二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜大江戸イレブン! ( No.4 )
日時: 2009/12/09 15:45
名前: ゆうちゃん (ID: 66DLVFTN)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=13983

第二話『流れ者の行き着く場所』

「……ここは?」
胸元の大きく開いた、だらしない感じの着物。
素足につっかけたわらじは、ところどころすれて、ボロボロになっている。
頭にかぶった笠をひょいとあげると銀の髪が下がってきてゆれた。
その男の第一印象———……

「エロいよ。インチキ法師」

宮坂は彼の横顔を見ながら言った。
「誰がインチキだ。誰が」
インチキ法師———佐久間次郎はお供の頭を拳で殴った。
「そうですね。……江戸でしょう、おそらく」
先ほどの質問に答えたのは、マッハだった。
「かれこれ何日かかったんでしょうね……。京を出たときは、桜が咲いてましたが」
向こうの林からせみの声がする。
「インチキ法師が迷子になるから。ばかだよねぇホント」
「あのなぁ、歩いて京からこっちに来るまでは、こんくらいが普通なんだよ!おぼえとけ。てか、お前は俺のお供なんだから、敬語をつかえ。敬語を!」
「敬語ぉ〜?なにそれぇ〜??そういうあんたは使えんの?敬語を」
「ばか、俺はな……」
喧嘩する師匠を無視してマッハは歩き出した。
「ほら、行きましょう。こんなトコで喧嘩してると恥ずかしいですから」
二人は互いにふんと鼻を鳴らし、そっぽを向くと、町に向かって歩き出した。


ー・−・−・−・−・−・−・−・−


「追え!なんとしても、つかまえろ!」

役人達の声と足音が遠ざかっていく。
路地に小さく積み上げられた箱から、顔をのぞかせた少年———ヒロトは役人がいないのを確かめると、ほぅと息をついた。
「困るなぁ。俺も好きでこんなとこに来たわけじゃないいんだけど……」
「なにしてんだ、お前」
背後で声がした。
びくりとして後ろを振り返ると、同じ年位の少年が二人立っていた。
(……なんだ。町の奴か)
ヒロトはほっとしたように動こうとすると、腕をしばられているのに気付いた。
「えっ?あ、い、いつのまに?!」
髪の白い方が答えた。
「罪人だから」
「はっ?何で知って……」
「コソコソしてたからだ。そうだな、見たトコ……異国人の密航者ってやつか?」
「!」
もう一人のヒロトよりも少し濃い色をした髪の少年が言った。
「みりゃ分かるって。赤い髪に青い目なんてあやしいだろ!」
(赤い髪に黄色い目の方があやしいって!!)
ヒロトは心の中で突っ込むと、「だからなんだ」
とにらみつけた。

「……助けてやる」
意外な答えが返ってきた。
「ついて来い。来ないならこの場で斬るぞ?」
———手馴れている。
ヒロトはそう察した。
どこからか出した太刀はこの年でも持てるような安物ではない。
ギラリと太刀が光った。
「……」
さすがに、殺されるのもいやだったのでヒロトは二人についていくことにした。