二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 東方幻霊妖 〜existence ghost ( No.5 )
日時: 2010/04/07 14:46
名前: ひなりんご ◆5DUSXKGzcU (ID: vgnz77PS)

第一話


とある場所に、たくさんの竹林が生えている通り道がある。
その竹林の道を歩いて行くと、『永遠亭』という所に着く。

「れーせーん!!」
「だーから、ダメって言っているでしょ!」

ここ、永遠亭での2人のうさぎ。
鈴仙・優曇華院・イナバと、因幡てゐだ。

かつて月から逃げてきたうさぎで、今は永遠亭に住んでいる。

「なんでよー!! いいじゃないあの事くらいでー!」
「この前夜雀の子をいじめたんでしょ? 師匠から1週間外出禁止って言われてるでしょ!!」
「だっ……い、今姫様も師匠もいないし」
「だから私があんたのために警備してるの!」

てゐは数日前の夜、木の上で歌っていた夜雀のミスティア・ローレライにかなりのいたずらをしていたが、そこを見事に鈴仙に見られ、師匠の八意永琳に叱られて、その指令が出ていた。

今永琳は買い物に、そしてかつて永琳と月から逃げてきた永遠亭の姫、蓬莱山輝夜は近くに散歩に出かけている。
いつもは鈴仙も輝夜についていくが、今てゐがこういう状態なので、警備して見張っている。

「姫様はあまり外に出れないって言うのに〜……」
「〜〜〜〜!!!」

すると鈴仙は「絶対に出ちゃだめよ?」と言い、台所へ向かった。
けれど、てゐはニヤリと笑い、そろ〜っと足音を立てずに永遠亭から出ようとした。

(鈴仙には悪いけど、外に出してもらわないと私の体がおかしくなっちゃうからねぇ〜♪)

てゐはこっそり鼻で笑い、扉を開け飛び出そうとした。

と、目の前でボフッと誰かに当たる。
てゐは予想外の展開で「え゛」と声をあげ、その場に転ぶ。

(や、ヤバイ、顔をあげたいけど...師匠だったら...!!)

と、ちょっと焦りながら恐る恐る顔をあげる。

「……ど、どちら様...?」

てゐの前には見たこともない……妖怪兎が立っていた。
てゐは自分の服を軽くほろうと立ちあがった。

「ここ……が、えいえ……ん、てい……で…………すか…………?」
「え? あーいちお……って、ちょっと……!?」

てゐが言いかけていると、その妖怪兎はその場に倒れこむ。
てゐは動揺していると、後ろから鈴仙が来た。

「ちょっとてゐっ……! またあんた外に————」
「れ……鈴仙!!」

外に出ようとしたてゐを鈴仙は起ころうとしたが、てゐが今の状況を鈴仙に話した。
鈴仙はびっくりしたが、その妖怪兎をてゐと一緒に部屋に運んで行った。