二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 悪ノ娘ノ召使
- 日時: 2011/03/17 18:07
- 名前: 双海 (ID: BdM.OEZp)
初めまして、双海です!
これは、悪ノP様の「悪ノ娘」と「悪ノ召使」を、私が自分なりに小説化したものです。
私の勝手な解釈に基づき小説化した為、あなたの解釈とは違う所があると思います。
ご自身の解釈を壊したくない方はご遠慮下さい。
また、私はプロなどではない為、非常に読みにくい文章になってしまうと思います。
それが嫌という方もご遠慮下さい。
あと、誤字などもあると思います;
見つけたら、ご報告して頂けると嬉しいです!
はい、こんな拙い文章を読んでくださり、ありがとうございました!
それでは無駄に長い本編となります、どうぞ!
目次らしきもの
序章
>>1
第一章
>>2, >>3, >>4, >>5, >>6,
第ニ章
>>7, >>8, >>9, >>13, >>14, >>15,
>>16, >>17, >>18, >>19, >>20, >>21,
第三章
>>22, >>23, >>24, >>25, >>26,
>>27, >>28, >>29, >>30, >>31,
第四章
>>32, >>35, >>36, >>41, >>45, >>46,
第五章
>>49, >>52, >>57, >>58, >>59,
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- 第三章 ( No.25 )
- 日時: 2010/12/12 21:33
- 名前: 双海 (ID: BdM.OEZp)
「レンも…。」
僕の方を見ずに、王女はぽつりと呟く。
「はい?」
「レンも出ていっていいわよ。」
「あ…。」
確かに、此処に僕が居続ける意味はない。
でも…。
「…あの、さっきの話、ですが。」
「……。」
「考え直した方がいいんじゃないでしょうか?」
そう言うと、急に王女は僕の方を向いた。
その王女の顔は、憎悪に満ち溢れていた。
「レンも、私に逆らう気なの?」
そう、大臣と話していた時のように明らかに怒りを含んだ声色で言う。
「いや、そういうわけじゃ…」
「じゃあ、何よ?」
早く言えと言わんばかりの口調でそう言う王女。
「ですが、戦争は、やめた方がいいと…」
僕がそう言うと、王女は押し黙る。
その瞳は、さっきまでの憎悪を含んだ瞳ではなく、一人の少女の瞳へと変わっていた。
王女はそんなのわかってる、とでもいいたげな表情で僕を見つめる。
ふと、王女は僕から視線を外す。そして
「出てって。」
と言う。
「ですが、リン様…。」
僕がそう言っても王女は何も言わない。
王女に何を言っても無駄だと理解し、僕は部屋を出て行くのであった。
そして一通りの仕事を終え、眠りについた。
- 第三章 ( No.26 )
- 日時: 2010/12/15 18:00
- 名前: 双海 (ID: BdM.OEZp)
王女が“緑ノ国を滅ぼせ”と言ってから、少し経った、今日。
僕はいつものように王女の部屋へお菓子を運んでいた。
いつものように王女の部屋に入る。
王女はいつものように窓際に置いてある椅子に座っていた。
王女は手紙を読んでいたが、僕は気にせず、いつものように王女の座っている机にお菓子を置く。
そこまでは、いつもと同じだった。
…そこまでは。
「……。」
何故か王女はお菓子を食べようとしない。
「リン様、食べないのですか?」
そう声を掛けると、王女は僕の方を向く。
そして、言う。
「ねぇ、レン?カイトの新しい婚約者の名前、ミク…っていうんだって。」
“ミク”。王女はそこを強調し、言う。
そして僕の様子を伺うように、目を合わせながら、言う。
「へぇ、そう、なんですか。」
「レンはその人のこと、知ってる?」
王女はそう言い僕に笑いかける。けれど、目は笑っていない。
王女は僕とミクが知り合いだということを、知らないはず。
だから、堂々と知らないと言えばいいのに、僕は動揺していて。
「………し、知りません。」
つい、王女に確信を持たせるような言い方をしてしまう。
これじゃあ、知っていると言っているようなものだ。
案の定王女は、やっぱり、と呟く。
そしてにこ、と笑う。その不気味な笑みに、…僕は恐怖を感じた。
「ねぇ、この写真見て。」
そう言い、差し出す写真を受け取り見る。
そこには、長く綺麗な緑の髪を二つに結った彼女、ミクがいた。
- 第三章 ( No.27 )
- 日時: 2010/12/16 15:11
- 名前: 双海 (ID: BdM.OEZp)
「ねぇ、レン。このミクって女のこと、知らないのよね?」
僕は頷く。
「じゃあ、どうしてレンはそんなに動揺しているの?」
「……別に動揺なんて、してませんよ。」
やっとで出た僕の声はひどくかすれていて、説得力のないものだった。
そんな僕の言葉に王女は、目を細める。そして視線を逸らす。
「まあ、いいわ。」
やっと解放された。そう思い安堵する僕をよそに、王女は言葉を続ける。
「レンに頼みごとがあるの。」
…頼みごと。
その言葉に何故か僕は嫌な予感がした。
前にもこんなことがあったが、王女の様子がおかしいからだ。
悲しそうな顔をし、唇を噛み締めている。
「ミクって女を、消してほしいの。」
「…え。」
僕は王女のその言葉に、とても驚いた。
いや、そんな言葉じゃ表せないくらい、驚いた。
「ですが…。」
「大丈夫、ミクって女が今どこにいるか、この手紙に書いてあるわ。」
王女は勘違いをしているのか、そんなことを言い出す。
僕はふと、王女の言葉に疑問を覚えた。…手紙?
「あの、王女。手紙とは…。」
「これよ、ミクって女が書いた、この手紙。」
王女はさっきまで読んでいた手紙をつまみ、ちらつかせる。
僕はその手紙に“レン”と書いてあるのが辛うじて見え、
「その手紙、見…」
せてください、そう言おうと思ったのだが。
僕が声を発した瞬間、王女はその手紙をビリビリ破った。
そしてその手紙は、床に落ちる。
僕はその光景を唖然とし見ていた。
一方王女は、その床に落ちた手紙を一瞥し、僕の方へ目を向ける。
- 第三章 ( No.28 )
- 日時: 2010/12/16 17:00
- 名前: 双海 (ID: BdM.OEZp)
返事を待つかのように、僕を見つめる王女。
僕はそんな王女から目を逸らせない。
「…どうして、消してほしいだなんて。」
ふと、口を出たのはそんな言葉。それは、ただの独り言に過ぎなかったのだが。
「あの女が憎いからよ。」
王女は表情も変えず、淡々と答える。
「あの女は、カイトを奪ったのよ。私と彼はただの許婚だったけれど、でも奪ったには変わりない!」
早口でそう言った王女は、今にも泣きそうな顔をしていた。
「それにね、確かに彼は私のことを想ってなかったかもしれない!でも私は彼を想ってた!」
そう言い、王女はバン、と机を叩き立ち上がる。
その拍子に椅子が倒れ、王女ははっとした表情になり、気まずそうに下を向く。
ぐらぐらと揺れる花瓶を僕はただただ眺めることしかできなかった。
王女の荒い息遣いがこの静寂な空間に響く。
「…これは命令よ。」
ふと、王女は呟くが、
「……。」
僕は何も言えない。
「ねぇレン、言ってたでしょう?レンがこの王宮に来た頃、“僕は王女様の命令は必ず守ります”って。」
その言葉に僕の昔の記憶を思い出す。
無邪気な僕と、王女との姿をー…。
- 第三章 ( No.29 )
- 日時: 2010/12/16 17:29
- 名前: 双海 (ID: BdM.OEZp)
“おまえを雇ってくれた人に忠誠を誓いなさい”
僕は親にずっとそう言われ育った。
そしてある日、おまえの雇い先が見つかったと言われた。
そう、それが王だった。
王にはこう言われた。
“王女の命令は絶対だ。そして、王女を悪になってでも守るんだ”
だから僕は王女に言った。
“ぼくは王女様の命令は必ず守ります”と。
それと同時に僕は誓った。
“この王女を守る為ならば、ぼくは悪にだってなってやる”
王女は無邪気に笑った。僕も釣られて笑った。
それから、王宮でいっぱい遊んだ。たまに王宮を抜け出したりして遊んだ。
それは、王女が国の頂点へと即位する二、三年前の話。
そうだ。
僕は、言ったじゃないか、誓ったじゃないか。
なら、僕が言うべき言葉はただ一つ。
「わかりました。」
悲しくなんて、ない。
全ては、僕が決めたこと。
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