二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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這いよれ!ニャル子さん ショートストーリー その1
日時: 2012/07/31 17:49
名前: tree (ID: KZnMR4dD)

〜はじめに〜
この文章は「這いよれ!ニャル子さん」と、「モンスターハンターポータブル2ndG」を題材にした二次創作です。
設定のほとんどは両原作に準拠しています。
書きたい所しか書いていないので、
内容の飛躍が激しい稚拙な文章になっておりますが、
それでもいいという方はどうぞ本編をお楽しみ下さい。

【這いよれ!ニャル子さん ショートストーリー】
                   〜暴虐の轟竜〜

 母さんの狩猟について行くことになった。—理由はよく覚えていない。
 ただ—「ごめんねぇ〜ヒロく〜ん・・・村長さんから急な依頼が入っちゃって〜、私達が受けてた依頼、ニャル子ちゃん達と一緒にクリアしてきてくれない?」
 とかなんだかんだで、邪神三匹と狩りに行くことになってしまった。しかも聞いたところによると狩猟対象は轟竜ティガレックス。数多くのモンスターの中でも最強の部類だ。下手をすれば一撃でキャンプに持っていかれかねない。それなのに・・・
「どーですか真尋さん!このせくすぃなキリン装備!かわいいですよね!かわいいって言って下さいよ〜!」
「・・・ニャル子のキリン装備・・・ふぅ・・・ぁん・・・」
「ちょっ!離れやがれですよ!この欲情ファイヤーが!」
 ニャル子が身に纏うのは一見防具なのか疑いたくなる全身キリン装備。肩からへそ出しの胴のラインはよく分かるし、膝下までのブーツの上はほとんど生足。これで限界まで強化すれば防御力は500を優に超える優秀な防具だ。
 そしてそのニャル子に纏わりついているクー子は燃えるような真紅のレウス装備。こちらは空の王者の名にふさわしい剛堅さを誇っている。そこいらのモンスターの攻撃では傷一つ付かないだろう。
「痛ぁ!ただでさえ露出度高いのにそんなトゲトゲな装備でくっつくなぁ!」
「・・・じゃあ脱ぐ・・・」
 真尋は盛大にため息をついた。いつもの事だがなかなか慣れるものではない。
—ふと気づいて周りを見渡す。ハス太がいなかった。いつもならニャル子とクー子がじゃれている間はハス太が傍にいるのだが・・・
「真尋く〜ん」
振り返ると、ハス太がいつの間にか近くに来ていた。
「あぁ、どこに行ってたんだ?ハス太」
「ほら、見て見て」
ハス太は何やら円盤のようなものを持っていた。
「これ、落とし穴なんだって、こっちがシビレ罠、真尋くんのお母さんがくれたんだ」
 ハス太が居てよかった・・・若干もといかなりオマセな所があるが、基本的に真面目で頼りになる邪神なのだ。ごほうびによしよしと頭を撫でてやる。「えへへ・・・」とにっこり笑うハス太の顔を見ていると気持ちもずいぶん落ち着いた。
 そしていまだにふざけ続けている邪神二匹に—
「「ぎゃん!?」」
 鉄拳制裁を加えてやった。

 ベースキャンプから一歩踏み出すと、左手に大きな湖、右手と正面には白銀の山脈が鎮座していた。低めな気温のせいか虫の声も少なく、時間が止まっているかのような神秘的な場所だった。ここと隣のエリアなら寒さは心配ないが、山に入れば防寒対策は必須だろう。
 数匹の大きな角を持つ草食獣、確かガウシカといったか、が背の低い草を食んでいた。
 今回はバリバリの初心者パーティーであることと、依頼主の意向もあって目的以外は採集も狩猟も行わないと決めていたので、襲ってこないモンスターは基本的に通り過ぎるだけである。
 地図によればここから洞窟のエリア4に入り、山の頂上を目指すのが最短ルートらしい。
「わあートナカイさんだね!」
 と、ハス太が警戒心ゼロでガウシカに近づいていく。狩るつもりはなさそうだが出来るだけ刺激しない方が・・・
「ひゃん!」
 ・・・案の定突き飛ばされていた。ガウシカは攻撃されない限りは襲って来ないらしいが、逆に刺激すると延々追いかけまわされるそうだ。
「大丈夫か?ハス太」
「うん・・・ありがとう真尋くん」
 ダメージなどほぼ皆無だろうが、一応気にしておく。そこで気づいたのだが、ハス太はその小柄な身体には不釣り合いにも見える赤銅色の防具を身に纏っていた。
「ハス太・・・その防具重くないのか?」
「うん!大丈夫だよ!君にはこれがいいって鍛冶屋のおじさんに言われたんだ」
 そうか、確かこれはクシャルダオラの装備だ。風を操ると言われるこのモンスターの装備なら、同じく風を操る邪神ハスターと相性がいいのかもしれない。
「おっそいですよー!おふたりさーん!」
 気づくとニャル子とクー子はすでに洞窟の入口に立っていた。
「よし、行くぞハス太!」
「うん!」

「さ〜〜〜〜ぶ〜〜〜〜い〜〜〜〜」
 洞窟内にニャル子の声が反響する。それもそのはず、一年中雪と氷の世界である雪山にそんな恰好で来るのだから自業自得もいいところだ。ホットドリンクは飲んでいるが相当堪えるだろう。
「真尋さ〜〜ん・・・温めてください〜〜」
「いやだ」
3文字で返事をした真尋は全身ガルルガ装備だった。あまり重い装備は着られないし防御力も大事なので金属部分の少ない装備にした。
「・・・ニャル子・・・私が温めてあげる・・・」
「あんたがくっついたら消し炭になりますよぉ!」
 どうやら生ける炎であるクー子、そしてハス太もホットドリンクは必要ないようだ。
 洞窟内を進んでいくと大きな段差があった。ジャンプしてよじ登れば真尋でも登れない事はなさそうだった。ここを登ってさらに進めば山頂付近だ。
「よし・・・じゃあここを・・・」
「まっひろさぁ〜ん!さぁ私にしっかりと掴まって下さい!」
「ハス太、風、頼めるか?」
「任せて!」
渦巻くような風が真尋の身体を包む、少しジャンプしてやるとふわりと浮きあがった。そしてそのままゆっくりと段差の上に着地。
「ちぃっ!せっかくの真尋さんとの触れ合いイベントがっ!」
 そう毒づきながらニャル子はひとっ飛びで段差の上へジャンプ。ク—子とハス太も続こうとするが・・・
「どうしたの?」
「・・・ここ・・・何か光ってる・・・」
クー子が指さすのは採掘ポイント。その指先に小さな灯がともる。
「・・・宇宙CQC壱式ノ二番・・・『焔』」
 ゴウッと灯が炎に変わり採掘ポイントを舐める。おそらく岩肌も大半は氷でできているのだろう、足もとの水たまりに比例して裂け目が広がっていく。
 —しばらくしてクー子が炎を止めるとそこには黄金の塊があった。ただの黄金の塊ではない、ギルドに清算アイテムとして登録されており、高値で買い取ってくれる。
「・・・すごいじゃないか、クー子」
真尋が褒めると、
「・・・でも、持って帰れない・・・」
「狩りが終わってからでいいだろ、一つの狩場には同時に二つのパーティーは入れないし、そのままにしといていいんじゃないか?」
「・・・わかった・・・少年の言う通りにする・・・」
—クー子は最近素直になってきたと思う。
 

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Re: 這いよれ!ニャル子さん ショートストーリー その2 ( No.1 )
日時: 2012/07/31 17:51
名前: tree (ID: KZnMR4dD)

その数分後、真尋たちは洞窟の出口兼入口から外の様子を覗っていた。
「あれは・・・確かギアノスか・・・4匹居るな・・・」
「真尋さん、ここは私にお任せを」
 と、ニャル子が進み出て背中の得物を初めて抜いた。名はグレートノヴァ。最高スペックを誇る雷属性のハンマーの一つだ。さらにキリン装備の特殊効果で属性値が増している。
 その武器を構えて集中したニャル子の美しさに見とれてしまった真尋を、沈黙の了解と解釈したのか、ニャル子はスッと腰を落とすと脱兎の如く駈け出した。
 最も近くにいた一匹はあろうことか背を向けていた。先にニャル子に気づいたのはこちらを向いていた左右の二匹、右奥にいたもう一匹はまだ敵の登場には気づいていない。
 仲間の警告に気づいたのか最初の一匹が振り向いて鳴き声を上げようとした、が—
「遅いですよぉっ!」
 走っている間にタメを完了させたニャル子はすでにその頭上に鉄槌を振り上げていた。
 —バチッゴグジャァァァァ!
 真尋はさっとハス太の目を覆った。あまりにも教育によろしくない映像が眼前にぶちまけられている。
「ははっ!すばらしい威力ですねぇ!最高のショーだとは思いませんかぁ?モンスターがゴミの様ですよぉ!」
 久しぶりの大暴れにニャル子はテンションがおかしくなっていた。続いて飛びかかってきた右側のギアノスを野球ボールのようにホームラン。赤い軌跡を描いて場外へ。そして不利を悟ったのか逃げ出そうとした左側のギアノスの尻尾をむんずと掴むとおおきく振りかぶって地面に叩きつけ、ちょうど頭部付近にハンマーを突き立てグリグリと地面を抉る・・・多分今までで一番グロいと思う。
「ん?・・・そう言えばもう一匹居ましたねぇ・・・」
 ニャル子はゆらりと振り返り、残った一匹を虚ろな瞳でロックオン。再びハンマーを構えなおし、駈け出そうとした—
「ニャル子ちゃん!行っちゃだめ!」
 ハス太が突然叫んだ。
 面倒くさそうに構えを解いたニャル子がこちらを向く。
「なんですかぁ?いくらハス太君でもこのスーパーニャル子ちゃんタイムを邪魔するのは許しま・・・」
 ズウゥゥゥゥゥン・・・・・・
「っ!」
向き直ったニャル子は目を見開いて硬直。続いて視界を右にずらした真尋、ク—子、ハス太も言葉がでなかった。
さっきまでギアノスが居た場所・・・そこに【ソレ】は居た。
足元には着地と同時に潰れたギアノス。それを運がいいと言わんばかりに咥えてゴリゴリと噛み砕き、咀嚼。
そして新たな餌を見つけたようにニャル子を睨みつけ、正面を向くと両腕を地面に突き立て息を大きく吸い込んだ。そして—

「「ゴアアアアアアアアアアアアアァァァァァァッッッ!!」」

—山が、震え、怯えた。

—結局、真尋たちは一度ベースキャンプに戻ることにした。こんな状態ではまともに戦闘などできないだろう。幸い、物資は母さんが余るほど用意してくれていたし、支給品もある。途中でクー子が見つけた黄金の塊を交代で運びながら、真尋は改めてこれから狩ろうとしている相手がどれほどのモンスターなのかを実感していた。一体どうやってあんな化け物を倒せと言うのか—。
「ニャル子ちゃん・・・大丈夫?」
「ええ・・・ハス太君の閃光玉がなければ即死でしたよ・・・」
 そう、あの時轟音をあげて突進してくるティガレックスを前に、動けなくなっていたニャル子を救ったのはハス太だった。奴の目の前で、あらかじめ有効だと教わっていた閃光玉を炸裂させた。目を焼かれたティガレックスは軌道をそらして山肌に激突。その隙にニャル子の手を引いてなんとかそこから脱出したのだった。
「私も人の事は言えませんがあんな化け物初めて見ましたよ!真尋さんのお母様はあんなのを倒すおつもりだったのですか?」
「いや・・・確か母さんは雑魚狩りが専門で、主に大型モンスターを狩るのは教授さんだって言ってたな・・・でもさニャル子」
「なんです?」
「クー子とハス太もそうだけど、、お前らが本気を出せばあんな奴でも倒せるんじゃないか?ハス太なんてチートみたいに強いんだし・・・」
 真尋がそう言うと、邪神たちは何故か申し訳なさそうにうつむいてしまった。
「え〜っとですねぇ・・・」
 妙に歯切れの悪い返事だ。何かあったのだろうか。
「・・・少年・・・ここじゃダメなの・・・」
「え?」
 以外にも口を開いたのはクー子だった。
「・・・この世界は自然の理が支配している・・・だから私達邪神は本来の力は発揮できない・・・」
 —よく考えれば始めからおかしかった。彼らにはそれぞれ戦闘モードなるものが存在し、そもそも武器や防具など必要ないはずだ。真尋も気づいてはいたが、どうせ雰囲気作りとか、しょうもない理由だろうと思っていた。なるほどこんな裏があったとは・・・
 とりあえずキャンプで作戦を練ることにする。真尋としても、母から任された依頼をリタイアする訳にはいかなかった。

Re: 這いよれ!ニャル子さん ショートストーリー その3 ( No.2 )
日時: 2012/07/31 17:52
名前: tree (ID: KZnMR4dD)

—「よし・・・じゃあ具体的にどうするかだけど・・・何か意見はあるか?」
 黄金の塊を納品し、邪神たちに尋ねる。
「う〜ん・・・やっぱり閃光漬けにしてボコるのが一番ではないかと」
「素人にも分かるように言ってくれ」
「始めから罠を置いておけばいいんじゃないかな?」
「そうだな・・・」
「他にも一人が囮になって岩壁ハメとか、睡眠爆破も有効ですね!あとは高台に登って拡散祭り・・・」
「お前はもう黙ってろ」
「・・・少年・・・いずれにしても一度挑んでみるしかないと思う・・・」
「・・・」
 —クー子の意見でまとまり、とりあえずは様子を見ながら隙を見て攻撃するという事になった。再び同じルートで山頂を目指す。
 いつもなら滅多に黙らないニャル子も、今回ばかりは緊張しているようだった。
 —山頂付近、エリア6にたどり着いたが、そこに奴の姿はなく、血の跡に少し雪が積もっているだけだった。
 情報によれば、ティガレックスは主に山頂付近のエリア6,7,8、休息を取る時はエリア3、そして稀にエリア1に降りてくることもあるそうだ。つまり今はエリア7か8に居る可能性が高い。山頂付近で最も広いのはエリア6で、高台もあり、戦うならここがベストだ。よってハス太の意見を採用し、罠を設置して奴を待ちうけることにする。念のためホットドリンクを飲みなおし、準備に取り掛かった。
 —「これで、よしっと・・・」
 真尋は先端だけ顔を出し、地面に埋まった円盤から素早く離れる。これは落とし穴だ。
シュー、という導火線に火が伝う音の後、バシュウッ、と円を描くようにネットが広がる。これでしばらくすれば下の地面が柔らかくなり、大型モンスターが飛び込めば粘着力のあるネットが絡みつきなかなか出られなくなるそうだ。このような技術はあるのに、どうしてもっと兵器は発達しなかったのだろうか。ハンターが操る武器の中には、大爆発を起こせるようなものもあるらしいが、そんなものは用意することも扱うこともできないだろう。
 「さて・・・あとは待つだけだな・・・」
 さっき休憩がてら少し携帯食料を食べた。まぁ美味くも不味くもないパサパサだったが、スタミナの心配はひとまず無い。
 —数分間が過ぎる。はたしていつ奴は現れるのか・・・そんな不快な緊張感の中、いつの間にかニャル子が傍に来て、真尋の手を握っていたがそのままにしていた。
 (今回だけだからな・・・)そう心の中で呟くと真尋は力強くニャル子の手を握り、凍えるような寒空を仰いだ。

 —「来る!」
 ずっと目を閉じていたハス太の鋭い警告が静寂を破った。上空の気流の変化で、大型の飛行物体はある程度察知できるそうだ。装備の効果も少なからずあるだろう。
 基本的に着地する場所は毎回同じなので、そこから落とし穴の真上を通らなければならないように陣取り、上空を注視する。
 —やがて空の彼方に黒い点が見えた。方角からすると奴は今までエリア8に居たのだろう。みるみるその全貌が明らかになっていく。
 よく見ると奴は羽ばたいていない。両翼というより両腕を固定し、滑空していた。飛竜種に分類されるが、原始的な体構造を持っているという母の話を思い出す。
 —ものの十数秒で黒く大きな影が、真っ白な地面に現れ、ピタリと停止。荒々しく空気を切り裂く音と共に、再び奴が現れた。そして—

「「ゴアアアアアアアアアアアアアァァァァァァッッッ!!」」

 —「来るぞ!」
 全員で一斉に得物を構える。が、対する轟竜は頭を下ろし、尻尾を地面に打ち付け、威嚇するようにグルル・・・と唸っている。目の前に落とし穴がある以上、真尋たちは動けない。
「どういうつもりですかぁ?さっきはすぐに襲いかかってきたのに・・・」
「ちょっと刺激してみるか」
「はい?」
 ニャル子が聞き返した時にはすでに、ティガレックスの鼻先にフォークが刺さっていた。これが母親譲りの0フレーム投擲。精度はまだまだだがあのデカイ頭に外す事はない。
 攻撃された本人もとい本竜も、情況を理解するのに数秒かかっていたが、すぐに真尋を睨みつけ、咆哮を上げて怒涛の突進を開始した。その形相たるや、今すぐ逃げ出したくなるような、恐怖そのものが迫って来ているようだ。だが—
「「ガァッ!?」」
 —かかった。奴は下半身を地面に埋め、絡みつくネットを振りほどこうともがいている。だが、そう簡単に抜けられては困る。
「・・・まず私が行く・・・宇宙CQC壱式ノ三番・・・『紅蓮』」
 クー子がそう呟くと、握った大剣に炎が纏わりつく。その名はテスカ・デル・ソル。同種の武器の中でも特に高い属性値を誇る。ところで・・・
「クー子、能力は使えないんじゃなかったのか?」
「・・・大丈夫・・・壱式までなら問題ない・・・」
 そう答えると同時にクー子は走りだした。大剣はその重量故に、抜刀状態で走ることはできない。クー子も柄に手をかけているだけだ。だが話によると、レウス装備は特に得物を抜く瞬間に最も大きな力が発揮できるように設計されているらしい。
 —「・・・はあああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
 クー子は抜刀と同時に最大まで力を溜め、渾身の一撃を奴に叩きこむ。分厚い刀身が頑丈な鱗を砕き、纏う炎がその身を焼く。ティガレックスに火属性は有効でないが、これでダメージを受けない訳がない。苦悶の絶叫を上げる轟竜をよそにニャル子が叫ぶ。
「次は私ですよぉ!下がりやがれです!」
「・・・わかった・・・!」
大剣を振り下ろした体勢のまま横に転がって距離を取る。そこにニャル子が躍り出た。
「でええええぇぇぇぇぇい!」
 今度はニャル子の鉄槌が奴の脳天を直撃した。頭部の甲殻が大きく歪み、割れ目から血が噴き出すのと同時に電流が頭から全身を貫く。そして脳震盪を起こしたのか、フラフラと頭が揺れ、もがく両腕も上手く動いていない。チャンスだ。
「今ですよ!ハス太君!」
「うん!」
 その懐にハス太が飛び込む。その両手には二振りの剣が握られていた。あれは氷炎剣ヴィルマフレア。左右で属性が異なるという特に珍しい武器だ。その名の通り属性は氷と火。本来ならお目にかかることすら難しいような装備なのだが、それをホイホイ用意してくれる真尋の母達はいったい何者なのだろう・・・
「おりゃああああぁぁぁぁぁ!」
 ハス太は珍しく、可愛らしくも勇敢な雄叫びを上げて轟竜に斬りかかった。そのスピードに真尋は目を見張る。瞬く間にその広い胸板に無数の傷が刻まれ、焦がし、凍らせていく。おそらく風とクシャルダオラの装備が呼応し、ハス太の動きをブーストしているのだろう。
 —やがてハス太が荒い呼吸をしながらバックステップ。
「真尋くん!」
「ああ!」
 真尋は正直こんな戦闘にまともに参加するつもりはない。ただ、できることはある。
「喰らえっ!」
 真尋は毒投げフォーク5本を投擲。傷だらけの今なら効果は十分期待できる。放たれたフォークは全て無数に刻まれた傷に突き刺さり、毒を流し込む。
 —ここでようやくティガレックスは落とし穴から脱出した。やはりニャル子のハンマーが効いたのだろう。効果時間はかなり長かった。奴は抜け出した勢いで大きく跳躍。飛行能力は高くないので、空からの攻撃は考えなくてよさそうだ。
 —着地。さぁ、どう来る・・・
 全員が身構える。
 —が、奴は攻撃を始めるわけでも、怒りの咆哮を上げることもなく、大きくバックジャンプをした。しかし真尋は見逃さなかった。—奴の全身が赤く染まり、その目が怒りに燃えていることを。

Re: 這いよれ!ニャル子さん ショートストーリー その4 ( No.3 )
日時: 2012/07/31 17:53
名前: tree (ID: KZnMR4dD)

—「うわあああああぁぁぁぁ!」
 真尋は情けない悲鳴を上げながら全力ダッシュ。緊急回避。すぐ後ろを轟音と共に『死』が通り過ぎて行く。
 —これで何度目だろうか、幸運なことに、未だ直撃は免れている。しかしいつまでも続くとは到底思えない。—やはり一度引くべきか。
「真尋さぁん!私はあと十年は戦えますぜぇ!」
 真尋の視線に気づいたのか、ニャル子が力強く叫ぶ。おそらくキリン装備の影響があるのだろう。あれだけ激しく動いているのに、呼吸の乱れも比較的少ない。
「どっせーーーーーい!」
 ニャル子のハンマーが奴の左腕を押しつぶす。もうかなり効いているはずなのだが、轟竜の動きは一向に衰えない。
「「ガアァッ!」」
「やばっ・・・」
 ティガレックスは無事な右腕で強引にニャル子に襲いかかる。—が、
「・・・ニャル子・・・!」
 —その強靭な爪とニャル子の間に、ギリギリのタイミングで燃え盛る刀身が割り込む。
「・・・宇宙CQC壱式ノ六番・・・『煉獄』」
 クー子の足元から瞬く間に炎が広がり、奴の全身を包む。奴はたまらずバックジャンプで炎から逃れた。
「みんな!目を閉じて!」
 —タイミングを見計らっていたのだろう、ハス太の声に反応すると同時に、視界が白く染まる。
「真尋くん!一旦引こう!」
 —全員程度は違えどかなり消耗している。真尋に選択肢は無かった。

「だぁ〜〜!何なんですかあのチート級の頑丈さは!」
 —ここはエリア5。つい先ほどまで戦闘を行っていたエリア6の隣で、各洞窟エリアと山頂付近を繋ぐ役割を果たしている。寒さもエリア6に比べれば幾分マシだった。
「もうかなり弱ってるはずなんだけど・・・」
「にしてはずいぶん元気ですよねぇ、あのお方・・・」
 —あの後、怒りの咆哮を上げたティガレックスの攻撃は凄まじかった。
 大地を抉り、山肌を削るその衝撃により、小規模な雪崩が起きて、エリア6からエリア7への通路が塞がれてしまうほどだ。もちろん、そんな攻撃をまともに食らえば即死は免れない。しかし、あらかじめ有効なアイテム、注意すべき攻撃と大まかな行動パターンを教わっていたおかげで、なんとかここまで追い詰めることができたのだった。
「・・・これからどうするの?・・・少年・・・」
 一旦引いてしまった以上、奴もエリアを移動するだろう。ここは・・・
「エリア3に行ってみよう。あいつもかなりダメージを受けてる・・・眠りに来るかもしれない」
 いずれににせよ、今からまた消耗の激しい山頂付近で戦うのは避けたかった。4人は洞窟内というのに雪に覆われた坂道を下る。真尋は残る投げフォークの本数を確かめた後、震える足を叩いて気合いを入れ、邪神たちに続いた。

 —まさかとは思っていたが、エリア3に奴の姿は無かった。遥か高い洞窟の天蓋に空いた穴から、僅かながら雪が舞い降りて薄く積もっている。
「少し休もう・・・」
「そうですね〜、私疲れちゃいました〜」
 などとさっきと正反対の事を言いながら、左サイドにぴったり密着。さらに肩に頭をもたせかけたりしている。まったく呆れた奴・・・怒る気力もない。
「・・・ニャル子・・・少年・・・」
「ん?」
見ると、クー子が瓶を2本差し出していた。中には何やら赤い液体が入っている。どうやらホットドリンクを勧めてくれているらしい。
—これは驚いた。ニャル子にだけならまだしも、真尋にも恩恵があるとは。かつては、ニャル子を奪う男として焼き尽くされかけたこともあるのに・・・
「ありがとう、クー子。驚いたよ、まさかおm・・・」
「真尋さん!まさか飲むおつもりですかぁ!何が入ってるか知れたもんじゃありませんよぉ!」
 感謝の欠片もないおそらく本命。まったくひどい扱いだ。
「おいニャル子!お前少しはなぁ・・・!」
「・・・いいの・・・少年・・・私はこれで満足・・・」
 ・・・クー子は荒い息をしながら頬を紅潮させていた。まぁ・・・本人がいいならいいか・・・
—こうしている間にも着々と対非日常適応スキルを強化している真尋であった。

—その後数分・・・どうやら休息には来ないと判断した真尋たちが、エリア3を後にしようとしている時だった。
「むむむ!」
 ここにきて突然ニャル子の邪神レーダーがビビビッと反応する。しなやかな銀髪のアホ毛が天を指していた・・・今まで全く反応しなかったのに。
「なんでまたいきなり反応するんだ・・・?」
「そりゃあもちろん、先ほど真尋さんで充電したからですよ!」
「不便すぎるだろその充電方法!・・・まぁいい・・・で、どうなんだ今回は、当たるのか?」
「ええ・・・来てます・・・来てますよぉ・・・ほうら、私達のすぐ真上に〜・・・」

 —・・・居た。
 —・・・

—「「ホントに居やがったああああああああぁぁぁぁぁ!!」」
まさに今、洞窟上空で滑空をやめた手負いの轟竜が、唸りを上げて落下なうだった。
—「くっ・・・風よっ!」
 見事な反応でハス太が発生させた風が奴を包み、僅かに落下地点をずらす。
 —体勢を崩され豪快に着地。全身に傷を負い、奴の血か怒り状態の特徴か、その身を真っ赤に染めていた。しかしそれは奴の死が近づいているというよりむしろ、轟竜の力と怒りを象徴しているかのように見えた。
「ふん!ノコノコやられに来ましたかぁ!丁度こっちから行ってやろうと思ってたところですよぉ!」
 そう叫ぶなりニャル子は正面から突っ込む。—対し、奴は動かなかった。
 —弱っている?いや、違う。奴の狙いは・・・
「ニャル子!戻れ!」
「え?」
 —遅い。すでに、ニャル子の一撃は躱され、奴は攻撃態勢に入っていた。ニャル子のハンマーは地面を穿ち、とても回避などできない。
「「ガアッ!」」
「ぐっ・・・なめんなですよ!」
 なんとニャル子は、繰り出された必殺の噛みつきを、上顎をハンマーで、下顎をブーツで抑え、奴の口を最大まで開ききったまま固定していた。これでは奴も上手く力が入るまい。さらに装備と呼応したハンマーの電流が、確実にダメージを与えている。
 —しかし相手も流石だった。口を開ききった体勢のまま、ニャル子を押し出すように突進を開始。慌てて回避した真尋たちの脇を通り過ぎ、そのまま岩壁に激突した。
「あぐっ!・・・く・・・あ・・・!」
 —形成逆転。奴は今にもニャル子を押し潰さんと迫る。ニャル子は背中に衝撃を受け、突っ張るハンマーと足も少しずつその間を狭めていく。
 —かなりマズイ。とにかく奴の注意を逸らそうと、真尋がフォークを構えかけたその時。
「・・・ニャル子から離れろ・・・!」
 —クー子は大剣を振り下ろした体勢で静止。丁度奴の尻尾の真ん中だ。—そこから先の尻尾は繋がっていなかった。
 —斬り落としたのだ。
「「ガアアアアアアァァァァァッ!?」」
 —身悶え、暴れる轟竜。その弾みでニャル子は解放されるが、危機が去ったわけではない。真尋が即座に駆け寄る。
「おい!大丈夫かニャル子!おい!」
 —返事は無かった。真尋の全身が凍りつく。—いや、落ち着け。よく観察しろ。
「・・・すぅ」
 —よし、呼吸はしている。気を失っているだけだ。とりあえずこいつを担いで外へ・・・
「・・・ニャル子・・・ニャル子ぉ・・・!」
 —クー子!?
—あろうことか、クー子は武器まで放り出してこちらに駆け寄って来ていた。こんな状況で3人が固まるなど危険過ぎる。—クー子は全く周りが見えていない。
「ハス太———!」
 真尋はありったけの声で叫ぶ。もう頼れるのはハス太だけだった。
「分かったよ!真尋くん!」
 こちらの意図を察したのか、ハス太はまるで疾風のようなスピードでティガレックスに肉薄。怒涛の乱舞を開始した。
 奴も狙いをハス太に定め、強靭な爪や顎で攻撃する。しかし、まるで風を相手にしているかのように、まったくハス太の動きを捉えられていない。
 —しかし真尋は確信していた。—あれは長く持たない。一時的に身体能力をブーストしているだけだ。ハス太の表情を見てもそれは明らかだった。
「クー子!聞いてくれ!ニャル子は気を失っているだけだ!今から俺とハス太で時間を稼ぐ、その隙にニャル子を連れて逃げろ!ニャル子が目を覚ましたら、お前は加勢に来てくれ!」
「・・・うん・・・わかった・・・!」
 —どうやらクー子も落ち着きを取り戻したようだ。できればクー子には戦闘に参加して欲しかったが、この状況では仕方あるまい。
 —真尋は、未だ壮絶な戦闘を続けるハス太と轟竜を見据えた。

Re: 這いよれ!ニャル子さん ショートストーリー その5 ( No.4 )
日時: 2012/07/31 17:54
名前: tree (ID: KZnMR4dD)

—どうする・・・
 真尋はアイテムポーチをまさぐる。持ち合わせた閃光玉は全て使った。ハス太が持って来ていたシビレ罠も使った。残るは・・・いや、まだ駄目だ。これは最後の手段だ。
 —(クー子・・・まだか・・・)
「う・・・わあっ!」
 —ついにハス太が捕まった。二振りの剣でガードしたものの、大きく体勢を崩される。
「くそっ!」
 ここで真尋は初めてその剣を抜いた。名はヴァジュラ。優秀な雷属性の片手剣だが、果たして真尋に扱えるのか・・・がむしゃらに奴に斬りかかる。
「「ガァッ!」」
 効果はあった、奴はハス太から真尋に標的を変える。真尋はとにかく回避に専念し、ハス太が体勢を整える時間を作る。—しかしハス太はもう完全に息が上がっていた。無理もない。ほとんどハス太一人で相手をしていた様なものだ。
「・・・あり・・がとう、真尋くん。・・・もう大丈夫・・・」
「くそぉ・・・」
 もう風前の灯だ。確実に死が迫っていた—。

 —エリア5。エリア3の出口から身を隠すように、クー子はニャル子を抱いたまま座り込んでいた。
「・・・ニャル子・・・ねぇ・・・ニャル子・・・起きて・・・」
 何かにすがるように呟く。
「・・・少年とハス太が大変なの・・・お願い・・・目を覚まして・・・」
「・・・うぅ・・・」
「・・・ニャル子!」
「・・・なんだ・・・あんたですか・・・いや・・・かえって良かったですね・・・こんなところ・・・真尋さんには・・・見られたくないです・・・」
「・・・ニャル子・・・」
 ニャル子は近くにクー子しか居ないことに気づいた。
「・・・真尋さんは?真尋さんはどこです!」
「・・・戦ってる・・・」
 ニャル子は跳ねるように飛び起きた。
「なんですとぉ!?なんでそんな重要なことを最初に言わないんですかぁ!?今すぐ戻らないと!」
「・・・でも・・・少年は・・・ニャル子が起きたら・・・私だけ・・・来いって・・・」
「そんなのありえませんよぉ!いいですか!?真尋さんは私の最高警護対象なんですよ!私が死んで真尋さんが生き残れば問題ありませんが、その逆はないんです!」
 —うろたえるクー子、しかしニャル子はその腕を掴んで引っ張り上げた。
「分かったらさっさと戻りますよ!早くしないと真尋さんが・・・!」
 —二人は全力で駈け出した。

 —もう限界だ。
 —ついに真尋は最後の手段、麻痺投げフォークに手をかけた。
「はあっ・・・はあっ・・・くっ・・・うわぁ!」
 —ハス太が弾き飛ばされる。真尋はハス太と岩壁の間に滑り込み、衝撃を少しでも和らげる。
「うっ・・・もういい・・・もういいよ・・・ハス太・・・」
 —真尋は、もうこのクエストを諦めようと決意していた。幸い、逃げる手段なら取ってある。真尋はハス太からそっと離れると、こちらも満身創痍に見える轟竜の前に立つ。
「真尋くん・・・でも・・・」
「「グルル・・・」」
こちらの様子を窺うように喉を鳴らす轟竜。まるで最後の挨拶を待っているかのようだ。
「ごめん・・・母さん・・・」
 —そう呟いて真尋は麻痺投げフォークを5本放った。別に、今奴の動きを止めたところでハス太と真尋ではとどめは刺せない。そんなつもりは無いし、逃げる時間ができれば良かった。
 —全て直撃。全身が麻痺した轟竜は、僅かな悲鳴を上げ動かなくなる。
 —よし、あとはハス太をつれてニャル子達の所まで・・・

—「真尋さぁぁぁん!まだ私達のバトルフェイズは終了していませんよぉぉぉ!」

 —ニャル子!?

 ニャル子だ。ニャル子が戻ってきた。後ろにクー子もいる。
 そう認識した瞬間、真尋は駈け出していた。目的は当然、ニャル子のハンマー。
「ニャル子おおおぉぉぉぉぉ!受け取れえええぇぇぇぇぇ!」
 そう叫びながらハンマーを放り投げる。あまりの重量に、そのまますっ転んでしまったが構うまい。
「よっしゃああああああぁぁぁぁぁ!いきますぜぇぇぇぇぇ!」
 真尋が放ったハンマーを見事にキャッチし、大きく跳躍。その背後に、『勝利』の文字が浮かぶ。
 —そしてなんと、突然ニャル子のハンマーが砕け、破片が散らばる。
 —その破片たちはさらに広がり、その間に電流が走る、やがて元の数十倍はあろうかという巨大なハンマーにその姿を変えた。
「ちょっと待て!どーなってんだそのハンマーーー!」
 真尋のツッコミもむなしく。

「光にぃぃぃぃ!なれええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
 —世界が白に染まった。

 —「そう・・・ごめんね・・・ヒロくん・・・お母さん心配したわ・・・」
 —ティガレックスの討伐には成功した。
 —が、とても素材を剥ぎ取って帰るなんて状況では無かったため、とりあえず4人はキャンプに戻り、討伐成功の旨をギルドに伝えることにした。
 —そこでずっと真尋たちの帰りを待ち続けていた真尋の母に会うこととなる。素人の真尋たちは後の処理を母に任せるため、とりあえず状況を説明することになった。
「・・・本当に死ぬかと思った・・・」
「なーに言っちゃってるんですかぁ!私がいる限り真尋さんは死にませんよ!私が守りますから!」
 ニャル子は一旦病院にこそ行ったものの、治療はほとんど断り、いつものようにピンピンしている。
(下手に診察されるといろいろ困りますからねぇ〜。あ、これは私と真尋さんだけの秘密ですよ♪)
 —まったく何が秘密だ・・・僕のプライバシーなんてまったく考えていないくせに・・・
 —それにあの後・・・
 —ニャル子が発動した謎の超必殺技は、あの轟竜ですらポカンと見ていることしか出来なかった。巨大な光の塊が奴を押しつぶし、莫大な電流と衝撃で、もともと狭いエリア3の地形を変えるほどの威力だった。おそらく奴は一瞬でショック死しただろう。
 真尋はすぐにでもニャル子にあれこれ問いただそうと思っていたが、力を使い果たし、憔悴したニャル子の姿と、どうせ聞いたところで「愛の力です♪」とか適当に返されるに決まっているので、あえて何も聞かなかった。
—「うにゅ〜・・・真尋さ〜ん・・・もう動けないですぅ〜・・・キャンプまで抱っこ・・・いや背中が痛いですね・・・おんぶして下さい〜・・・」
 さすがに無下に断るわけにもいかなかったので、結局ベースキャンプまでニャル子をおぶって帰ったのだ。・・・明日からしばらくは筋肉痛だろう。
 さらにニャル子をおぶっている間、クー子とハス太の視線攻撃をずっと浴びていたのだ・・・クー子は飯でなんとかなるがハス太は・・・
 —結局、いつものように邪神どもに振り回される真尋であった。
 しかし、慣れというのは恐ろしいもので、最近は特に苦痛には感じなくなった・・・
 —そう、慣れただけだ。真尋は自分に言い聞かせる。
 —あいつをおぶっている間、あいつは寝てしまったのか、ずっと・・・
—「まひりょさん・・・だぁ〜いすきでう・・・ずっと・・・ぜえったい・・・まもりまひゅ・・・ずっと・・・ずっと・・・」
—などと延々ささやかれたからなんてことは断じてない。


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