二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 恐怖の冥界、戸惑いの世界【日和】 ( No.1 )
日時: 2010/01/06 13:23
名前: 沖田自由 (ID: GLfOyQ7V)
参照: http://www.nicovideo.jp/watch/sm9034865

無宙!
一応更新☆☆☆☆☆


一章

一話*冥界*

 「鬼男君っ!こっちはもうだめだ!!」
長身の男がそう言いながら駆けてきた。
鬼男と呼ばれた角が生えていて、爪が伸びている男はその長身の男に顔を向けた。
その瞬間、鬼男の真正面にいた敵は太刀を振り上げ、鬼男に斬りかかる。
だけど、それを許さないのがあの長身の男だった。
 「だ…いお…っ」
 「鬼男く…っ、だいじょ…ぶ?」
敵の振り下ろした太刀は大王の右腕を切断していた。
右手を押さえつつ大王は苦しそうな笑顔を鬼男に向けた。
鬼男は目から涙を溢れさせながら大王を見上げる。
 「だっ、大王こそ大丈夫ですか!?」
 「これくらい…平気、だよ…っ」
そう言う大王が包帯代わりに使っている左手の指の隙間からは鮮やかな赤い血が流れていた。
鬼男は涙ながらに立ち上がると、大王の右腕を斬った敵に飛び掛り、ずたずたに引き裂いた。
ぐちゃぐちゃになった敵の上から立ち上がった鬼男の服には返り血が、肉片が飛び散っていた。
 「…におくん…っ、大丈…夫、なの?」
鬼男は胸を押さえて、苦しそうに膝を床につけた。
とても苦しそうなのに、それなのに、鬼男は大王に笑顔を向ける。
大王は右腕の切断面から左手を離していた。鮮血はまだ止まらない。
 「大王…っ、右腕…」
 「あぁ、これくらい大丈夫。鬼男君、無理しすぎだよ」
 「…ここは、あの人たちに任せるしかありませんね…」
鬼男のその発言に大王は一度目を見開いてから、笑顔で「そうだな」と言った。
鬼男の言う、「あの人たち」とは—。
後々わかるので言わないことにしておく。