二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン〜大江戸イレブン! ( No.77 )
日時: 2010/12/18 15:12
名前: ゆうちゃん (ID: 66DLVFTN)

第十五話『幾重も重なる闇のなかに』

「よっ、お帰り」
「ああ、……ただいま」

ここは———
大江戸城、客室……円堂の部屋。

久々に復帰した豪炎寺。
円堂たちは彼を笑顔で迎え入れた。
「で、大丈夫なのか?怪我とか」
豪炎寺は苦笑すると「俺はな」そう言った。
夕香は「大丈夫」といえるほどではないようだ。

部屋にそろった面々———円堂、豪炎寺、ヒロト、マッハ、宮坂は机をぐるりと囲んで互いに向き直った。
最初に口を開いたのはヒロトだった。
「……で、どうする」
話していることは、もちろん大江戸で起こっている事件についてだ。
爆発、重症を負った佐久間……あれから数日経過しているが、なんら変わりは無い。この様子では、いつなにが起きてもおかしくない……。
城下ではちゃくちゃくと修復が進み、街の人々の不安もだいぶ薄れてきている。そこで、今回は犯行者と同じ国出身のヒロトを中心に、大江戸見廻り隊が愛するこの大江戸を守るため、打開策をだそう……という話しだった。
「どうするってもなぁ」
円堂がため息をこぼした。
たよれるはずの隊長。じかし、頼れるときより頼れないことが多いいのがこの隊長!お茶をずずっとすすって……
「なぁ?」
マッハに話しをふっかけた。
「は!?え!?私ですか!?」
なにも考えていなかったマッハはテンパった。
円堂は気にせずお菓子にも手を出して、「そ。どぉ?」とのんきなものだ。危機感がない。
「(そ、そうですね……)なんだこいつ師匠ににてるなぁ(私は、えと……)そういえば、師匠はどこにいったのか……(何も考えてませんでした……ごめんなさい)あの人もあの人で、頼れるかれないかよく分からなかったなぁ……」
「ちょっ、マッハ!逆だって!!言ってる事ちがうって!!」
テンパりすぎたマッハはもはや自分が何を言ってるのかも分からないらしく、ほとんど白目をむいている。
それを見てあきれた豪炎寺は変わりに質問に答えた。
「そうだな……、とりあえずは若様に……」
「……その、若様なんだが」
声におどろいた一同は廊下を見やった。
いつのまにいたのか、南雲と涼野が立っていた。
二人の手と着物は朱に染まっていた。
二人とも目を伏せがちにうつむいていた。
「……どうした」
ヒロトの声は思わず低くなる。
嫌な予感がして円堂は表情がこわばった。
涼野はこらえていたのか、目元をぬぐった。









「若様が——————斬られた」



南雲が拳を握り締めてそう言った。
涼野は耐えられずにその場へひざから崩れ落ちた。