二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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とある魔術と科学の二重奏
日時: 2010/11/09 21:10
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

こんばんは、泉海斗です。
これはとある魔術と科学の十字路の外伝的な作品です。舞台は学園都市で、おもに科学側の話を書いていきたいと思います。闇の書と光の書によって生まれた歪みが関係してくる話になると思います。
いろいろありますが、最後までお付き合いしてくれれば嬉しいです。
たくさんの閲覧・コメント待ってます。
明日の朝から投稿開始しますのでお楽しみに??
では!!

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Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.21 )
日時: 2010/11/23 12:30
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

車を飛ばす中、一方通行は冥土返しに電話越しに怒鳴っていた。
どうやら病院にいた妹たちも同じような状態となり、今は意識を失っているようだ。
しかし唯一御坂10032号のみがかろうじて自我を保っているとのことだ。
それが何故だかは分からないという冥土返し。
しかしもしかすると言うことだが、彼女にはネットワーク以上に彼女自身の自我を確立しつつあるのではないかというのだ。
彼女だけのパーソナリティ。
オリジナルである御坂美琴のパーソナリティをトレースしてもたどり着かなかったレベル5.
もしかしたら彼女は自身の力でたどり着けるかも知れないというのが彼の見解だった。
しかしそんなことは一方通子にとってどうでも良かった。
今は彼女を救いたい、ただそれだけだった。
「今からそっちへイク。準備してマッテロ」
部ちっと携帯を切って、ひざの上で眠っている打ち止めの髪をなでてやる。
さらりとした柔らかい感触が一方通行の手に感じた。
何故こんな小さな女の子ばかりが辛い目にあわなければいけないのだろうと思う。
自分がその辛さを肩代わりできればどれだけいいだろうかと何度も思った。
しかしいつも気丈に振舞う打ち止め。
その笑顔の裏にはどんな表情があるのだろうか。
知りたくても知るのが怖い。
だから一方通行は恥ずかしくも、彼女に思いを伝えられないでいた。
はたから見れば幼女好き。
しかしそれがどうだというのだろうか。
守りたい人がいるから彼は強くあり続ける。
それはあの少年たちと同じだった。
必ず助ける。
そう彼女に呟くように言い、真っ暗な夜空の下を車が走っていった。

Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.22 )
日時: 2010/11/24 01:03
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

御坂美琴は目を覚ました。
窓から差し込む日差しに思わず目を細めてしまう。
確か昨日は研究所で眠ってしまったはずだと思ったのだがここは明らかに研究所ではなかった。
美琴が眠っていたのはふかふかのベッドの上だった。
隣にはもの気のからとなったもう一つのベッドがあった。
「これは・・・もしかして」
一気に顔が暑くなるのが分かった。
ガチャリと戸が開くとそこにはバスローブに身を包んだ男性・・・大人の上条当麻が立っていた。
髪を洗ってもそのツンツン頭は変わらないという不思議な状態。
「おはよう美琴、よく眠れたか??」
「おはようってこれはどいうこと??私たち研究所で寝てたはずじゃない」
苦笑いする上条。
「それが、起きたら女の子をこんなところで寝かせておくわけには行かないなって気がして・・・ついやっちゃったぜ」
「やっちゃったぜじゃないでしょ!!何かっこつけてるのよあんた!!」
どうやら上条が起きたときにはすっかり朝になりかけていたそうだ。
しかしここでは寝違えるかもしれないと思い、ホテルまでひとっとびだったらしい。
みられたら大変なことになるじゃないと叫ぶ美琴だが、大丈夫だと宥める上条。
上条は右手を見せて、それに関する幻想を破壊すれば何とかなるというのだ。
相変わらず販促的な能力だという美琴に苦笑いしかできない上条。
食事をとりに行く時間だが、その前にシャワーでも浴びたらどうだと言われ、美琴はそれに従ってシャワー室に入っていった。
「今日から大変になりそうだな、そこにいるんだろ??京介」
「ばれてたか」
窓際に立つ少年が姿を現した。
ここは9階だというのに、恐怖一つなくたっていた。
とはいえ少年の背中からは紅蓮に燃える炎の羽が生えていた。
「昨日はすまなかった。まさかやつが関わっているとは思わなかった。これは言い訳か」
表情に曇りがある。
どうやら相当思いつめているようだった。
京介自身も今回の件に巻き込まれた被害者なのだ。
しかし未来とはいえ、上条の娘をあっさりと敵側に明け渡してしまった自分の浅はかさを呪っていた。
「確かにお前がやったことを簡単には許すことはできない。それが父親というものだ」
小さく頷く。
「でもこれからは友達として手伝ってもらう。それでちゃらだ」
はっと上条を見る京介。
「友達・・・??どういうことだ。俺はお前と友達になった覚えはない」
「俺じゃなくても、この時代の俺とは友達だろ??」
「何言ってる。俺はお前をただ便利な戦力としてしか見ていない。あのときの戦いでもそうだ」
「そうだったのか??未来では結構楽しくやってるんだがな。この時代の俺は思い込んでただけだったのか??」
少し悲しそうな顔になる上条。
未来の自分たちの関係がそうなるまでに何があったのかは知らない。
しかし何かきっけかがあるのは間違いなかった。
「それならこれから友達になってくれないか??ただの戦力だなんて悲しすぎるだろう??」
「だがそれは事実じゃないのか??」
「それでもだ。そんなギツギツした縛られたような関係は嫌だろ??友達だったらある程度は自由もあるしな」
少し考える夜中鬼なる京介。
しかし真剣な上条の目に最後は仕方ないと折れたようだ。
少しは努力してみると言い残し、紅蓮の双翼を羽ばたかせて消えていった。
それと同時に美琴がシャワー室から出てきた。
誰かとしゃべっていたのかと聞いてきたが、なんでもないといっておいた。

Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.23 )
日時: 2010/11/25 08:20
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

食事を終えた上上と美琴は第177学区の風紀委員の拠点事務所に来ていた。
そこにはすでに白井、初春、佐天がやってきていた。
白井はというと、昨日まったく美琴と連絡が取れなかったことを上条が何かをやらかしたと見て、尋問していた。
上条はお前の考えているようなことはしていない。したら浮気になるときっぱりといっていた。
愛されてますねーとニヤニヤとしながら佐天が言うと、美琴は顔を真っ赤にする。
まあ、愛されているのは未来の自分なのだがと少し悲しくもあった。
パソコンを打つ初春。
大きなモニターには次々と学園と始終の監視カメラの映像が映し出されていた。
この許可を取り終えてくれたのは現在巡回に行っている固法だった。
あとで礼言っておかなきゃなと上条は映像を見ながら言う。
「それにしてもあの女がまた敵として表れるとは思っても見ませんでしたの」
「そうですね・・・てっきりまだ収容所にいるものだと思ってたんですがね」
「あの時は佐天さんが機械を破壊してくれたから助かったけど」
「私も今ではレベル3ですからね。あのときの自分がなんだか輝いて見えます」
2年前の幻想御手事件とポルターガイスト事件のことを思い出す4人。
上条はそれについてはまったく知らず、とはいえ未来の上条は美琴からあらかた聞いているので理解はできるのだが。
「それにして一体何の実験をしようとしているのでしょう・・・」
初春が思いつめた表情で言う。
皆うすうす感じていたこと・・・レベル6開発計画。
かつてはたくさんの子供の演算能力を使って完成させようかとしたが、それを阻止するのに成功した。
今回連れ去られたのは上条の娘たち。
普通の学生にはない力を持つ彼女たち、皆はすでにレベル5であり申し分のない力を持っている。対照的にありえない力を持つカナダが、上上同様にレベル0と判断されているらしい。
しかし能力自体はすでにレベル5をはるかに凌駕するもの。
そんな力が簡単に使えるようになれば大変なことになる。
もしかするとその力の正体を暴くためと、抽出が目的なのではないかというのだ。
そうなれば彼女たちはどうなるのだろうか。
考えただけでぞっとする。
まさにモルモット扱いだった。
「そんなことは絶対にさせない・・・」
爪が食い込むほど握り締められた右手。
上条の父親としての顔が現れていた。
ああ、やっぱり彼はいつになっても変わらないのだなと思う美琴。
誰かのために全力で何かに立ち向かう姿をいつも見てきた。
そんな彼だからこそたくさんの人が集まってくるのだろう。
「初春、やつらの足取りを何とかして見つけてくれ」
上条の頼みに頷き、さらに打ち込むスピードが速くなる。
美琴自身、次は必ずと誓いを立てていた。

Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.24 )
日時: 2010/11/26 08:18
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

「これでも飲みなさい。あと少し横になったほうがいいんじゃない??」
芳川が心配そうに一方通行に缶コーヒーを渡す。
受け取るとゆっくりと口に運ぶ。
いつもの味だがなぜか味気ない。
きっと傍にあの子がいないからだと感じていた。
「打ち止も災難ね・・・。また何かに巻き込まれちゃって。せっかく治ったと思ったのに・・・」
治ったというのは2年前にロシアまで言って一方通行が自らを犠牲にしてまで助けたことだった。
帰ったあとは本当に地獄だった。
ベクトルで感覚を失わせることはできないために猛烈な痛みを四六時中感じていなければいけなかった。
しかしこれもあのこのためならくすぐったいものだと言い聞かせて何とか乗り越えたのだ。
今特別治療室には特殊な培養液に入れられた打ち止めがいる。
原因はまったくつかめず、一応の延命処置だけだった。
御坂妹もまたふらふらとどこかへと出て行ってしまい、今は隣に芳川がいるだけだった。
「あいつは・・・クソガキはしにはシネェンだな??」
「ええ、ただ意識がないだけよ。それにしても何が起きてるのかしらね」
「んなことはどうでもイイ。あいつをこんなにしたやつを打ち殺すだけダァ」
はやる気持ちを止められないのか、ソワソワしている。
「今すぐにでも生きたいのは分かるわ。でもあなたが傷つくと打ち止も悲しむわ。誰か協力者とかいないの??」
俺にそんなやつがいると思うかとにら見ながら言うと芳川も何もいえない。
たった一人で闇の世界にいた彼に、友達といえる存在はほとんどいない。
しかしふと浮かんだ少年の姿。
頼めばまた協力してくれるだろうか。
しかし彼はこの病院に入院中である。
無理をさせるわけには行かなかった。
手元にある間をじっと見つめていると、グイッと引っ張られ、芳川のひざに頭が乗っかった。
何しやがると暴れたかったが、能力を使っていない彼に暴れる力はほとんどない。
女性特有の甘い香りが一方通行の鼻腔をくすぐる。
引きこもってたくせに女であることにはかわらねえのかと失礼なことを考える一方通行。
その甘い香りがまるで麻薬のように脳を溶かしていく感じがした。
一気に眠気が襲ってきたのだ。
打ち止めの様子がおかしくなってからずっと神経を尖らせていたために一気に疲れが出たのだった。
まるで母親のひざで寝る子供のような絵が出来上がる。
抵抗なく一方通行は意識を手放す。
「静かならかわいいのに」
まるで自分の子供のように、白い髪の毛をなでる芳川。
そんな2人を影で見ている冥土返しだった。

Re: とある魔術と科学の二重奏 ( No.25 )
日時: 2010/11/27 08:15
名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)

とある研究施設に来ている京介。
有力情報を持つ女性が要るということで、事前にアポをとっていたのだ。
自らの罪は自らで償うしかない。
彼らのためにできることはこれと後はともに戦うことだけだと思っていた。
愛華には言えばきっと吹っ飛ばされると思い、何も言わずに着ていた。
ようやく時間が取れたのか、案内役の女性についていく。
さすがに会うためということで、今日はスーツを着込んでいた。
連れてこられたのは彼女の個人の研究室だった。
中に入ると大きな机にパソコンと格闘している女性がいた。
木山春生。
かつて幻想御手事件を起こしたという人物だ。
しかし今はこの学園都市のために尽力している1人の研究者。
最近不穏な研究発表が会ったといったのは彼女だった。
「木山先生??お話したいといっておりました方をお連れしました」
「ああ、ありがとう。下がってもいい」
そういわれると女性は下がって出て行った。
座ってほしいといわれ、お茶が出ているテーブルに座る。
「今学会に出すための書類を作っているのだよ。どうも今回は嫌な記憶を思い出すものが議題でね。なかなかはかどらないのが辛い」
「今日来たのは木山先生にその不穏な実験について知っている限り教えていただきたいと思ったからです」
「・・・それを氏って黄みは何をしたいんだ??」
ちらりと一瞥してから言う。
「私の友達・・・知り合いがその実験に巻き込まれているからです。詳しくはいえませんが、このままではいけないと思っています」
「そうか・・・」
フット嘆息し、イスにからだを預ける。
「今から離すことはすべて私の推測に過ぎない」
コクリと頷く京介。
木山の話によると、つい1週間前に何者かが収容所を襲撃し、そこにいたものたちの脱走を手助けした。その中にテレスティーナというかつてポルターガイスト事件を起こし、レベル6製造実験を起こそうとした女性も含まれるようだ。
彼女には京介も会っており、つい昨日ギタギタにされたばかりだった。
思わず歯噛みしてしまう。
まさか自分があんなものに遅れをとるとは思わなかったからだ。
そして彼女も協力しているレベル6製造計画。
そしてそれの最高責任者であり、今回の議題を提供した人物・・・現神夜魔琴、旧姓神代魔琴。
京介の父親だった。
やはりと思う京介。
前の革命で知った自身の父親の暗躍。
ここできっぱりと決着を付けておかなければいけないと思っていた。
魔術かいだけでなく、科学界まで自分たち家族の問題を持ち込ませるわけには行かないと思う。
そのほかにもたくさんの研究者たちが関わっているようだ。
すると突然京介の携帯がなった。
すいませんと一言言って席をはずす。
誰かと思ったら愛華だった。
「どうした??」
『どうしたじゃないでしょ??なんか事件起きたらしいわよ??』
事件という言葉にぴくっと反応する。
「それで何が起きた??」
『どこかの小学生がさらわれたらしいの。それもかなりの人数らしいわ』
誘拐事件とはまた物騒な事件だなと思う。
「それ以外に何か分かったことは??」
『その子たちは2年前にもなにかの実験に利用された子達らしいわ』
それを聞いてやったのはあいつだと確信した。
電話奥から愛華の声が聞こえるが何を言っているのかはもう京介には聞こえていなかった。
もはや一刻の猶予もないと思った。
また後で連絡するといい、電話を切る。
すでに風紀委員のほうにも言っているだろうと思った。
子のことを彼女に告げるべきだろうかと悩む。
「どうしたんだい??なにか深刻なことが起きたようだね。今しがた誘拐事件が起きたと聞くが」
「木山先生・・・誘拐されたのはあなたの元生徒たちです」
驚愕に顔が染まった。
「そこで私も・・・俺はあんたに協力する。だからもっと知っていることを教えてくれ。そうだな、まずはその議題を出した男がどこにいるかだ」


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