二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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大神 ヤテラス大神伝説
日時: 2011/02/15 18:22
名前: レッシュン (ID: SuDcL78Z)

昔々、天照大神という大神様がおったと。その天照さまはいざ名木と共にヤマタノオロチを倒した。しかし、それから100年の月日がたった—その年に、ヤマタノオロチの封印が解けたのだった。神木村の神木の木精、サクヤは100年前のアマテラスさまの生まれ変わりを呼び出したと。生まれ変わりのアマテラスさまは野をかけ、ヤマタノオロチを倒した。そのあと、元凶の妖怪を倒し、大和に乗り、本当の世直しのため、タマガハラに帰ったと。それから9カ月後、チビテラスという、アマテラスの子供が旅に出た。チビテラスは相棒たちとともに新たな元凶の妖怪を倒したと。そして、一寸と共に小さな船でタマガハラに帰って行ったと。
すべては終わった…はずだった。タマガハラではとてつもなく恐ろしいことが起こっていた。アマテラス達さえでも苦難な壁—そんな物語—

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Re: 大神 ヤテラス大神伝説 ( No.2 )
日時: 2011/02/15 18:58
名前: レッシュン (ID: SuDcL78Z)

「…ドキッ…」
一寸はいつものことが起こった。しかし、女性はこちらは無表情で見つめる。
「…おいらは一寸。な、なぁ。ここは一体どこだい?目が覚めたらここにいてよ…」
「…ここは、霧迷の森。」
「…ねぇちゃんは何ていうんだい?」
一寸は女性に名を聞く。女性は少し黙り、口を開いた。
「…すみれ。この国を旅している。」
「すみれのねぇちゃんか。なぁ?ここはナクツクニじゃないようだけど…」
「…ここは、裏神(うらしん)裏の神たちが住む国…そして、国の名前は—タマノタニ。」
「は?裏神?聞いたことねぇけど…」
すみれの答えに一寸は首をかしげた。
「裏神…それは、アマテラスのような表側ではなく、ひそかにただずむ神—そして、タマノタニはそんな裏神達が住む国—」
「ふーん……!そうだ!な、なあ…タマガハラが大変なんだ!ここで1番の腕っ節・・・いや、だれでもいいから、タマガハラに来てくれ!」
一寸はあわてながら言った。しかし、その答えは冷たいものだった—
「それはできない。」
すみれはきっぱりと答えた。その表情は冷たく—でもどこか悲しげなものだった—一寸はその答えに腹を立てた。
「なんだい!なんで、こねぇんだよ!ここのやつらは一応神様だろ!?だったら、神様らしく助けろってんだい!」
「…そうしたい…だが、裏神は神の掟でタマガハラに足を踏み入れることはできない。あくまで裏神は裏。裏は、裏を。表は表を守る使命がある。」
「…今はそんなこと言ってる場合じゃねぇだろう!」
「…さっき来た月の民は物分かりがよかったんだがな。」
「さっきって…」
一寸は急いで森を出ようとした。しかし、走っても木々が生えているだけ。すると、後ろから声がした。
「諦めなよ。」
一寸は振り返る。木の枝にウシワカがたっていた。
「おい!お前正気か!?アマ公とチビ公、それにタマガハラが大変なんだぞ!」
「それは分かっているさ。でも、裏神がタマガハラに足を踏み入れればどうなると思う?」
「そんなの知るわけないだろーが!」
一寸は刀を振り回していった。ウシワカは首を振り言った。
「もし、裏神が足を踏み入れば、この世自体がなくなるかもしれない。それでも、連れて行こうっていうのかい?」
「な…そんな嘘信じねぇゾ!」
一寸はそういうと、走り出した。

Re: 大神 ヤテラス大神伝説 ( No.3 )
日時: 2011/02/15 19:13
名前: レッシュン (ID: SuDcL78Z)

「…星神。お前はどう思う?」
すみれは、星神という女性の裏神に聞いた。
「それは、私も悔しい気持ちでございます。星はいつもこの世を見守ってきている。人々が苦しんでいるところを裏神は見ているだけ—そして、表神がそれを解決する—裏神はただそれを手助けするだけ—」
「同感。あのものの言うことはもっともだな…」
「…そんなこと言って…あなた様はタマガハラに行ったことがあるではないですか…」
「…昔、1度だけな。けど、今は—…久々にあの姫に会いに行くか・・・」
「そうですか・・・お気をつけて。」
すみれは、真っ白な巻物を空中に広げた。しかし、広げた途端、そこの景色が巻物に移った。すみれは、筆を取り出すとその巻物に月を描く。それはまるで、アマテラスが描く、弓神の筆技のようだった。しかし、半分まで書くと、反対側からも書く。筆を放すと、空に満月が現れた。満月が映し出された湖では、満月の部分に穴が開いた。
「…地上に行くのも何年ぶりか・・・軽く300年…いやもっとだな…」
そうつぶやくと、すみれは光り輝き、そこには、黒い体に金色に輝くアマテラスと同じようなくまどりがされており、背中にはアマテラスと同じような毛が生えていた。それは、アマテラスの姿そのものだが、体の色は違い、顔つきはアマテラスと違い、鋭いものの、大神だった。神器は背中に先ほどの刀ではなく、月の紋章が施された石が刀からぶら下がっていた。そして、刃の部分は月色だった。そして、大神はその穴へと飛び込んだ。

Re: 大神 ヤテラス大神伝説 ( No.4 )
日時: 2011/02/15 19:33
名前: レッシュン (ID: SuDcL78Z)

そして、大神がおりたったのは天の川の近くだった。そこを抜けると、そこは神木村の神木だった。すると—
「…お久しぶりです。」
「……」
サクヤが現れた。大神は何かを呟くように顔を動かした。
「…さようでございますか…天から何か邪悪な気配を感じていたのですが…まさか、アマテラスさまとチビテラス様が……一寸の気持ちもわからないことはないですね…しかし…」
「……」
暗い顔のサクヤに大神はまた同じ動作をする。
「…昔、タマガハラに行ったのは表神だったから…しかし…あなた様は…」
サクヤは1度顔を下に向けたが、こちらを向き言った。
「あの時のお名前で呼んでもよろしいでしょうか?」
大神は黙って悲しげに首を振った。
「…そうですか…私はいつか、表、裏などない世を来るのを待っております…その時は、あの時の名前で呼ばせていただきます。」
そうして話は終わった。大神は同じ方法でタマノタニに戻って行った—


一寸は森をやっと出た。一寸はイライラしていた。すると—
「ん?あいつは…」
一寸は走ってその場所に向かった。そこは湖だった。そこには、星神とウシワカが。
「おい!お前…って、あんた、ここに住んでるっていう裏神様かい?」
「さようでございます。」
「おい!ホントウニ、裏神がこっちに来たらこの世はなくなっちまうのかい?」
「…はい…確かに…」
「……」
「でも、このままだと危ない。だからミーたちはある人に交渉するのさ。というより、大神…かな?」
「大神?ここにも大神様って居んのかい?」
「はい。その方ならもしかしたら可能かもしれません…!」
「そ、それって—」
一寸が言いかけた時、湖から先ほどの大神が現れた。大神は3人を見ると、そのまま立ち去ろうとした。
「お待ちください!ヤテラス大神様!」
星神はそう呼びとめる。大神はピタッと足を止め、こちらを睨みつけつように見た。
「…久しぶりだね。ヤテラス君。」
ウシワカは真剣な子で大神に行った。大神は向きをこちらに向けた。
「……」
「…確かにそれは過去に話し…しかし、あなた様ならまだ可能性が—」
「ガウ!」
星神の言葉を大神は怒りの満ちた声でほえた。いっすんはわけのわからない様な様子だった。
「な、なぁ・・・ヤテラスって…」
「…それは後でお話しします。」
「・・・ヤテラス君。君がそれを拒むのはよくわかる。だけど、今は君の力が必要なんだ。」
「……」
大神は黙って2人の顔を見つめる。しばらく沈黙の時間が流れた。

Re: 大神 ヤテラス大神伝説 ( No.5 )
日時: 2011/02/15 19:56
名前: レッシュン (ID: SuDcL78Z)

「……」
「そうです。それは私どももよくわかっています。だけど、今はかけてみるしかないのです…!この世のために!」
「……」
「…後悔はしない…とは言い切れない。けど、それがミ—たちの選んだ選択肢だから、後悔はしないと思う。」
「……」
大神はついてこいと言わんばかりに1つの洞窟に入った。3人はその洞窟に入っていく。
「はい…あなたは…?」
「…一寸さ。で、一体何の話をしていたんだ?」
「ゴムマリ君。君はこんな伝説を聞いたことはないかい?」



昔々、アマテラスという大神がナカツクニという国を妖怪から守った。それよりずーっと前の話…ある、カナンタという国があった。そこは平和な国だった。そこでは、ヤテラスという大神が祭られていた。その国では時々黒い狼が見られた。しかし、ある時、ある1人の美しい女性がある村にやってきた。その女性は、白く、雪のように美しい女性だった。女性はアヤタカという男に近づいた。アヤタカはその女性を気になっていた。そして、アヤタカは結婚してくれと頼み込んだ。すると、女性は悲しげな顔をしていった。
「それはできませぬ…」
「なぜですか?」
「…言っていいのか…」
「私なら聞きます。」
「…今から言うことはすべて偽りはありませぬ…私は、ある忌まわしい獣に追われてきたのです…その獣は恐ろしく、私に呪いをかけました…」
そういうと、女性はそでをめくり上げ、腕を見せた。その白くて細い腕には血の跡があった。
「これは、その獣に襲われた後でございます…」
「して、その獣とは?」
「…ヤテラス大神様でございます…あの、黒い狼でございます…相手は大神様…私とかかわりあえば、あなた様は…」
その言葉に男は驚いた。最初は信じられなかったが、女性を見ていると、だんだんヤテラス大神に怒りを覚えた。男は村中、そしてカナンタじゅうに広めた。そして、カナンタの物たちはヤテラス大神に関わるものをすべて壊してしまった。そして、黒い狼がやってくると、人々は狼を殺そうと襲いかかってきた。狼は身を守るだけで、必死にほえた。何かを訴えるように。しかし、人々は気にせず、攻撃を続けた。狼は逃げてしまった。その狼は黒い体が血でびっしょりだった。それからか、黒い狼は一切見かけなくなった。それから、人々は喜んだが、警戒をし、子供たちにそのことを教えた。そして、アヤタカは女性と結婚をした。それから月日がたち、子供が生まれ、仲の良い夫婦だと評判だった。しかし、ある朝、アヤタカと子供は死んでいた。女性は泣いていた。その日は、ちょうどあの大神を追い出した日だった。人々はますます怒り、ヤテラスに向かって呪いの言葉を放つようになった。その後女性は、いつの日かいなくなってしまった。それもまた、あの大神を追い出した日だった。そしてヤテラスは悪い不幸を呼ぶ大神と言い伝えられてきた—

Re: 大神 ヤテラス大神伝説 ( No.6 )
日時: 2011/02/15 20:21
名前: レッシュン (ID: SuDcL78Z)

「…そんな話、聞いたことねぇな…なんか、気分の下がる話だぜ。で、そのヤテラス大神ってこの神様のことを言ってるのか?そもそもヤテラス大神ってなんなんだい?」
「…ヤテラス大神…それは、月神。アマテラスさまと肩を並べるほどの大神でした…先ほど話した伝説…あれは事実なのです…伝説に出てきた大神様はまさしくここにおられる大神様なのです。」
「で、なんでその大神様は裏神になっちまったんだい?アマ公だって、村のやつらから嫌われてたぜ?」
「それはね、アマテラス君の場合、村という範囲だった。だけど、ヤテラス君の場合…国というはいんで信仰心を失った。それによって、裏神にまわされてしまった…」
「ふーん…で、おまえと月公は久しぶりって言ってたけど、1回あったことあるのか?」
「そりゃあ、あるさ。ミ—は月の民。ヤテラス君は、月神。ヤテラス君はたまにだけど、月に来ていたよ。裏神に回されてからは全然会ってなかったんだけどね…」
「…1ついいか?どうやって地上とか月を行き来しているんだ?」
「それは、満月を呼び出すのです。」
「満月?」
「ヤテラス様は、月神。満月を呼び出すことができるのです。そして、その満月が映った湖などにその満月に沿って穴のあいた所に飛び込むのです。タマガハラに行くには、太陽と月、どちらも呼びだすのです。」
「と、いうことはアマ公と同じ筆調べを持っているってことか?」
「ま、そういうことになるね。太陽だって呼び出せる。」
「ふーん…で、可能性ってどういうこった。」
「それは、ヤテラス様は今は裏神ですが、表神だったわけですから、もしかすると、タマガハラに足を踏み入れることはできるのではと…」
「後悔ってまさか、世が滅びる…?」
「そう、これはかけなんだ。」
「…ま、やってみるしかないか…」
「で、ゴムマリ君。君は、気づいてないのかい?」
「は?なんのこったい。」
「……」
すると、ヤテラスは体を輝かせ始めた。一寸は眼をつぶる。そしてその先には、すみれがたっていた。
「すみれのねぇちゃん!?すみれのねぇちゃんって月公だったのか!名前を変えるなんて…それにしても、人間になれるとはなぁ。」
「…とにかく、今からタマガハラに向かう。準備は、いいな?」
3人はうなずいた。星神は残り、そして、1番見晴らしの良い場所に来た。ヤテラスは、巻物を出すと、そこに映し出された景色に筆を進める。右に月、左に太陽を描いた。そして、空に月と太陽が現れた。ヤテラスはもとの大神の姿に戻り、構えた。すると、月と太陽の真ん中に光の穴が現れた。そしてその穴に入っていく。その先には、タマガハラがあった。そこは、草木が枯れ果てていた。3人は警戒していた。
「……」
「大丈夫なようだね。」
「やっぱ、資格があるのか?」
そうして、3人の旅が始まった。タマガハラを救う、アマテラスとチビテラス、この世を直すため。旅をしながら、伝説の真実が明らかになる—


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