二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: BLEACH 零を背負う者 ( No.16 )
- 日時: 2009/12/26 18:04
- 名前: 湯山 アヤカ (ID: VTrHJ6VV)
16 十一番隊にて
舞奈 視点
十一番隊に来ると、さっそくやちるが、あたしに飛び付いてきた。
「しゅうしゅう、久しぶりぃーー!!」
「おっ、やちる。更木隊長はいるか?」
ストレスが溜まっているときは、更木隊長と殺りあいをすると、すっきりするんだ。
「うん!あと、るんるんも来てるよ!!」
「るんるん?」
誰だ、それは。
でも、その「るんるん」が誰なのか、すぐに分かった。
鍛錬場に入ると、そこには一角と殺り合っている藤原の姿があったのだ。
藤原 るか、それでるんるんか。なりほど・・・
殺り合っている二人が手にしているのは、木刀なんかじゃなく、斬魄刀。
今の所を見ると、一角が苦戦しているようだ。
「おたくの負けよ、一角」
藤原は瞬歩で一角に迫り、首に斬魄刀を当てた。
さすが、藤原家専属の死神なだけはあるね・・・あの一角を余裕で負かすなんて・・・・・・
「あら、珠君」
藤原はあたしに気付いて、近寄ってきた。
「ふじっ、るかさん、どうしてここにいるんだ?」
「戦っていないと、体が鈍るのよ。ここの奴らって好戦的で、遠慮なしにかかってくるじゃない?だから、丁度いい相手になるの」
「そう・・・なのか?」
こいつ・・・、何を考えてるのか、さっぱり分からないわ。
「おい、珠。俺と殺し合いをするために、来たのかァ・・・?」
更木隊長が、興奮気味に近付いてきた。
「いいぜ、更木隊長。今日は俺も本気でいくよ!」
更木隊長はニヤッと笑うと刀を抜き、あたしに向けて振り下ろす。あたしも刀を抜き、それを正面から受けた。
うわぁ・・・、力強っ。やっぱりあたしが女だって知らないからかな・・・?
でも、この人はたとえ、あたしが女だって分かってても、絶対、手加減しないと思う。もし、更木隊長がそんなことで手加減するような奴だったら、見下すけどね・・・
女だからって、手加減されたり、守られたりするのは、大嫌いなんだ。
「とっとと始解しろ、珠」
あたしはそれを聞くと、ニヤッと笑って更木隊長を押し退けた。
「二人とも、あまり建物、壊さないで下さいよ」
一角がそう言うのが聞こえた。
「それは無理だな、一角。まぁ、修理代くらいは、俺が出してやらないこともねぇよ」
あたしは、一角に向かって叫ぶと、斬魄刀を前方に構えた。
「燃え盛れ、炎帝」
紅い炎が炎帝を取りまいた。
「行くぞ、更木隊——」
「今、その斬魄刀を何と呼びました、泉隊長?」
聞き慣れた声がした。
「卯ノ花・・・隊、長」
そんな・・・、なんで卯ノ花隊長がここにいるの・・・・・・?この隊には、昔のあたしを知ってる人がいないから、今まで気楽に炎帝の名が出せたのに・・・なんで?
そのとき、あたしは見たんだ。卯ノ花隊長の後ろで、ほくそ笑んでいる藤原 るかを・・・
あたしは、まんまとそいつの罠にはまってしまったんだ。