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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 君の笑み、そして涙。【イナズマ短編集】 ( No.24 )
- 日時: 2010/03/02 19:21
- 名前: ぺりどっと (ID: SLKx/CAW)
第13話 身近な問題
また、月曜日がやってきた。
俺はあの日以来、笠峰とまともに
目を合わせられなくなってしまった。
笠峰を見ると、変に意識してしまうからだ。
そして、ゴーグルがやけに
ありがたく思えた。
もし、これがなければ表情がすぐに
バレて怪しまれるに違いないからだ。
……誰だ、ゴーグルあるほうが
怪しいって言ったヤツ。
それにしても、俺は笠峰のことを
ほとんど知らない。知らないのに
『結婚』だの『婚約者』だの言われても
仕方が無い。
とりあえず、吹奏楽部でホルン担当と
いうことは知ってるが……
待てよ、ホルンは世界一難しい
楽器といわれていて……ん?
そうか、吹部のヤツらはいつまで
たってもホルンが上達しない笠峰に
うんざりしていたのだ。
もし笠峰が練習に練習を重ねて、
ホルンが上手くなれば、いじめが
なくなるかもしれない。
まずは、笠峰の身近な問題を
解決する。彼女をもっと知るのは
その後だ。
と思ったが、今の俺は笠峰を見ると
硬直して話すことすらできない。
どうすれば……。
ボールが空中に舞い上がり、
俺がシュートをしようとした瞬間。
ふっと、笠峰の哀しげな顔が。
「!?」
気がつくと、ボールはゴールを飛び越え
木に引っかかっていた。
「どうした鬼道!最近、調子が悪いぞ!
何かあったのかー!?」
円堂の大きな声。そのとき、笠峰が
こっちを見ているのに気付いた。
腕をおさえ、苦しがっている。
俺はとっさに一歩踏み出した。
続く!!
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