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＃46　従姉弟

「ユウナ」

不意に、ユウナは名を呼ばれ振り向く。呼んだのはシルバーだった

「……何?」
「……最初、俺とアイツが戦う」
「……………え?」

キョトン、とユウナはシルバーを見つめる
シルバーは、不覚にも少し頬を赤らめる
その様子を、ユウリは視線の端から見ていた

（………罪な子だなぁ、二人とも
叶わないのに。特にシルバー君はね
二人は………従姉弟だから）

従姉弟。それはユウナとシルバーを指していた
先ほど冗談。とゴールドに言ったことは本当であり事実
ユウナの母親、ナナはシルバーの母親、ナミの妹で、何を間違ったのか、ナミはあのサカキと結婚していた
ナナもナナで、こんな由緒正しい家の跡取りの妻になったのだが
そして、同じ年にユウナとシルバーが生まれた
ナナはユウナの生まれた3日後に事故で亡くなり、ナナの親族もこのレイシンに来ていた。この時まだシルバーは生まれてなかったのだが

そして、二年後。シルバーが攫われたと言う情報をナミから聞き、その攫った人物は各地方のトレーナー能力の高い子供を攫っていたのだった
事実、シルバーはジムリーダー・サカキの息子だからだろう
そして、自分はレイシンのチャンピオンで未だ破られていない
次はユウナが狙われるのではないか。という考えが浮かんだが、その考えは現実にはならなかった


（………ま、いつか言おうかな。この戦いが終わってからでも
………シルバー君はへこむだろうけど）

きっと、ユウナも驚くだろう。所有者の中に自分と同じ血の通った「家族」が居たのだから
まぁ、それもこれも偶然。という事としてまとめてもらいたいのがユウリの本望であった

「さて、オニゴーリ“冷凍ビーム”だ」

ユウリは、オニゴーリに指示を出し、ハクリューを倒した

「……僕のほうは片付いたね、さてと……僕は“彼等”でも呼んでくるとしますか………」

ユウリは、5人を見ながら、奥の部屋へと言った


　　　　　　　　＊＊＊

「……お前、まずこの俺と戦え」
「………………いいだろう」


続く