二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケスペ†君と一緒に†47話UP ( No.552 )
- 日時: 2010/04/10 15:30
- 名前: 月音 ◆MoYaKs53do (ID: ixDFu4/i)
- 参照: 裏切りと言えば結那さm(ry なんか詩っぽい(
#49 裏切りの連鎖
小さい頃から、ぼくは裏切られてばっかり
信じて、裏切られて。その繰り返しばっかりだった
理由を聞いたら、ぼくは「気持ち悪い」からなんだって
どうして? ぼくは皆と同じ人間なのに
どうして? 皆はぼくと同じ人間なのに
どうして? ぼくは少しだけ違うだけなのに
どうして? ぼくはただ「チカラ」を使えるだけなのに
どうして、どうして………ぼくを「気持ち悪い」って目で見るの?
…………そう、か。世界が悪いんだ
こんな汚い、不平等な世界が悪いんだ。
こんな醜い世界が………世界がぼくを傷つけたんだ………
ぼくには、世界を壊せる能力が継がれている……
ぼくだけで、世界をやり直すことが……ぼくが神になることだって、出来るんだ………
—歪んでいるのは世界か?
—それとも、己か?
———それから、私は子を持った
いくら仕来りとはいえ、「優」という字を付けるのには躊躇いがあった
……世界なんて優しさのカケラもないのに
そして、息子は孫を生んだ
……ユウナ。とつけたらしい。自分の名と妻の名をとって
………私が神となる道が開けた。
私が、この酷く歪み、汚れきった世界を再び創り直す!!
この不平等な世界を消し、新たな世界を創り上げ、私がその世界の神となる!!!!
幼い頃の世界への復讐………今晴らしてみせる!!!!
そのために、私は優しさも、光も捨て、残酷さと闇に傾いていった!!!!
私が神になるために、家族さえ利用した!!!
忌まわしい他の家の親も殺した!!!!
私が………全て、私が神になるために必要だったこと………!!!!!!
だが、それは一人の少年の言葉で否定された
『人を殺す奴が神になれたら、この世は神サマだらけだろ』
その少年は、かつて私達が殺した親の生き残った子
だからこそなのだろうか、重みがありすぎた
気付けば、周りの少年たちは、同じ瞳をしていた
蒼の瞳、赤の瞳、金の瞳、銀の瞳………
色は違うが、瞳が放つ「感情<イロ>」は同じだった
それは———————————「怒り」の感情だった
「…………なぁ、お前。何か背負ってるだろ」
蒼の少年が問う
「何でかっていうと、お前、“昔の俺と同じ瞳”、してるから
哀しくて、やりきれなくて、自分しか見えなかった
………“闇に凍えてた”ユウナや、俺と同じだよ」
それは、私が見たこともない瞳だった
さっきまで「怒り」だった瞳が、一瞬で「優しさ」に変わった
「………あのさ、何があったのか。なんて聞かない
俺は人の過去を詮索したくない。俺が聞かれたら嫌だから
だから聞かない。でもさ…………」
少年は、私に笑いかけて
「—————————————支える事なら、きっと俺たちだって出来るから」
—何時だって、ぼくは裏切られてばっかりだった
—私は、あの時から、決め付けていただけだった?
—目の前に見えるのは、「優しさ」の光で溢れた少年が居た
「………私もだよ。お爺ちゃん」
「僕もだよ、親父…いや、父さん
—アルセウス達もだよね?」
《はい、判ってくれると思ってましたよ、主》
《やっと。って感じだけどな》
《そう言わないって言われたでしょう!? ダークライ!》
孫も、息子も、……ポケモンも、私を「信じて」くれたというのか…………?
傷つけた私を責めもしないで………
責めも、しないで…………
「———“今からだって、やり直せることはいっぱいあるよ、お爺ちゃん”」
ただ、世界に復讐するだけを目指して周りが見えなかった
ただ、私が神になるためだけを目指して家族を傷つけてしまった
それなのに、
家族や、その仲間は……優しく笑いかけてくれた…………
やりなおしたいって
こんな醜い世界を壊したいって
でも、今更気付いた
「壊す」んじゃなく「変え」ればいいのだと
「手を伸ばせは届くぜ、いい加減前見ろよ」
裏切りは、私を深く傷つけた
でも、裏切りの向こうには本当の「優しさ」が待っていた
…………長すぎる、プロローグだったな
結局、私はアノ頃から変わってなかったというワケか………………
「————————————————————すまないッ…………」
私は、そのまま崩れ落ちた
続く