う。


「どしたぁ?」
「いやぁ,認識を改めないとなって…」

プチン…
「たりまえでしょう!!」

ブォッ


フルニールの問いに軽く嘯く様に男は言う。
その男に対して感情を高ぶらせる様な風情で彼女はもう片方のヨーヨーを投げる。
ランラシャはヨーヨーの意図が途切れるプチンと言う音を聞き油断が有った。
後ろからの攻撃が無いものと思い侮蔑した表情で大きく回避する。


バッ___
「ヒャッハアァァァ!!攻撃のチャンス…」

クン…



                             ____ウィンドハーフウィップ!


ガッ…


「なっ…!?」

グラァ…
「おらぁ!」



ゴガシャアァァァン!!!



油断していたランラシャはもう一方の腕の動きを見ては居なかった。
否,見ていても無駄な事をしているだけだと侮っただろう。
然し現実は違った。糸等切れてはおらずその糸により足を絡められ彼は横転しそうになる。
其処に半ばカウンター気味に先ほど放ったヨーヨーが戻ってくる。
高等部に直撃する。


ドザァ…

「何故だ…確かに切れた筈?」


はぁはぁと息を切らせながら頭を抑え流石に鈍痛が響き渡ったのか痛そうに彼は問う。

「あぁ,あれ……馬鹿だねぇ,才牙は唯の武器じゃ無いんだよ…糸と糸を繋ぎぎ合せるなんて簡単さ」
「成程…畜生」
ムクッ

ギュルンギュルン


フルニールの答えにランラシャは納得して痛みも取れたと立上る。
損傷は全く無く殆どダメージは無いと言って良い。ランラシャは顔を覆いながら言う。
—「何故,水とか風とか弱い奴なんだ…炎や雷とやりあいたかった」—
彼女はそれが堪らなく腹立たしく舌打ちして両方のヨーヨーを高速回転させる。
風が撒き上がり圧縮されていく感覚が生まれる。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「風が弱いですって………そりゃぁ,思い込みでしょう!」
『何だ……体が?』



                         ___奥義《フォビドムグラビドォン!!!》



ズン!

ガグゥン…


「なっ!?」


彼女はランラシャを中心に半径十メートル程度の空気を自らの才牙で圧縮し
重力として圧し掛からせる。圧倒的な重圧にランラシャは耐え兼ね地面に叩き付けられる。
硬いからだの性で余計重みに悲鳴が上がりミシミシとうなる。
彼女の才牙の奥義,風の重量で相手を押し潰すフォビドムグラビドォンだ。
彼女はゴミでも見るような冷たい顔でランラシャを見る。



ドドドドドドドド

「どっかな?風…弱いかな…」
そう良いながら重量に一方のヨーヨーを逆らわせ天空へと移動させ急降下させる。




「重量の放流を受けたヨーヨーは着地までに通常の何千倍の衝撃を生み…」




                          ———爆ぜル____グランボム!!


ドオォン


その衝撃に大地が捲れランラシャが大きく呻く。


「どっかな?」
「___認めるぜ。あんたが今までの風使いとは違うと……でもよ」
「何?」


「俺だってまだまだだぜ…」



バチバチ


『まさかこの体勢で!?』


過大な重力の成せる攻撃に喘ぎながらランラシャは不適に笑い体から電流を発した。
その電流は竜のようにうねり見る見る肥大して行く。そして……ランラシャが雄たけびを上げる。




「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」



カッ




                            ___雷王竜ノ嵐!



冥撃の最高峰…雷の上位冥撃の最高峰が体全体から迸った。
其れに対し彼女は余り同様はしなかった。まさか,此処まで自分の技が通じず
天津さえ強力な反撃が来るとは思っていなかったが…寧ろ反撃は強力な方が良いのが事実だ。



何せ,アーサーの才牙は相手の攻撃を包み込み武器とするのだ。



「雷が好みだったか?」

先ほどまで目立たなかった…後ろに退避していた男の低い声が響く。
避雷針に向う雷の如くにアーサーの剣にランラシャの意思を反映するはずの攻撃は向かい
吸い込まれて行く。ランラシャはこんな才牙を見た事が無い。
人夫々才牙の能力は違うがこんな発想は考えた事も無く慄然とする。



パチパチ___


僅かにランラシャの冥撃の放流がリヴァイアサンから漏れる。
其れを見たアーサーは満足そうに言う。


「良い攻撃をありがとう…お陰で良いお返しが出来そうだ」



バチバチ


次第に剣の発する光りは光沢を増して行き巨大な怪物のシルエットを作る。



『一角の馬………』


そう,ランラシャが伝説の生物を脳内に思い浮かべた瞬間その雷の馬は地面を駆ける。
アーサーの剣を指揮棒にして…



パカッパカッ


「うっウワあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



                              奥義___《ヴァルパジア》





バチバチバチバチ!!


強大な電気の放流が天を焦すほどに逆巻きランラシャの咆哮を包み込む。
その間に,フルニールはフォビドムグラビドォンを解き自らの天力を極限まで圧縮する。



カッ



「止めだあぁぁぁぁぁぁぁ!!青天の風楼砲!!!」






                                ズガアァン!!!




翠の鳥のような天撃がランラシャの居る場所に向けて飛来した。




                                 ∞END∞


NEXT⇒第一章 第九話「絶望の逃走 Part9(現実を見ろ Part2)」

Re: バスターズ 幻想の王 第八話更新 コメしてえぇぇぇぇ!! ( No.30 )
日時: 2010/10/13 09:52
名前: 風 (ID: OK7TThtZ)

ヴァンデルバスター
幻想の王


第一章:桜舞う国で
第九話「絶望の逃走 Part9(現実を見ろ Part2)」


強烈な天撃の奔流が空を焦がす。
群生するように散在していた雲達が風により棚引いた霧の如く蒸発し消え去る。

「アーサーさん達が才牙を…」
「急いだ方が良さそうだな」

手強い敵と遭遇し助けを求めているのだろうと察したシュバルツは小さく呟き歩幅を大きくする。
それに対してダイッチも歩幅を大きくして懸命に歩んだ道を教えるように先導する。


___一方,フルニール及びアーサーは…


ゴゴゴゴゴゴ


濛々と広がる粉塵の中から現れるだろう存在にそなへまだ臨戦態勢だ。

「緩めるなよ?」
「油断してて死ぬとか戦士として有り得ないわ」


そう,アーサーの言葉に反応してフルニールは首肯する。
然し,永遠に心の力…人間には余る力である才牙を出していられるはずが無い。
才牙の力は有限で強大な力と引き換えに短い時間しか出せないという欠点がある。
その短い時間の間にどの様に技を繰り出すか連携するかが討伐の肝だ。


「____反応無いわね?」
「あぁ,小言の1つも聞えない……」


二人は訝る様に後退りしながら少し緊張の糸をほぐそうとする。
張り詰め過ぎていても長時間は戦えない。手強い相手なら持久戦になる可能性はある。
その瞬間だった。行き成り粉塵が吹き飛ばされ金色に輝く彼が現れたのは…



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



                        彼の肩ニ雷を象った紋章ガ浮かび上ガル____

「王族の紋様か」


其れを見てアーサーは瞬時に言う。
是までにも何度か遭遇した事のある存在だ。
それらは特殊で魔人達の世界の夫々五属性で別けられたテリトリーの中の
王者達の血を引く存在を表す。詰りは総じて強い。


シュバルツ達が到着したのはランラシャが本気になった時の事だった。
シュバルツは其処に渦巻く空気と圧倒的存在感の戦士たちに威圧され後退りする。

ズリッ

『此処に居てこの殺気か!?」
「速く!何やってるの…行くよ!」

ガシッ



実力を測れず逸るダイッチの進めと言う手信号を無視し手首を掴み彼は言う。


「逃げるぞ」
「そんな!二人を置いて!!」


「あの二人の目を見ろ……相打ってでも奴を倒す意思だ。
相打ってお前を逃して新たな力の生まれる時を信じる目だ」
「そんな…」


ダイッチは口篭る。
だが,確かに翌々見れば彼等は自分の助けを必要としているようには見えない。
今までの状況からも…
だが,だからと言ってそうですかと逃げされるか。


「俺達が立ち向かってなんになる?唯の足手纏いだ!!
加勢した所で死人が増えるだけだ!」
「そんな…」

「あの二人の盾になると言う意思を尊重して此処は逃げるべきだ…」
「僕は逃げない為に…」


異様なほどに戸惑うダイッチ。
恐らくは彼等の間に並々ならぬ感情があるのだろう。
相当な長い付き合いかも知れない。ちょっとした癖や嗜好まで分り意思疎通で着て居るのかも知れない。
然し,どんなに感情が先行しても無謀は無謀だ。堪えねばならない時がある。



「逃げる事は端ではない」
「え?」


「自分の実力も知らずに戦い命を失い大切な者を苦しませる事こそ端だ」
「シュバルツ君?」


「復讐は出来る……恐らく二人は奴に勝てない事を悟っている。」
「そんな……」

「俺達は今必死に逃げて生延びて力を溜めて二人の仇を討つ義務がある」
「義務…」



                          〜逃げる事は端ではない〜


其処から全て一連のシュバルツの言葉は師匠の言葉だ。
宥める様に現実の厳しさを示唆しながら好機は有るのだと先を見越して言う。
そして,今は逃げてもこの先その清算をするのだと諭す。
ダイッチは歩みを緩める。シュバルツの凛とした瞳にダイッチはその通りだと感じる。


「分った……今は耐え忍ぶ時だ」
「その通りだ……現実を見ろ!冷静に分析しろ……そして,自分の力量を測れ」


「現実を見ろ……現実を…!!」
「そして,その中で一縷の希望を願え!アーサー達は生延びると!」


二人は走り出す。
今後の未来を……生きる為に。
だが,シュバルツの目は其れとは違った哀愁に満ちた色をしていた。
彼にとってダイッチも彼等も少し対面して少し話した程度の関係…
何処で野垂れ死にしようがそれ程気に留めるほどの関係ではない。
本当は唯____





                              ∞END∞


NEXT⇒第一章 第十話「絶望の逃走 Part10(結末)」

Re: バスターズ 幻想の王 第九話更新 コメしてえぇぇぇぇ!! ( No.31 )
日時: 2010/10/05 18:11
名前: オスカル (ID: ZfyRgElQ)

前半凄まじいまでの上位天撃の嵐と奥儀の連打に心踊りました!
フルニールも意外なほどにトリッキーな戦い方でかつ攻撃力も高く凄いですね!!
アーサーの敵の力を利用すると言うのは良く考えたなと(苦笑←クルスのシールドもかvv

そして,それでも全く破れる気配を見せないランラシャの脅威!
胸躍ります!彼は今後どうなるのか…

シュバルツの本意……何だか分る気がしますが,シュバルツの言う事は筋が通ってますね!
復讐は出来ると言うのは名ゼリフだと思いました!

Re: バスターズ 幻想の王 第九話更新 コメしてえぇぇぇぇ!! ( No.32 )
日時: 2010/10/29 17:48
名前: 風 (ID: FCLyGM6a)

オスカル様へ
何時もコメント下さって有難う御座います^^
私自身書いててノリノリでしたよ♪
名台詞などと言われると凄く嬉しいです!!!



ヴァンデルバスター
幻想の王


第一章:桜舞う国で
第十話「絶望の逃走 Part10(結末)」


シュバルツ達がアーサー達の戦場から立ち退いて十分が過ぎていた。
尚もフルニール及びアーサーと魔人ランラシャの戦いは続いていた。
双方とも力の源泉たる天力と冥力を殆ど使い切り力と力の戦いだ。
正直な話ランラシャに分が有った。魔人と人間では元々根本的に身体能力が違う。
一流バスター二人掛とて魔人の上位一人の戦闘能力には遠く及ばない。


ズザァ…
「そろそろ,結構行ったんじゃないの?」
「そうだな…だが,もう少し稼がねば……ならん」


シュバルツを連れたダイッチがこの戦場の丘の上に現れシュバルツと一悶着したのは彼らは知っていた。
若いだけの実力が高くなるかどうかも不確かな子供を
なぜ此処まで庇い立てするとランラシャは怪訝そうに眉根を潜めながら
二人の隙をついて残り少ない冥力で得意冥撃の雷の冥撃…雷冥の蛇を放つ。
地中を這う鋭い突起状になった物理的攻撃力を持つ雷が襲う。



ドスゥ…


「かはぁっ!」
「フルニール!!」


ドッ

それはフルニールに命中し彼女の腹部を貫通する。
彼女は腹を押え倒れこみ喘ぐ。


「全く,何であんな奴の為に…」
「貴様には分らんさ…フルニール,立てるか?」


「ばっかじゃないの!?こんな位で死んでるようならあたしもうとっくに存在しないよ?」

ハァハァ


ランラシャの質問ににべも無く彼は答えフルニールを介抱する。
その間,ランラシャは唯,無言で見ているだけだった。
アーサーの問いに彼女は軽く嘯く。
決して傷は浅くない筈だがこれ以上の傷を負ったことは彼女は幾らも有るのも事実だった。
彼女が頼もしいのか…女が男より遥かに生命力的に高いのか或いは両方か
状況はそんな事を考える事を許さない筈だが考えてしまう。


「行けるか?」
「行くわよ………お腹の中の赤ちゃん死んじゃったのがショックだけど…
既に生まれて戦士を志した者の命には代えられない」

「そうか——————————」



フルニールの強い瞳にアーサーは心底彼女をパートナーにして良かったと思う。
貫通された腹部の位置から至急付近若しくは子宮…悪くすれば胎児の体にも損傷があるだろう。
彼女の言葉は酷く現実的で胸に刺さる。
然し,生まれてきた若い世代を護る為一緒に奮起しているのもまた事実だ。



「お前等,いったい何なんだ!?お前等人間なんて所詮は利己的な欲望の塊だろうが!!
さっさと逃げれば良いだろうが………格好つけてんじゃねぇよ…気持ち悪ぃ!!」


バッ…

「黙れ」「黙りなさい!」






             ————————《人間嘗メルナアァ!!!》————————



ランラシャの物言いを全て覆い隠すような声で二人は吼えた。
そして,猛然と向かって行った………戦いの結末はランラシャと彼等しか知らないだろう。


====================


シュバルツとダイッチは数時間かけて迂回路を歩きハーケンドールのヴァスター協会に到着していた。
其処にはあの時すれ違った大男も居た。どうやらダイッチの知り合いのようだとシュバルツは知る。


「何者だあいつ?」
「アーサー戦士団の雷使い…ドラゴ・ブレードさんです」
「成程知り合いか」


シュバルツの問いに彼は答えシュバルツは納得する。するとそのドラゴが歩み寄ってくる。


「ダイッチ,他の二人は?」
「____途中で魔人に遭遇して………」


ダイッチの苦々しい表情を見てドラゴは冷然と言う。


「気に持つな…あいつ等はお前の為に命をかけることを決めていた」


ドラゴは彼等との思い出の全てを思い出すようにして言った。
ダイッチは「でも」と言及する。其れに対してドラゴは言う。


「………全員共倒れになるよりは余程良かっただろう?
それにアーサー達が死んだとも限らんのだ」


魔人とアーサー達の戦力差は明白だった。
その様な言葉は気休めにもならないとダイッチは思った。
一方,俯く彼を他所にドラゴはシュバルツに目をやる。

「君が,動揺したダイッチを此処まで引き摺って来た…違うか?」
「そうだが…」


「礼を言う……所でひとつ提案が有る。お前,俺達の戦士団に入ってみないか?」
「一人よりは効率的だ」

今回の件で後ろめたい事もある。
恐らくこの豪放で細緻な事に気を留め無そうな見た目の巨漢は予想以上に思慮深い。
多分,シュバルツ自身の中にある薄暗い後ろめたさや損得勘定を見抜いたのだろう。
シュバルツは清算のためにもと重い腰を上げる。


「……リーダーは君にやって貰いたい」
「何故?」


「俺より君の方がリーダーに向いてそうだ」




                    何故だ?そウ思ったガ無言デ彼は頷く_____



上に立つ事は面倒が増える。
彼としてはやりたくは無いが彼の様な高い見識と実戦経験・実力があるのに
事実此処では圧倒的な実力なのにリーダーを自らに受け渡すと言うのは何かがあるのだ。
彼はそれ以上言及せずその言葉に頷いた。



ダン…

「何じゃ?お早いお帰りじゃったのう?」
「少々事情が変わった…」

「後ろの二人は…」



                       戦士団登録に来タ—————





「何と!?して何戦士団と……リーダーは!?」

シュバルツの普段からは想像も出来ない言動に老女は驚き口早に喋る。
シュバルツは少し抑揚をつけて言う。





                   〜シュバルツ戦士団だ〜




と〜…………


何処と無くその様を見るハウスの主は嬉しそうな表情だった。


                              ∞END∞



NEXT⇒第十一話「告白」へ


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